2023年1月20日
私は和歌山県にあるアドベンチャーワールドにいた。
アドベンチャーワールドで暮らしている私の推しパンダ永明(えいめい・30歳♂)が中国に帰ってしまうからだ。
私とパンダ
まずは私とパンダの思い出を振り返りたい。それは17年前に遡る…
きっと多くの方が同じ体験をしたことがあるだろう。私は初めてパンダを見たとき、都会の人の多さとパンダの人気に圧倒されパンダにハマってる場合じゃなかった。
それから時が経ち2020年1月、私は和歌山県にある水族館・動物園・遊園地が合体した夢のようなテーマパーク「アドベンチャーワールド」に遊びに行く事になり、私の中の常識【パンダは見づらい】が覆された。
(2020年1月に撮影した永明)
パンダ近(ちか)ーーー!!!!
逞しく力強い筋肉の動き、豊かで綺麗な毛並み、そしてキラリと光るワイルドな瞳。
「カッコいい…」
私は永明の魅力に目を奪われた。しかもカッコいいだけじゃなかった…
お尻の寝癖、体に刺さった笹の葉…
ズキュュンンン!!!!
可愛すぎる!!!!!
ギャップ萌えに心臓をわし掴みにされた瞬間だった。鳥肌が立ち、動悸が止まらない。
また、永明の食事姿にも感動した。
竹の葉の生えた枝を根本から口で挟み、グイッと引っ張ることで効率的に葉っぱを引き剥がしモシャモシャ食べている。一切の無駄がなく美しい。
当時1歳半だった永明の娘、彩浜(さいひん)の食事シーンと比べるとその熟練度は一目瞭然だ。
(当時1歳半の彩浜。ぬいぐるみみたい)
ガラスの壁が無い屋外展示場ではパンダの音や空気を肌で感じられ、幸せな空間だった。
それ以来私はパンダの大ファンになった。そのきっかけとなった永明が2月22日に中国に帰ってしまうとなれば、どうしても最後に一目会いたい…会わなきゃいけない!!
永明に会いたい
アドベンチャーワールドの入り口には、永明の旅立ちに際して大きなデコレーションがされていた。
反対側には、共に中国へ旅立つ永明の娘の双子パンダ「桜浜(おうひん)」と「桃浜(とうひん)」のデコレーションも。
みんなで繁殖の研究の為に中国へ向かうのだ…。パンダ界の未来のためとはいえ、寂しい。
ゲートをくぐりエントランスドームを抜けた景色がこんな感じ。とっても広く見晴らしが良い。
早速私は永明達が展示されている『ブリーディングセンター』へ向かう。
これはパーク内の案内板なのだが、ブリーディングセンターは中国語で『繁殖中心』と表記していた。すごく分かりやすい字面で好感が持てる。
5分ほど歩くと、ブリーディングセンターに着いた。
案内を見ると、まず待機エリアに通され、永明→桜浜or桃浜(どちらかが展示されている)の順で3分ずつ鑑賞できるようだ。
私は朝から服に永明の缶バッジを付けているので、いつ会っても恥ずかしくない万全の状態だ。
(オタクの命、缶バッチ)
早速列に並んでいると、すぐに待機エリアに通された。壁にはアドベンチャーワールドのパンダの歴史や、いろいろが解説されている。
中でも目に留まったのが家系図であった。
永明は16頭の子どもをもうけているので家系図の横幅が凄いことになっている。ちなみに28歳で末っ子の楓浜(ふうひん)をもうけた際に、飼育下で自然繁殖に成功した最高齢のパンダという自身の世界記録を更新した凄いパンダなのだ。
永明の子ども達のうち11頭は既に中国に渡っており、繁殖活動に一役かっている。特に長男である雄浜(ゆうひん)は21歳にして13頭の父親だ。
そんな中国の保護活動のおかげでパンダは個体数が増え、2021年には絶滅危惧種から外され現在に至る。
パンダへの理解を深めながら待機エリアで待つこと6分、とうとう永明の鑑賞エリアに!!
永明〜!!!!!
前足でしっかり竹を抱えてガジガジと食事をしている最中だった。足の裏の毛がボワボワで可愛い〜!!!!!!
遊具の隙間に竹が挟まっているのが可愛い。パンダはよくお昼寝をしているので、最後に元気に動いている姿を見られたのはかなり幸運だ!!
まじまじと永明を眺めていたらあっという間に3分が過ぎ、次の鑑賞エリアに通された。その日は桜浜の展示だったが…
片足を木に引っ掛けて眠ってる…!
パンダのくつろぎ姿には、つい「わかるなぁ〜」と共感してしまう。片足を何かに引っ掛けて横になるの、体が楽なので私もよくやる。わかる…わかるぞ桜浜!!
永明・桜浜を見終え、もう一度並んでも良かったのだが折角なのでアドベンチャーワールドに残ってくれるパンダ達も見に行きたい。
私は入り口付近にある、パンダLOVEというパンダの展示場へと足を運んだ。
(パンダLOVE。近代的でカッコいいデザイン)
その日は、彩浜(さいひん)・楓浜(ふうひん)・結浜(ゆいひん)が展示されており、彩浜から順番に見れるようになっていた。
彩浜。気持ち良さそうに眠っている。
(楓浜(左)・私(中央)・彩浜(右)のスリーショット)
続いて2020年11月に生まれた楓浜を見る番なのだが、実は私は楓浜が生後8ヶ月の頃に会いに行っている。
(生後8ヶ月の楓浜)
会ったときはお昼寝中だったが、寝返りをうっただけでお客さんから黄色い悲鳴が上がっていていた。パンダの赤ちゃん、愛らしすぎてこの世の物とは思えない。
そんな楓浜、現在は…
結構大人になってる!!パンダと子役は成長が早い!!!
外に出ると、結浜が屋外展示場の隅っこで背を向けて食事をしていた。
丸い背中が可愛い…
屋外展示場では時間制限なく鑑賞できたので、しばらく結浜の食事シーンを眺めていたらお腹が減ってきた。
お昼ごはんはパーク内にあるJamboというレストランでいただくことに。
Jamboは、サファリをイメージしたハンバーグやステーキ等のワイルドな鉄板料理が売りのお店だ。
(私の服、Jamboに馴染みすぎでは)
チャージ料を払ってないのに突き出しにポップコーンが!!!嬉しい!!!
コップには「PANDA BAMBOO」と書かれている。調べたところ、パンダが食べずに廃棄していた竹を活用しているらしい。なんだかパンダの存在を感じられて温かい気持ちになった。
注文してから5分程経った頃、私が選んだ「イブ美豚のポークソテー」が運ばれてきた。
イブ美豚はイノシシと豚をかけあわせ、イノシシ特有の脂の旨味を保ちつつ独特の臭みを消した和歌山県のブランド豚肉だ。パーク内で土地の名産品をいただけるの、特別感がより増してありがたい…!!味も脂が甘くてすっごく美味しかった〜!
お腹を満たした私はもう一度永明に会うべくまたもやブリーディングセンターに並んだ。
常に数人が並んでいる状態で、最大でも9分待てば鑑賞エリアまで辿り着ける混雑具合なので、本気で見ようと思えば1日に10回以上は見られそうな感じだ。
今回もあまり待つことなく、永明と二度目の再会。
眠ってる…!!(小声)
すごく大きいおにぎりみたいな寝相だったので美味しそうに見える。
力士が10人がかりで食べる大きさのおにぎり(永明)を見ていたら、またもやあっという間に時が過ぎた。やはり閉園前にもう一度見に来よう。
ちなみに桜浜も寝ていた。
ウォーキングサファリ
眠っている永明が目覚めるまでの間、パーク内にあるサファリワールドに出かける。アドベンチャーワールドのサファリは、26種類以上の動物が自由に暮らしているので見応え抜群だ。
サファリワールドは、ケニア号という列車タイプの大きな車、カート、サイクリング、徒歩と色々な回り方があり、それぞれコースが違うのだが私が一番好きなのは徒歩(ウォーキングサファリ)だ。
肉食動物は一部見られなくなるが、息づかいを感じられるほどの近距離で草食動物たちを鑑賞できて最高!おまけにエサやり体験が自由にできる場所が数カ所あるので楽しい!
ウォーキングサファリ最初の動物はマントヒヒだった。エサはガチャガチャのような機械で販売されており、200円で片手でひとつかみ分ぐらいの量が出てくる。
私は事前に1000円を両替して来ているので迷わずマントヒヒにエサをあげた。
既にマントヒヒは10メートルはありそうなヤグラに登ってエサを待っていた。緊張感が走る。
私が大暴投してしまったらマントヒヒはエサを追って落っこちてしまうのではないか…自分を信じて一か八かでエサを投げ込む。
行けた!!
両手でエサをキャッチするの、凄く「知」を感じる…。
ちなみに、マントヒヒは取れないと判断したエサはちゃんと無視するのでヤグラから落下することは無かった。ホッ!
(続いてムフロン達へのエサやり場に)
実はサファリワールドの個人的な楽しみの1つに「表示の味わい深さ」がある。
エサやり体験場のイラストとしてはあまりにもムフロンの表情が切なく可愛い。海外旅行でスリにあった翌日のムフロンみたいで、つい寄り添ってあげたくなってしまう。
(心ここにあらずの表情)
実際にエサを投げるとムフロンは本当にそれほど餌に興味がない感じだった。エサを持て余すかと思ったが、かわりにヒトコブラクダがモリモリとエサを食べてくれた。
(マントヒヒのおかげでエサ投げ技術が身についた私)
歩き回っているとチーターが見られるエリアに着いた。ここでも表示が可愛い。
「噛む恐れがあります」や「危ないので手を入れないでください」ではなく「かみます」というのが分かりやすくて良い。
「噛むのかぁ…」と考えていると、チーターが小さな声で”ニャア”と鳴いた。
ニャア(かみます)
他にもマレーバクのおしっこに気を付けたり
ヒマラヤタール、アクシスジカ達にエサをあげていると楽しいウォーキングサファリともいよいよお別れになってしまった。
よく見ると不思議な看板。サファリを歩いている影が人間ではない。手足がヒレ?みたいになっているので、陸の生き物に会いたかった海洋生物なのかも…そうだとしたら設定が健気すぎて泣ける…。
サファリを抜けて、再び永明のもとへ急ぐと…
終わってる!?!?
飼育員さんに聞いたら、15:30で永明・桜浜の案内は終了していたらしい。チーン…
確認不足が悔やまれたが、最後に永明を一目見ることが出来てよかった。きっと永明も私を見れて良かったと思っていることだろう。(妄想)
ありがとう、永明!中国でも元気でね!ずっとずっと忘れないよ!いつまでも…いつまでも…
おしまい
※この記事は撮影当時の情報をもとに書いていますので、動物の体調や状況によっては楽しめない施設等あるかもしれません!遊びに行く際は事前に公式ホームページ等で確認することをオススメします!
アドベンチャーワールド
〒649-2201 和歌山県西牟婁郡白浜町堅田2399番地
【公式HP】https://www.aws-s.com/