「ニコラス・ケイジが最も狂っている」という触れ込みで話題の「マンディ 地獄のロード・ウォリアー」を試写会で見てきました。11月10日公開です

 

 

【あらすじ】

山奥で妻マンディと静かに暮らす男レッド。林業に従事し、夜は妻とともに何気ない会話をし、同じベッドで眠る。いたって平和な日々だったが、突然現れた狂ったカルト集団によりその日常は崩れ去る。教団は「アブラクサスの笛」で地獄の怪物バイカー三人衆を召喚してマンディとレッドを拉致し、あろうことかレッドの目の前でマンディを焼き殺してしまった。何でや〜!命からがら逃げのびたが愛する人を失ったレッドは、自宅のトイレで酒をあおり一通り泣きわめき怒り狂ったあと、「死神」と名付けていたクロスボウと見たこともないオリジナルの剣を携え、復讐に向かう!

 

 

見たこともない剣

 

 

 

パノス・コスマトス監督が放つ、狂気100%の世界

単刀直入に言って、余りにも狂っている!!!

 

いっさい理解は出来ないけどとにかく圧倒的熱量でゴリ押ししてくる映画といえば、単なるPOVホラーと思いきや後半30分でありとあらゆる全ての厄災が謎のまま降り掛かってくる「エビデンス -第6地区-」、開始から終了まで情報量が多すぎて頭が追いつかない怪作「ブラッディ・スクール」などいろいろありますが、パノス・コスマトス監督による本作はまさにそのタイプ。

 

登場人物全てがイカれており、教団の存在理由やマンディを拉致した目的や殺す理由も、「アブラクサスの笛」を使って怪物バイカー三人衆を召喚した理由も何ひとつ分からないのに、復讐に燃えるレッド(ニコラス・ケイジ)のヤバすぎるパッションと煮えたぎる怒りで全てをなぎ倒すそのパワーで「とんでもない物を見てしまった」という気分にさせてくれました。言葉で表現できなさすぎる!

 

 

 

赤を多用したギラギラしたビジュアルに大作曲家ヨハン・ヨハンソンによる全編を支配する不安定なアンビエントをのせ、さらにねっとりとした人物描写が本当に強烈で、ストーリーについては単純なものの一生忘れられないかもしれないヤバすぎる地獄変となって世に放たれてしまいました。

 

歴代最狂と言わざるを得ない大活躍をしたニコラス・ケイジ…やってくれた!やってくれたね!!怪物バイカーと肉弾戦で互角に渡り合い、首の骨を一瞬でブチ折って殺し、近くに落ちていたクスリをガラスの破片ですくって鼻から思いっきり注入してキメまくるシーンはマジで爆笑してしまいました。狂いすぎ!

 

 

 

イライジャ・ウッドにより実現したキャスティング

 

本作の製作には「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズでおなじみのイライジャ・ウッドが関わっており、多忙を極めるニコラス・ケイジに直接「マンディの脚本読んだ?まだなら読んでくれ〜!」と頼み込むことで出演が実現したそうです。

 

ニコラス・ケイジといえば「コン・エアー」や「フェイス・オフ」など90年代にかなり印象的な役で脚光を浴びましたが、最近は「キック・アス」以降、目立った活躍に恵まれていませんでした。しかしこの「マンディ」で新境地かつ喜怒哀楽全ての感情を大爆発させた人生の集大成ともいえる怪演で、新たなる代表作として数えられてもいいのではないのではないでしょうか…。

 

とにかく全てが狂った世界観と怒りに狂ったニコラス・ケイジの掛け算が最高過ぎるけど、やっぱり人を選ぶと思うので気になった人は公開したら是非新宿シネマカリテへ走ってください…

 

 

予告

 

『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』

11月10日(土)新宿シネマカリテほかにて公開

監督:パノス・コスマトス 

音楽:ヨハン・ヨハンソン 『メッセージ』『博士と彼女のセオリー』

出演:ニコラス・ケイジ『ゴーストライダー』、アンドレア・ライズブロー『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』、ライナス・ローチ『フライト・ゲーム』

2017/ベルギー/カラー/英語/121分  原題MANDY 映倫:R15

配給:ファインフィルムズ © 2017 Mandy Films, LTD. All Rights Reserved 

HP:www.finefilms.co.jp/mandy