ブロス編集部です。

2026年も4か月が経ちますが、その間にもとんでもない数の本が出版されました。いつか地球が本であふれかえることを恐れているバーグハンバーグバーグ社員・アルバイトの皆さんに、最近読んだ本を聞いてみました。

気になる本があったらぜひ読んでみてください!

 

 

ダ・ヴィンチ・恐山が最近読んでよかった本

ムーミン谷の彗星


アニメとかは見たことあったけど原作小説を読んだことがなかったので。

ムーミンってこんな話なんですね!? もっとのんきな小説かと思いきや、いきなり巨大彗星が迫ってきて、ムーミン谷どころか、地球滅亡の危機にさらされる話。シリーズ序盤でやるスケール感じゃない。

彗星の接近を知ったムーミントロールとスニフが旅に出る物語なのですが、文章のひとつひとつが光り輝いており、何度も読み返したくなります。特にスニフが拾った子猫にめろめろになってしまって、ほうぼうで自慢してまわる描写とか、かわいすぎる。「こども」の表現が抜群にうまい。

のんきなのに常に死の匂いがただよっていて、なんということもない会話で胸がぎゅっとなる。迫りくるリアルな災厄に「生活」で立ち向かう意志を感じました。今後何度も読み返す本になると思います。

 

 

雨穴が最近読んでよかった本

プロだけが知っている小説の書き方

夏美のホタル


昨年末に四冊目の本を出しました。「殻を破るために、あえて自分には求められていない”王道小説”を目指すぞ!」と意気込んで書き始めたものの、どうすれば王道を作れるのかわからず悩んでしまい、そのとき手に取ったのが森沢明夫さんの「プロだけが知っている小説の書き方」でした。

小説のハウツーは書店にあふれていますが、この本が特別なのは「著者が現役の小説家である」という点だと思います。つまり、ここに書かれているアドバイスの実用例が豊富にあるということです。アドバイスを頭に入れた状態で森沢さんの著書を読むと「なるほど、あれはこうやって使うのか」と知識がしみ込んでくるんです。

「夏美のホタル」は風景描写のみずみずしさと、登場シーンの数行で個性が理解できる、パキッとしたキャラクターの書き分けが印象的でした。夏美をモデルにヒロインを造形したりと、色々勉強させていただきました。

 

 

まきのが最近読んでよかった本

ババヤガの夜


手が付けられない爆弾暴力どでか女がヤクザに拾われ組長の一人娘の護衛する任務につくが、とんでもない事態に巻き込まれる…という話。世界最高峰のミステリー文学賞「ダガー賞」の翻訳部門を受賞したというやつ。ラノベみたいな設定でバイオレンスにまみれていながら、スイスイとページがめくれる読みやすさがありました。

どでか女が護衛を任されたお嬢さんは「女はお嫁に行って夫に尽くすもの」という古い固定観念が染み付いており、花嫁修業に勤しんでいながらどこか目は空虚。少しずつそのお嬢さんと心を通わせることでこの先の悲惨に決定づけられた運命が明らかになり、果たしてどでか女が取る選択とは…?

そして、このストーリーラインからミステリー文学…?と思ったんですが、中盤以降からの辻褄の合わない違和感が一気に弾け飛ぶギミックがかなり凄まじく、そこからジェットコースターのように爆読みしてしまいました。このギミック、正味の話めちゃくちゃ「剛腕」ではあって人によっては好みは分かれると思うんですけど、そういう意味でも記憶に鮮烈に残るすごい仕掛けでしたね。割と短めで通勤の電車内(往復2時間)で読めるのもありがたい!

 

 

マンスーンが最近読んでよかった本

粉瘤息子都落ち択


ユーモラスかつ文学的な表現のバランスが素晴らしく、ラストまで一気に読んでしまいました。

会社を辞めて社会からドロップアウトした主人公は、家に閉じこもって友人と格ゲーをするだけの日々を過ごしている。外出といえば、毎日家の近くにある自販機で、マウンテンデューを買って飲むだけ。

ある日、その自販機の側面に『じゃあ一生オマトゥマへーオマンヘマンヘーっつてろよ。』と書かれたテプラを見つけて家に持って帰る主人公。

偶然付着してしまった自らの粉瘤の血をそのままに呪物としてメルカリに5000円で出品するが、なぜかそのインスタントな呪物がすぐに売れてしまう。

そして父親の体調がよくないことから実家に戻ること(都落ち)も決まり…。

この作品は、ダラダラと過ぎゆく生活を、ネットスラングや日常に近い名詞をどんどん使う手法でリアルに表現しています。

大学を卒業して無職になった自分も、どうしようもない日々をただ闇雲に過ごしていたことがあるので、どこか近い部分を感じて「あぁ、分かる」と言いながら読み進めました。

決して派手な出来事が起こるわけではないけれど(ラストは少しあったが)、現代に生きる私たちが抱える”誰かに決められ自由”に対するモヤモヤとした気持ちを打破してくれるような…。そんなパワーを感じました。

これは怠惰で無気力な新世代の青春小説です。

 

 

瀧ヶ崎が最近読んでよかった本

十皿の料理


三田の有名なフランス料理店『コートドール』のシェフ、斉須政雄さんのエッセイ集。かれの人生の骨格になる十皿が、それぞれの思い出や実際のレシピとともに綴られています。斉須さんのフランス修行の厳しくもあたたかい経験が、料理の香りともに伝わってくるような素敵な文章です。

ただ、読み始めは、あまりにもフランスの料理名や人名に馴染みがなさすぎて面食らうかもしれません。ヴィヴァロワでの思い出、ムッシュ・ペローの人柄、フォン・ド・ボーのあくを掬うとき感じる、エストラゴンの香り・・・。なんのことやら?ですが、文章から溢れる「この人は本当のことだけを書いている」という質感だけは確かなので、それを信じて自分なりに想像しながら読むのが楽しい一冊です。ぼくは宮沢賢治をはじめて読んだときのことを思い出しました。「クラムボンはかぷかぷ笑ったよ。」という不思議な一文を、それってどんな様子だろう?と想像する・・・。そういう感じです。

エチュベの野菜がわきたったときの、最後の味見。ゴーンと脳天にくるような塩味、「むかし夏みかんをたべて鼻に汗かいたことを思い出す」くらいの酸味・・・。いったいどんな味わいだろう?

 

 

読もう!本!

本日は以上!色々な小説、本、お話をご紹介させていただきました。興味があれば本屋に走れ〜!それではまた。