スティーブン・キング原作で1990年に公開されたホラー作品「IT」のリメイク版「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」が11月3日に公開されます。ご縁があったので試写会で見てきましたのですが、端的に言うと、「マジで最高に怖いのでホラー映画ファンは這ってでも絶対に見に行くべき」という結論に至りましたのでご報告させていただきます。

 

■あらすじ

 

アメリカの田舎町デリーには、子どもが行方不明になる事件が多発していた。ビル、リッチー、エディ、スタンの仲良し4人組、そして転入生のエディ、アバズレと噂されいじめられていたベバリー、そして学校に行かずに働いていた黒人のマイクは、夏休みに入ったある時期を境に、自分が最も怖いものの幻覚やめちゃくそに怖いピエロの姿を見るようになる。

 

やがてこの町に27年周期で現れる、子どもにしか見えない悪魔ペニーワイズの仕業であることを突き止めたビル達「ルーザーズクラブ」は、「IT(あいつ)」を退治するために奮闘する…。

 

■感想

 

これを見るにあたって1990年版のやつを予習的に見てみましたが、まあ〜その時のペニーワイズも怖いこと怖いこと。これでピエロ恐怖症になった人々もたくさんいたというぐらいですから、その時の衝撃は今見ても衰えることはありません。で、2017年版。お〜〜い!!怖すぎるから〜!!!助けて〜〜〜〜〜〜!!!!!

 

しょっぱなからかなりショッキングなビルの弟ジョージーの消失から、序盤30分で各子ども達に恐ろしい幻影が襲い掛かってくる!これがその子どもの「最も怖いもの」が具現化するからたちが悪いんですよね。病弱で薬を手放せない潔癖症のエディのもとには皮膚がただれた感染症の男が出てきたり、町の歴史を調べてたベンのもとには、ついさっき図書館の資料で見た工場爆破事件の被害者のような首なし黒焦げ少年が襲い掛かってきたり、火事の経験があるマイクにはドアの隙間から黒焦げの手が何本も伸びてきて助けを求めてきたり…。何かしら背負ったトラウマが具現化するというこの恐怖。ウッ、恐れおののかずにはいられません。

 

そしてそれを統べるペニーワイズの凶悪さも1990年版から飛躍的にパワーアップしており、あの手この手で子どもたちと観客をビビらせにかかります。現代技術と制作陣の想像力を結集させた珠玉の名ビビらせのオンパレードは逆に笑ってしまうほど恐ろしいので、その目で確かめていただきたいと思います。とくに予告編にもある映写機のシーンはマジで最高です。

 

■オリジナル版を再構築した脚本も良い

 

オリジナル版は、子ども時代の回想シーンと大人になった子どもたちが再び集まりペニーワイズと対峙するという2つのパートで3時間の盛りだくさんの内容ですが、リメイク版の今作では子どもパートのみになっています。こうすることで時間軸がごちゃつかずに少年たちの戦いが余すことなく展開される構成はとても見やすく分かりやすく飽きさせない作りになっておりました。吃音症、超絶過保護、ユダヤ人、おデブちゃん、性的虐待、黒人などなど、様々な弱さを持った子ども達が出会い、絆を深め、そして特濃の恐怖を乗り越え運命を切り開いていく…。これほど血湧き肉躍る展開あります!?あったらごめんなさいね…。

 

で、ひと夏の冒険を経た後の話は2019年に「チャプター2」で紡がれるとのことで、大人パートは続編に持ち越しになりそうです。ですが今作の時点でかなり綺麗に終わっているため単体で見てもかなり楽しむことが出来る上に続きが気になって死ぬ…とやきもきさせることもない親切設計…。1990年版の大人パートはけっこうとんでもない展開なので、その辺りがどうアレンジされるかは気になるところです。

 

 

ちなみに、1990年版を見てなくても問題はありませんが、ベンが書いたポエムやビルの乗ってる自転車の名前など様々な要素がオリジナル版から踏襲されつつスティーブン・キングの他の作品のオマージュ的シーンが盛り込まれていて、気づくと嬉しいシーンはてんこ盛り。また、子ども達の武器は「親から盗んだ純銀製のイヤリングをパチンコで撃つ」という割と無理のあるものから上手いこと変換されたり、ペニーワイズの棲家も現代のCG技術を駆使した寒気を起こすような恐ろしさを追加したりなど、粗の無い仕上がりになっています。

 

何から何まで最高な「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」公開されたらすぐさま見に行ってください。

 

■予告

 

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