先日、「ジグソウ:ソウ・レガシー」という映画を試写会で見てきました。こちら、2004年から7年に渡って毎年ハロウィンシーズンに公開されていたスリラー映画「ソウ」シリーズの完全新作で、2010年の7作目「ソウ ザ・ファイナル 3D」で完結したと思っておりましたが、7年経ったあとに強気に制作されました。このハードルあがりまくった新作は、結果的に「旧シリーズ見たファンこそ見逃してはならない良作」であったのでお知らせいたします。
あらすじ
目の部分をくりぬかれたバケツを頭からかぶらされ、首に鎖につながれて部屋に閉じ込められた5人の男女が目覚めた。わけも分からぬまま「ゲーム」が始まり、鎖が巻き取られていく。その先の壁には、丸鋸の刃!このままだと切り刻まれてしまう〜!助けて〜!
一方、とある公園の真ん中で、ゲームで使われたバケツを頭からかぶった状態の死体が発見される。この死体とゲームの共通点とは何なのかを追うのは、クセがすごいハロルド刑事。そして死体に付着した血痕は10年前に死んだはずのジョン・クレイマー=ジグソウのものだった。新たなゲームが幕を開ける…!
感想
私は「ソウ」シリーズを全7作、公開されてすぐに映画館で見に行くほどのファンなんですが、「ヒットした映画は続編を作るほど1作目をこえるのが難しくなる」というのがあるため、シリーズを重ねるたびに「もういいよ〜!作らないで〜!(でも見ちゃう〜!)」という思いで見ておりました。そして、2010年に完結して、7年。新作が公開されるなんて、一体誰が予想したでしょうか?
そんなハードルがあがりまくった上に生みの親であるジェームズ・ワン+リー・ワネルの二人も制作から離れた状態でメガホンを取ったのが、「プリデスティネーション」や「デイブレイカー」のスピエリッグ兄弟。肝心の脚本は「ピラニア3D」、「ピラニア・リターンズ」などのジョシュ・ストールバーグ。大丈夫なのか…と思いきや、フタを開けてみたら、完全にSAW〜〜〜!!と叫びたくなるほどの出来。すごいです。こういったハードな状況でしっかりと「ソウ」を蘇らせたのは並大抵のことじゃないので、まさに制作陣アッパレ…という感じです。
メインゲームと並行して進む、連続殺人事件
ストーリーは「閉じ込められてゲームに参加させられたいわくつきの5人」と、「ジグソウをにおわす連続殺人事件を追う刑事」の二軸が並行して進んでいきます。序盤のゲームは基本的にいつものジグソウっぽいし、ゲームの外で見つかる死体はことごとくジグソウの痕跡があるんですよね。ジグソウは「ソウ4」で完全に死んだことが確定しているので模倣犯か後継者かと思うのは必然ですが、死体に付着した血痕がジグソウなのは何で…と深まる謎。
そしてまあ無理矢理と言ってしまえばそうですが、その謎をこういう形で展開してくれたのはお見事でした。見終わったあとは「俺たちのSAWが戻ってきたぜ!」という嬉しさが大きかったですね。ネタバレは興を削いでしまうので詳しくは言えないのですが…。
趣向をこらしたゲームが今回も目白押し
「ソウ」シリーズの目玉といえば、言わずもがなの趣向を凝らしたゲームの数々。時間内に解除しないと顔が吹っ飛ぶ装置、手・足・首が一本ずつ180°回転して死んじゃう装置、大量の注射針の海から一本だけ解毒剤が入ったやつを探す…というとかメチャクチャなものながら、「必ずクリアできるようになっている」「殺人ではなく、更生できるかどうかの試練」という哲学の元に作られた様々な装置は前7作で50以上作られました。
そして今回あらたに開幕の「丸鋸刃から逃げられるかなゲーム」を筆頭に6つのゲームが登場します。それのどれもが新鮮な驚きと痛そさとクリエイティビティにあふれているのですが、中でも見ものは予告編やスチールカットで採用される↑の「レーザーカッターゲーム」が最高でした。このレーザー、だんだん顔にかかるように角度がつけられていくので、最終的にどうなるのか…は、その眼(まなこ)で確かめていただきたいものです。
ファンの私自身もあまり期待していなかったし前シリーズほどの衝撃は無いだろうな…とタカをくくっていたら大満足したので、ファンだった人は是非見ることをオススメします。もちろんグロ描写はてんこ盛りなので苦手な人はご注意ください…。11月10日公開!
【予告】