私にとって冷やし中華は最後の卵ラッシュのためにある食べ物なのだが、よく考えたら外食で冷やし中華を食べた事が無かったので注文してみることにした。

数分後、私は運ばれてきた冷やし中華を見て驚いた。

かかか…カマボコ!?!?

外の冷やし中華ってカマボコも入っているの!?驚きながらも食べてみると、カマボコの弾力や風味がマッチしていて美味しかった。

店を出た後に冷やし中華について調べてみたところカマボコはレアである事が分かった。そして冷やし中華が日本発祥の料理である事を初めて知った。

もしかして、本場の中華料理が楽しめる中華街で提供される冷やし中華には、新しい発見があるのではないか?

私は中華街の冷やし中華に興味が湧いてきたので調査してみる事にした。

 

この記事の撮影は神奈川県に緊急事態宣言が発令される前に行っております

鳳林

まず初めに行ったのは鳳林というお店だ。ここは職場の先輩がオススメしていたお店で、石焼の炒飯や麺など他のお店には無いメニューがありいつも何を頼むか悩んでしまう。

店に入り冷やし中華を注文すると、醤油味か胡麻味か聞かれた。私はベーシックな冷やし中華もよく分かっていない為、醤油味でいこうと思う。

少し待った後に、料理が運ばれてきた。

(冷やし中華 1000円)

チャーシューに蒸し鶏と二種類も肉が盛り付けられているパワー系の冷やし中華だ。

早速食べてみると、麺が細麺で食べやすいだけでなくしっかり歯応えがあって美味しい!チャーシューや蒸し鶏は元々大好きなのだが、発見として椎茸を甘辛く煮たやつが口の中でジュワっと旨味を出して冷やし中華に味わいをプラスしていた。

卓上に食べるラー油がある為、それで味チェンできるのも魅力的だ。さっぱりしつつ充分にエネルギーを摂取できるパワー系冷やし中華、食欲を無くし栄養不足になりがちな夏にはありがたい。

鳳林の詳細はこちら

 

清風楼

続いて私は清風楼に行った。こちらは私のかかりつけ病院の先生がオススメしてくれたお店で、チャーハンがとにかく美味しい。

お店に入り店内を見渡すと「冷しそば 950円」と掲示されていた。冷やし中華とは違うのだろうか。そして更に気になったのが隣に掲示されている「上冷しそば 2100円」

あまりにも気になったので店員さんに訪ねてみた

 

上冷しそばは普通の冷しそばと何が違うんですか?

 

店員さん「具の量が違います」

 

量ですか?種類ではなく?

 

店員さん「具の種類は同じです」

 

思わずもう一度聞いてしまったが店員さんの答えは変わらなかったので、とりあえず普通の冷しそばを注文した。

具の量で千円以上値段が変わるなんて余程の高級食材を使っているのだろうか。もしくは上冷しそばの具が1日分の食料に匹敵する量なのか…はたまた普通の冷しそばの具が少な過ぎるのだろうか。そうなってくると私が頼んだ冷しそばは…

色々と考えているうちに冷しそばがやってきた。

(冷しそば 950円)

なんて適切な具の量なんだ!!!!

冷しそばとあり、底が深いどんぶりに盛り付けられており混ぜやすい。具はチャーシュー、キュウリとわかめの和えたやつ、ネギとクラゲだ。

麺は太めでモチモチしており、少し甘めのタレによく合う。

何より驚いたのはクラゲの弾力だ。噛む度に歯を押し返してくるような食感がある。私は軟骨とかそういった食感が苦手なので参ってしまったが、軟骨等が好きな方にはたまらないかもしれない。

普通の冷しそばでも具が足りないという感じは無かったので、いよいよ上冷しそばが気になってきた。

 

清風楼の詳細はこちら

 

状元樓

日を改めて私が行ったのは状元樓(じょうげんろう)。職場の後輩に勧められてから私もハマってしまったかなりお気に入りのお店だ。中華街は人がオススメしているお店に行くと間違いない。

店内は1920年代、租界時代の上海をモチーフに作られておりモダンな雰囲気が漂っている。とてもロマンチックなのでデートや記念にもってこいのお店だ。

特製涼麺フェアが開催されており、海鮮ヒスイ冷麺というメニューがあったので注文してみた。

(海鮮ヒスイ冷麺 1800円)

こんな立派な冷やし中華見たことない。

具に至っては一方向からの写真では全て把握するのが難しいぐらいだ。

なので裏側からも撮ってみた。

具は定番の他に海老、ホタテ、イカ、カニ、クラゲ、海藻。海鮮が惜しげもなく乗っている。

麺はヒスイ色でとにかく喉越しが良い。自ら喉に吸い込まれに行ってると思うような喉越しだ。

そしてクラゲの歯応え。初めは口の中で何が起こっているのか理解が追い付かず、まるで弾力の向こう側に行ってしまったかのような感覚だった。これも軟骨等の食感が好きな方にはたまらないのだと思う。

とにかく華やかで目でも楽しめる冷やし中華だった。

状元樓公式H Pはこちら

 

聘珍樓

お次は中華街でもトップクラスの高級店、聘珍樓(へいちんろう)。明治17年創業と日本に現存する最古の中華料理店であり、かつて炎の料理人と呼ばれた周富徳さんが料理長を務めたお店だ。

私も高級ゆえに滅多な事では利用しないお店なのだが、どうしても聘珍樓の冷やし中華が気になるので行ってみることに。

店の佇まいからして迫力がある。入り口の金の石獅子も「うちは冷やし中華だけ食べに来るような店じゃないぜ」と言っている気がする。

とりあえず入り口の店員さんに冷やし中華があるかどうか聞いてみた。

(出会って2秒で「貧」を見破られる私)

この店員さんは「お値段は張りますが」とつける事により、私が払えない金額である可能性を知らせようとしてくれているのだ。店員さんの人を見る目は確かで、私はこのお店にふさわしくない経済力の持ち主である。

しかし今日は腹を決めて来ているので、「食べます!」と元気よく店員さんに伝えた。

店に入ると別の店員さんがやって来て席まで案内してくれた。聘珍樓はお店の内装や作りも洗練されており、まるでテーマパークのレストランのようだ。もちろん、テーマパークの方が聘珍樓のような由緒あるお店の雰囲気を演出するべく真似ているのだが、どうしても「テーマパークみたいだなぁ」と思ってしまう。

これからここで冷やし中華だけ食べるのかぁ…と思うと少し気が引けてくる。

ちなみに冷やし中華の料金は2200円だったのだが、聘珍樓はそれに10%のサービス料が加わる。

少し待つと料理が運ばれてきた。

(五目冷やし麺 2200円)

なんてお上品な佇まいなんだ…

せっかくなのでアップでも見てもらおう。

具が沢山乗っているのだが、シンプルなようにも見える。

裏側には蒸し鶏とカニの身まで乗っている。

パワフルとも言える具のラインナップだが、いい意味で全くそのパワーを感じさせない。ムキムキマッチョ男性が華奢な女性に見えるような不思議な感覚…まるで異次元のトリックアートみたいな、そんな冷やし中華だ。

そしてタレも別添え。

冷やし中華のタレを別添えでいただいたことがないので、思わずタレだけ少し飲んでみた。

めっちゃフルーティー!!

本当に冷やし中華のタレ?と疑いたくなるようなオシャレな味がした。

タレをかけて美味しく食べていたのだが、その日は状元樓からの聘珍樓の冷やし中華ハシゴをしたため、ある問題が私を襲った。

一人で外食中にトイレに行くというのはなかなか気を遣う行為だ。聘珍樓のような高級店で食事をするお客さんに置き引きを働く者は確実にいないのだが、それでも貴重品を無くしたら自己責任だ。我慢するのも手だが、滅多に食べる機会の無い素晴らしい冷やし中華を「トイレに行きたい」等という強すぎる邪念を抱えながら食べるのはかなり勿体ない。

私は諦めてカバンを持ちトイレに向かった。すると、すかさず店員さんに「お化粧室はあちらにございます」と声をかけられた。

店員さんが察してくれたおかげで無事にトイレまで行けたのだが、もし私が本気で食い逃げしたとしても確実に捕まるだろう。

とにかく、無事に美味しく冷やし中華を食べ終える事が出来た。

 

聘珍樓公式HPはこちら

最高の冷やし中華を作ろう

沢山美味しい冷やし中華を食べた事により、自分の中で好きな冷やし中華が分かったので作ってみた。

 

それがこれだ!

具は、私の思い出の味でもある炒り卵他、個人的に気に入った椎茸の甘辛く煮たやつを入れ、蟹の身とカマボコの欲を同時に満たせるようカニカマも入れてみた。

そして何よりこだわったのは手作りのタレ。隠し味として入れたのがこちら。

コアップガラナと、オレンジジュースとぶどうジュース。一般的な冷やし中華のタレのレシピにそのまま入れると甘くなり過ぎてしまうので、砂糖の量を減らして味見しながら慎重に入れるのがコツだ。

ちなみにガラナはタレ作りの際に熱を入れると風味も飛んでしまうことを発見したので、ペットボトルを振って炭酸を抜いてから後入れした。もちろんこれは聘珍樓のフルーティなタレを目指して作ったのだが、程遠い物が出来上がったので正直無駄な努力だったと言えよう。

そして麺。

麺は状元樓のヒスイ麺を意識してこちらの麺を使用した。

わが故郷、青森県に流通している高砂食品のわかめざる中華だ。これは子供の頃から冷やし中華と同じぐらい夏の定番だったのだが、物凄いのど越しが良く美味しい。

状元樓のヒスイ麺に深浦のわかめは練り込まれていないと思うのだが、喉越しの良さは甲乙付つけがたい。

みなさんの冷やし中華選びの参考になれば幸いです!!

 

おわり