はじめまして。フェチフェス広報のみみずくです!

 

唐突ですが、みなさんは「フェチフェス」をご存知ですか?

 

 

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フェチフェスは、日本が世界に誇る“ジャパニーズフェチ”の祭典。「フェチ」といえば「フェティシズム(fetishism)」の略語で、さまざまな性的嗜好を表します。そんなフェチに特化した即売会&パフォーマンスイベントです。

 

2017年1月29日に開催された「フェチフェス09」の様子を、「ちょっと変わったフェチ」「新しいフェチ」という視点でレポートします。今回は、比較的やさしいファッション系です。

 

 

フェティッシュでカッコイイ!!

フェチフェスでは、さまざまなジャンルのコスチュームやアクセサリーが目白押しでした。

 

 

IMG_0236筋肉ムキムキの女性がプリントされたTシャツ@武装艶筋

 

 

IMG_0251血の匂いが漂ってきそうなTシャツ@SWEETRUBBERBERRY

 

アーティストさんの趣味嗜好全開のTシャツもあれば…。

 

 

IMG_0258売り子のZENGIMANさん(左)と麗しの女王様・ハララビハビコさん(右)@東京棲んでるガールズ

 

 

IMG_0265セーラージャケットはハビコさんのオリジナル@東京棲んでるガールズ

 

女王様がセーラージャケットを売っていたり…。

 

 

IMG_0175蛍光色がひときわ目立つサイバーファッション@D/3

 

 

IMG_0170売り子のgyavaさん(左)とデザイナーのkossyさん(右)@D/3

 

遠くからでも目立つサイバーファッションがあったり。フェティッシュでカッコいいファッションアイテムが多く、目移りしてしまいます。

 

 

セクシー衣装なら「東京要人」にお任せ!!

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セクシー下着の後ろでウインクする加藤進一さん@東京要人

 

「取材していってよ!!」と、フラフラ徘徊していた僕に声をかけてきたのは、「東京要人」代表・加藤進一さん。

 

「東京要人」と書いて「トウキョウビッパー」と読みます。店名だけを聞くとお堅いお店をイメージしますが、セクシー下着やマイクロビキニ、ナイトワーク系コスチュームなどを販売するお店。

 

 

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東京要人の売り子さん。挟まれているのは、関係ないゾンビくんです

 

セクシーな衣装を着た売り子さん2人は目の保養になりますね…。

 

 

首輪もファッショナブルに

 

最近、フェチ界隈で静かなブームとなっている首輪関連のアーティストさんもフェチフェス09に何組か出展していました。

 

「首輪女子」というキュートなイメージにふさわしい首輪やチョーカーがある一方で、本格的なSMグッズとしての首輪も…。ここでは後者を紹介します。

 

 

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銀龍堂には、鞭やマスクがズラリと並んでいます

 

 

IMG_0015色とりどりでオシャレな首輪

 

「SMグッズ」というと身構える人もいるでしょう。

 

しかし、「銀龍堂」オーナー・グレイさんが制作するグッズはいずれもファッショナブル。首輪もオシャレな逸品ばかりです。

 

 

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2人の美女に挟まれてハーレム状態のグレイさん

 

 

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グレイさんは、常に制作道具を持ち歩き、お客さんの要望にその場で応えてくれます

 

「1.5cm間隔で穴を空けるんだよ」と言いながら、グレイさんはベルト穴を一つ増やしてくれました。

 

というわけで、僕も首輪を1つ購入。いつもは「男物は作らないよ」と言っているグレイさんが、珍しくメンズ首輪を作ってきてくれたからです。

 

これで僕も「首輪男子」デビューできたということでしょうか…!!

 

 

日本発祥のゼンタイが世界へ羽ばたく!!

IMG_0096 「TOKYOZENTAICLUB(トウキョウゼンタイクラブ)」のブースでは、カラフルなみなさんが歓迎

 

TOKYOZENTAICLUBは、「全身タイツ」通称「ゼンタイ」の普及のために活動している団体です。

 

ゼンタイの制作・販売、フェチフェスやデザインフェスタなどへの出展、ゼンタイイベントの主催などを行っています。こうした積極的な活動は、国内外のメディアにも取り上げられてきました。

 

 

ゼンタイ女子、立体バキュームへ初挑戦!!

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TOKYOZENTAICLUBがフェチフェスに持ちこんだものがこれ!! 何だかわかりますか?

 

これは「立体バキューム」という装置です。

 

ラテックス製の装置に人が入った後、中の空気を抜いていきます。すると、ラテックスが中の人の体にぴったりとはりついていき、中の人は身動きが取れなくなる…という代物。まさに真空パックの人間版ですね。

 

というわけで、中に入って立体バキュームを体験したゼンタイ女子・たまさかさんに感想を聞いてみましょう。

 

 

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立体バキュームに入ってみてどうでしたか?

 

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私は、今日初めて立体バキュームに入りました。最初はちょっと怖かったんですが、空気が抜かれるとラテックスが体にフィットして気持ちよかったです。とてもキツイ圧縮感がありますね…。「真空パックの魚って、こういう感じなんだな~」って思いました。

 

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魚の気持ちがわかると…! ゼンタイを着用して立体バキュームを体験すると、どんな感じなんですか?

 

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ゼンタイ自体の感触も気持ちいいですが、立体バキュームで圧縮されたことで、より気持ちよさが倍増する感覚ですね。

 

 

 

IMG_0074触られるたまさかさん

 

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先ほど触られていましたが、そのときはどうでしたか?

 

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肌が敏感になるので、触られてとても気持ちいいところもありました。でも、私はくすぐったがり屋なんですよ。だから触られていると、ついつい笑ってしまって……。

 

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声が漏れていましたが、あれは気持ちよくて悶えていたのではないんですね…。

 

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本当にくすぐったくて笑っていました。

 

 

 

代表インタビュー

image033 TOKYOZENTAICLUB代表・タムラトオルさんにインタビューしました

 

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最近は、フェチ界隈でゼンタイがだいぶ普及してきた気がします。

 

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メディアで紹介されることも多いので、TOKYOZENTAICLUBの知名度は高まっています。加えて、海外でも積極的に普及活動を行っていますからね。

 

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去年初めて台湾へ行って、軽いパフォーマンスを披露してきました。台湾の人たちに「全身タイツってこんな感じですよ」と紹介したのですが、若い人を中心に結構反応をいただけて…。

 

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実際に海外まで行ってパフォーマンスまで…!

 

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今年はドイツやデンマークなど、ヨーロッパへの進出を目指します。ゼンタイは日本発祥なので、外国の人たちにもっと知ってもらいたいな…と思っています。

 

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台湾の人たちの反応は、具体的にどのようなものでしたか?

 

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フレンドリーでしたね。気味悪がる人がもっと多いかと思ったのですが…「写真撮ってください」と声をかけてきたり、握手を求めてきたりと、若い人から年上の人まで面白がってくれたみたいです。僕としてはそれでOKなんですよ。

 

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ゼンタイに対する見方はいろいろあって構わないと思います。でも妙に気味悪がられたり、距離を置かれたりするのはつらいですね…。それよりも、「どんなものだろう?」という感じで近づいてもらった方がいいし、台湾では実際にそうでした。

 

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フェチがどうこうというよりも、面白がる人の方が多かったということですね?

 

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そうですね。ただ、実際にゼンタイを着たら目覚めてしまったという人も多いですよ!

 

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そういう体験がきっかけとなって、「ゼンタイを作ってほしい」というオーダーが入ることもあるんですか?

 

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ありがたいことに、実際にありました。中には、少数派ですが、自分でゼンタイを作るレベルまでいっちゃう人もいます…!

 

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すごい…! 最後に、TOKYOZENTAICLUBの今年の活動目標を教えてください。

 

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今後も「ゼンタイってこんな感じですよ」と紹介しながら、たくさんの人たちに見てもらって、触れてもらって、体験してもらって…という活動を今年も続けていくつもりです。ゼンタイに興味を持ってくれる人が増えればいいな…と思っています。

 

 

IMG_0097腕だけをゼンタイで覆うプチゼンタイ体験。「全身はちょっと……」という人も気軽にゼンタイを楽しめます

 

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そしてもう一つの目標として、和柄や日本らしい柄のゼンタイをどんどんデザインしていこうと思っています。ゼンタイは日本発祥なのに、和柄とかが案外無いんですよ。だから、TOKYOZENTAICLUBオリジナルのゼンタイを作って広めたいですね!

 

 

ラバー愛が日本全国を駆け巡る!!

フェチ界隈では、ゴム製のファッションアイテムである「ラバー」が今でも根強い人気を誇っています。

 

ゴムならではのフィット感、ツルツルテカテカの光沢、独特の匂いや肌触り……。今回のフェチフェスでは、世界中にファンが多いラバーファッションを扱う「LIAIZON」が初参戦!!

 

 

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ラバリスト(ラバー愛好家)のみなさん。一番右がよっしーさん

 

LIAIZONのオーナー・よっしーさんに、ラバーについて語ってもらいました。

 

 

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LIAIZONさんはフェチフェス初参加ですが、感想などを教えてください。

 

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出展前は不安でしたね。他の出展者さんとはジャンルが全然違いますし……。でも、知り合いが何人かいるので、「出させてもらおうかな」と思ったんですよ。実際に出展させていただき、サブカルチャーの人たち…というか、変態さんがこれだけたくさんいてびっくりです!

 

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僕たちは、ラバー製品の販売を自分たちでやってきましたが、遠慮しがちなところがありました。でも、フェチフェスでは遠慮は要りませんし、みなさん食いつきもいいですね。開場後すぐにたくさんの方に来ていただきました。時代がラバーを受け入れてくれているみたいです…!

 

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ラバーの商品はご自身で作られているんですか?

 

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シャツやパンツなどは既製品で、イギリスの「Libidex(リビデックス)」というブランドの商品です。ガスマスクのポーチなどは自分で作っています。

 

 

 

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写真中央のガスマスク、実はポーチなんだとか!

 

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こんなポーチがカバンに入っている女子がいたら、ビックリしますね…! よっしーさんご自身もラバーが好きなんですか?

 

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もちろんです。ラバーの無機質感、すなわち「人間であって人間ではない」という感覚やドールっぽい感覚に魅力を感じます。

 

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僕はもともとゼンタイが好きでした。戦隊モノのスーツも好きで、趣味が高じてアルバイトもしていたくらいです。そんなある日、大人のおもちゃを扱っているところにラバーが置いてあって、「何だこれ?」と興味をひかれて買って着てみたら…すっかりハマってしまいました。

 

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ハマったのは匂いとか、肌触りとか、どのポイントですかね?

 

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僕の場合は、締め付け具合ですかね。それから、着ているのに着ていない感覚になる…というか、皮膚みたいな感じが好きです。ラバーの衣装を着ると、寒いし、暑いし、汗をかくし…。でも、そのことが全然苦にならないんです。普通の生活では出会えない、ラバーという素材の魅力に気づいてしまいました。

 

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ラバーが好き過ぎて、中身の女性は要らない! なんて人もいますが…。

 

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僕の場合はそこまではいかないですね…。僕は、ガッツリなラバーも好きですが、どちらかというとカジュアルなラバーを推したいんですよ。女性がスカートだけラバーを履いているとか、僕みたいにラバーにジーパンとか…カジュアルなラバーがあってもいいんじゃないかな? と思っています。

 

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ラバーって何年くらいもつんですか?

 

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手入れ次第ですが、10年はもつと思いますね。雑に扱われると1年でダメになりますが、そうでなければ数年でダメになる…なんてことはないですね。大事に使っている方は、10年前のラバーを持っていることもあるので…。

 

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10年! 結構長持ちなんですね。

 

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ラバーだからといって、それほど扱いに神経質にならなくても大丈夫です。今はラバーを長持ちさせるためのグッズもあるので、手入れや品質の維持が楽になりました。

 

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ラバーをダメにする時って、破ってしまうことが一番多い。なので、そこだけ気をつけていただければ結構長持ちしますよ。

 

 

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ラバーの手入れに便利なグッズ

 

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ラバーに興味はあっても、全身を覆うとなると抵抗がある人も多いんじゃないですか?

 

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そういう方が最初の一枚を購入される場合、「普段着ているものを1枚ラバーに代えてください」と僕はアドバイスしています。女性であればスカート、ストッキング、パンティーを、男性であればショーツ、パンツをラバーにする…というところからですね。

 

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それくらいからでも、ラバーにハマっていくんですか?

 

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「まずはラバーのパンツを穿いてみてください」「次にグローブを付けてみてください」「今度はシャツをラバーにしてみてください」という具合にお勧めして、その方が最終的にハマるようでしたら、「キャットスーツどうですか?」とか「ガスマスクはどうですか?」とか、本格的なラバーアイテムを紹介します。

 

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どんどん全身がラバーに…!

 

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ラバーには、ハマってからの進む道がいろいろあります。僕のようにライトな方向もあるし、女装する人やどんどん重ね着するヘビーラバリストもいます。「ラバーはこれ!!」というのではなく、いろいろな遊び方があっていいんじゃないかなと思っています。

 

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長い目で見て、少しずつラバーの良さをわかってもらう…というわけですね。

 

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今年は、名古屋にラバーフェチの方が集まってワイワイ遊べるスペースと、ラバーウェアをいつでも着たり買ったりできるスペースを併設したお店を作るんですよ。ここを基地として全国を回ってラバーを販売する計画があります。昨年は西日本を回ったので、今年は東京より東、仙台や北海道へ行きたいですね。

 

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東京だとラバー好きがある程度は集まると思いますが、地方での反響はいかがですか?

 

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地方だと、ラバーを知らない人が本当に多いんです。九州に行ったときは反響が大きく、「ラバーに興味関心はあるけれど、売っているところがわからない」という人たちがたくさん来てくれました。こういう人たちを巻き込みながら、どんどん次の世代へラバーを広げていくのが目標です。

 

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ラバーをネットで買ってサイズが合わなかった…というトラブルもよくあるので、全国を回って商品を試着してもらった上で買ってもらう機会づくりにもなればいいですね。

 

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それだと、サイズだけ合わせてネットで買う…なんて人もでてくるのでは…?

 

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ラバーに初めて触る人が、試着してサイズをわかってくれれば、僕のお店で買ってくれなくてもいいんです。その人が、別のブランドで買うときの参考にしてもらうだけでも構いません。ラバーを知るきっかけや始めるきっかけに僕のお店がなればいいかな…と思っています。

 

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なんて崇高な考え方…!

 

 

フェチへの入り口はファッションから

「フェチ」というと、近寄りがたいイメージを抱く人もいるかもしれません。しかし、フェティッシュなファッションならば入りやすいのではないでしょうか?

 

普段着にラバーや首輪を加えるだけで、見える世界が変わるかもしれません。イベントのとき、思い切ってサイバーで決めたら“新しい自分”に出会えるかもしれません。ハマれば、その先にゼンタイやキャットスーツもあるんです…!!

 

というわけで、今回はフェチへの入り口を紹介しました。次回は、さらにディープなフェチアートの世界へご案内します。

 

 

▼フェチフェス

https://www.fetifes.com/