見たことのないパック牛乳がスーパーに並んでいた。
名前は「木次(きすき)パスチャライズ牛乳」だ。価格は350円ほどと、ちょっと高め。
島根県の牧場で放牧され育てられた牛が出した牛乳だそうだ。
東京都民にとっては見慣れない。
このロゴがかっこいいなと思って買ってしまった。インスタ映えする感じ。
でも「パスチャライズ」って何なんだろう。
パスチャライズ…
気になる。
パスチャライズ=低温殺菌
調べてみると、パスチャライズの語源は、フランス人細菌学者のルイ・パスツールにあるそうだ。ワクチンを開発し「ワクチン」という名前をつけた人でもある。
パスチャライズ(パスチャライゼーション)は、1800年代後半に彼が考案した殺菌法。もともとはワインを殺菌するためのものだったのだが、今は牛乳などにも応用されているらしい。
その殺菌方法は加熱である。牛乳なんて雑菌の温床のようなもので、すぐに劣化して腐ってしまう。それを防ぐために熱して菌を殺すのだ。
ただ、パスチャライズは普通の牛乳の加熱よりも温度が低く、加熱時間が長い。
たとえば、「明治 おいしい牛乳」の殺菌温度と時間は130℃で2秒だ。
高温で短時間殺菌する「ステアリゼーション」によって雑菌が死滅するので、2週間程度は品質が保てるようになっている。
こういった、長持ちさせるための製法をESL(貯蔵寿命延長)製法と言う。
一方で「木次パスチャライズ牛乳」の場合、殺菌温度と時間は65℃で30分である。
「パスチャライゼーション」では瞬間殺菌を施していないため、消費期限は3日程度だ。
ESL製法を用いないかわりに、タンパク質やカルシウムの変質が少なく、出したてに近い生乳の味わいが出る…らしい。
味はさっぱりしていておいしい
実際に飲んでみたところ、牛乳に特有のちょっと舌に残るくさみが少ないと感じた。かといって味が薄いということはなく、むしろ濃厚である。
うま~い! と叫んでしまうようなものではないが、「あ、これおいしいな~」と素直に言える、さりげなく良い味だ。
そのまま飲んでもおいしいし、クセが少ないのでコーヒーや紅茶などで割るのも合うと思う。
ただ、高温処理がされていないので、安全管理は徹底する必要はある。
牛乳で割る「ボス ラテベース」をパスチャライズ牛乳で割ってみたらおいしかった。これはこれでおすすめ。
たまに買ってみると発見がある
木次パスチャライズ牛乳は
・低温殺菌なので風味が豊かで美味しい
・島根県産で大量生産していないので東京ではあまり売っていない
・消費期限はかなり短い
・価格はやや高め
というところが特徴的な牛乳だった。おいしかったのでまた見つけたら買うかもしれない。
パックの横に「広告欄」があるから何かと思ったら、お母さんへのメッセージだった。
うーん真面目だ。