突然ですが皆さん、パワーは足りていますか?パワーはいくらあっても良いものです。
なにかと疲れる季節の変わり目、特に力を付けたい方にオススメなのがこちらの食材…
ニンニク!!!
今更説明するまでもない、スタミナの代表とも言えるニンニク。その歴史は古く紀元前から栽培されていて何千年ものあいだ人類にパワーを与え続けて来たありがた〜い食材。
そしてなにより、嗅ぐ者全ての食欲を刺激する(個人差あり)あの魅力的な香り…。思い出しただけでもお腹が空いてくる。
私は美味しさと元気を与えてくれるニンニクが大好きなのだが、ある日ニンニクにまつわる聞き捨てならない情報を入手した。
「青森県田子町にとんでもなく美味しいガーリックステーキごはんがあるらしい」
え…そんな…
(この記事の執筆者、天野アマゾネス(私))
青森県田子町とはニンニク生産量日本一を誇る、言わばニンニクの聖地である。
聖地が誇るガーリックステーキごはんとなると食べないわけにはいかない。幸い私は青森県出身なので、帰省した際に立ち寄る事ができる。
早速父に連絡した。父は昔田子町に住んでいた事があるので案内してもらおうと思ったのだ。
(左が父。田子町に住んでいた事がある。)
父に田子町のガーリックステーキごはんを食べに行きたい旨を伝えたら、すぐに返事が来た。
ガーリックステーキだけど、知り合いのお店だから連絡しておくよ。
え!?!?!?
私は信じられず、何度も父に「ただのガーリックステーキじゃなくてごはんが付くんだよ!!」としつこく確認したが、父は動じなかった。
そして更に気になる事を言い出した。
お父さんも丁度田子に美六姫を買いに行こうと思ってたんだよね。
ミロクヒメ??田子町に伝わるお姫様の民芸品だろうか。
美六姫は最近開発された田子町でしか売ってないニンニクの品種で、すごく美味しいらしいよ。前に田子へ行ったとき、時期が終わってて買えなかったんだ。
父のその一言で、私の田子町への期待が一気に高まった。ガーリックステーキごはんに美六姫…一体どんな味なのだろうか。私は大きなワクワクを胸に田子町へ向かった。
キィィ…ン
ブゥーーン…
田子に住んでた時は当時付き合ってたお母さんと遠距離恋愛になって大変だったなぁ〜
父と母が折れずに愛を育んでくれたから私も命を得られたんだね…あ!田子町だ!!
父と雑談で盛り上がっていたら看板が見えて来た。
ついに念願の田子町に到着した。
父いわく、6月の収穫時期には町全体がニンニクの匂いに包まれるらしい。私が行ったのは8月中だったのでニンニクの匂いはしなかったが、町には沢山のニンニク畑が広がっていた。
(収穫が終わった後のニンニク畑(奥))
まずはガーリックステーキごはんを食べるべく、田子町の市街地に車を走らせた。
町の中心部に近付くにつれて、田子町のニンニクへの情熱が伝わってくる。
道端のカカシまでもニンニクをモチーフとしていて、気迫のようなものを感じた。恐らく日本各地を探しても、他にニンニクのカカシは見つからないだろう。既に「来てよかった…」という気持ちで胸がいっぱいだ。
(ほとんどが梅沢富美男さんに似てるのはなぜ)
町の景色を楽しんでいると、本日のメインイベントでもあるガーリックステーキのお店に到着した。
こちらが本日お世話になる「勇鮨」さん。田子町で50年続く老舗のお寿司屋さんだ。
お寿司屋さんとステーキ、夢の共演である。
中に入ると大きいニンニクが30個以上吊るされており、あまりの立派さに見とれてしまう。
いらっしゃいませ!準備が出来ていますのでお座敷にどうぞ!
父と古くからの知り合いである店主の佐藤さんが温かく迎えてくれた。
案内されたお座敷は、趣があり落ち着いた雰囲気でとても居心地が良い。テーブルには噂のガーリックステーキごはんが待ち構えていて、その華やかな佇まいに圧倒されつつも席に着く。
待望のガーリックステーキごはんは予想以上にオシャレで洗練されており、美味しい色が全部入っているように感じた。小皿や箸置き等もニンニクをモチーフとしていて可愛らしい。
早速食べようとすると、佐藤さんがウェルカムドリンクを持って来てくださった。
こちらニンニクが入ったコーラ、タッコーラです。
たっこーら…
田子町にしかない人気の商品なんですよ!
序盤から真のニンニク好きかどうか試されているような気がした。
意を決してグイッと一口飲むと炭酸のシュワシュワ感、コーラの甘みの後にニンニクの香りが口中に広がった。結構ニンニクが強く、お肉を煮込むのに使ったら凄く美味しいんだろうなぁと思った。
ふと父を見たら「美味しいなぁ」と一瞬で飲み干していたので、私はニンニク界の未熟者だと思った。
ウェルカムドリンクの次は前菜だ。
ニンニクをテーマにした創作料理が9種類あり、右上から左に向かって順番に食べるのがオススメらしい。コース料理のようになっていて、次々に色んなニンニクの味が楽しめる。私は真ん中の「中泊産メバルの冷製アヒージョ」が特に好きだった。
枝豆味噌を使った味噌汁も枝豆のコクが感じられて美味しい…!!!
そしてメインは、ガーリックステーキ寿司。
田子町のブランド牛である田子牛始め、青森県産の豚肉・鶏肉が奥に綺麗に並んでいる。田子牛のサシの輝きが眩しい。
この肉たちを焼き、トッピングが乗ったシャリを巻いて食べるのだが絶対に美味しいに決まっている。
お肉と一緒に焼いているボイルニンニクは美六姫!!!大ぶりで透明感がありとっても美味しそう。
美六姫の特徴は何と言ってもその甘みにあり、糖度はなんと40度以上あるのだそう。バナナ(20度)の2倍!!!
美六姫は今の時期売ってるんですか?
その年のニンニクが市場に出るのはだいたい9月からなので、今はまだ出ていない可能性が高いですね…
また来月来よう…
6月に収穫されたニンニクは7月・8月の間に乾燥させるので、私達が向かった時は残念ながらシーズンではなかったのだ。今の時期勇鮨で提供している美六姫は半乾と言われる状態の物で、市場には出回っていない特別なものらしい。
美六姫はお土産に買えなくて残念だが、ここで特別な美六姫が食べられるのは嬉しかった。
お肉が焼けたのでいざ実食。
うまぁーー!!!!!
お肉のジューシさとトッピングの風味がすごくマッチしていて、もともと大きかった期待を更に超えてくる美味しさだ!!
シャリの上に乗ってるトッピングってなんですか!?
フキノトウとニンニクのペースト、きなことカボチャのニンニクペースト、ニンニク麹の3種類です。
ガーリックステーキに和の食材をプラスさせることで、よりお寿司との親和性が高くなっているように感じた。とにかく、どのトッピングも美味しく箸が止まらない。
このガリもニンニク!?すごい美味しい…生姜のガリと同じぐらい普及してほしい…
こちらはニンニクの甘酢漬けです。作るのに3年かかるんですよ。
3年…!?!?
なんて手間がかかってるんだ…。ガーリックステーキ寿司を食べた後にニンニクのガリを食べると、スッキリした味わいと更なるニンニクの風味を得られてやみつきになりそうだ。
そしてお待ちかねの美六姫にこんがり焼き色がついたので口に運んだ。
ねっとりとした舌触り、トロリとした甘みの中に優しいニンニクの風味が鼻に抜ける。まさにニンニクのお姫様という味がした。もっと早くに知り合いたかった…!!!
別れを惜しみつつ食事を終えると、デザートのガーリックアイスが運ばれてきた。
ニンニクのやめられない止まらないという味がアイスクリームにも作用していて、バクバク食べてしまった。不思議とクセになる味。
今日はありがとうございました!とっても美味しかったです。
ガーリックステーキごはんは、前菜やシャリのトッピングが毎年リニューアルされるので是非またいらして下さい!
え!?毎年メニューが変わるんですか!?
はい!中には10年先まで予約しているお客さんもいるんですよ!
すごい…とんでもない熱量の思いが込められているんだ…
そして今回一番ビックリしたのが、これだけ豪勢なガーリックステーキごはんが1食税込み1800円だったところだ。いくらなんでも安すぎる。
私は、必ず来年も来ようと胸に誓った。
勇鮨
【住所】青森県三戸郡田子町大字田子字前田1-18
【電話番号】0179-32-2349
【営業日】不定休
※前日まで要予約
※ガーリックステーキごはんは田子町のご当地グルメとして、勇鮨の他には「ガーリックセンター」「御食事処なくい」でも食べることが出来ます!!
続いて訪れたのは田子町で1番大きなニンニクの販売所「ガーリックセンター」だ。
(ガーリックステーキごはんで元気モリモリになった私)
こちらはニンニクや加工食品が販売されているギフトショップと、様々なニンニク料理が食べられるレストランが併設されている。
ニンニクの関連商品がこれでもかと販売されており、中には先程のガーリックステーキごはんに使用されていたニンニクの甘酢漬けや、ニンニクのお皿も販売されていた。タッコーラは売り切れていたので「本当に人気なんだ…」と改めて実感した。
店内の装飾品であるニンニクの置物が可愛らしい。
鼻をつまむニンニクの置物。良い匂いだよと励ましてあげたい。
ズラリと並ぶニンニクの首振り人形。ヒゲが生えたおじさんニンニク以外皆笑顔だ。
沢山ある商品の中でもガーリックセンターが最も推していたのが「ニンニクソフトクリーム」。なんと5年の歳月をかけて開発したらしい。先程ガーリックアイスを食べたばかりだが食べてみることに。
(ミルクとチョコレートのミックスソフト)
かなりマイルドに仕上げられていて美味しい!
よく味わって食べないと「ニンニクだ!」とは感じなかったが、ニンニクの何度も口に運びたくなる独特な口当たりが残っていて夢中で食べてしまった。ガーリックセンターでしか販売していないので立ち寄った際にはぜひ食べたい。
沢山お土産を購入し田子町を後にした。
田子町ガーリックセンター
【住所】青森県三戸郡田子町大字田子字田子11
【電話番号】0179-32-3165
【営業日】不定休
翌日、ガーリックセンターで購入したニンニクを眺めて思い出に浸っていたところ、パッケージにシールが貼ってある事に気が付いた
美六姫のシールが貼ってある!!
ガーリックセンターに問い合わせてみたところ、6月の早いうちに収穫されたニンニクが乾燥を終えて店頭に並んでいたらしい。
普通のニンニクだと思って買ってしまったが、これには感動を抑えられなかった。私は父が個人的に大量購入したニンニク(これも美六姫だった)と合わせて丸揚げにすることにした。
3つ揚げようとしたところ、母に「多いんじゃない?2つにしときな」と言われたが「家族皆で食べるんだし、信じられないぐらい美味しいから3つでも足りないぐらいだよ!!」と強引に下準備したニンニク3つを油に入れた。
(2Lサイズで1つ380円)
ニンニクがきつね色になった頃、家中が良い香りに包まれた。早くニンニクを食べたい。
完成!!一つ一つの片が大きく、丸々としている!!もう幸せになってきた!!
皮を剥くと黄金色に色付いたニンニクがお出まし。塩をかけていただく。
ヌぁッフ…!!!
かぁーッ!!!!トロットロ!!!!!甘みが強く、塩との相性が抜群で今までに食べたことがないニンニクの丸揚げだ。
ふと周りを見れば家族たちが我先にとニンニクに手を伸ばしていた。
こうしちゃいられない。ゆっくり味わいたいが、ほっといたら一瞬で無くなってしまう。実家の怖さを思い出し、私も家族の誰より多くニンニクを食べようと手を伸ばした。家族は食事のときだけライバルになるのだ。
10分足らずで無くなってしまった。
食後、ガーリックセンターで購入したニンニクのお菓子を食べながら「また来年も絶対に行こうよ」と約束した。
ニンニクの聖地、田子町。ニンニクへの真っ直ぐな情熱と美味しい食べ物に溢れた魅力的な町だった。
できれば皆さんにもぜひ一度田子町を訪れていただきたいのだが「難しそう…」という方に朗報!!
田子ニンニクはガーリックセンターのオンラインショップでもお買い求めいただけます!!皆さんも是非美味しい田子ニンニクを味わってみてみてください!
※ニンニクの過剰摂取は体調を損なう恐れがあります。節度を持って適量を美味しくいただきましょう。