こんにちは! ライターのギャラクシーです。
みなさんは『星の王子さま』という小説をご存知でしょうか。
『星の王子さま』は、サン=テグジュペリによって1943年に出版された児童文学です。
僕も子供の頃に読んだんですが、憶えている限りで簡単にあらすじを書くと、大体こんな感じです。
砂漠に不時着してしまった「ぼく」が飛行機を修理していると、どこからか「王子」がやってくる。
「王子」は他の星からやってきたという。その星は『バオバブ』という悪い木が育ちすぎてしまい、いずれその根で星が砕けるのだとか。
「王子」はいくつかの星を巡り、ここ地球にやってきた。
なんやかんやあって、「王子」はどっか消える
すいません、思ったより憶えてませんでしたが……子供の頃、「バオバブっていう木、ヤバくね!?」と思ったことだけは鮮烈に憶えています。
そんな僕が大人になり、趣味として植物を育てるようになった時、「そういえば、『星の王子さま』に書かれてたバオバブってどういう木なんだろ? 実在するの?」と気なるのは当然のこと。というわけで調べてみました。
これがバオバブです。バオバブの中でも『ディギタータ(アフリカバオバブ)』という種類。
大きくなると20mを超すそうです。
※ちなみにバオバブというと、こちらの品種(寸胴で上の方にだけ枝葉がある)のほうが有名ですが、これはマダガスカルの『グランディディエリ』という種類で、『星の王子さま』のとは違うそうです
調べてみると、バオバブは日本の気候でも普通に育つようなので……
育ててみることにしました。種から。
種からでも意外と簡単に芽が出るそうです。
まずは種の背中側(上図右下を参考)を、ヤスリで削ります。
ハァ?
なんでやねんと言いたい気持ちはわかりますが、とにかくここを削ってやらないと種子の殻が硬すぎて、芽が出てこないんです。
そんなもん、自然の中ではどうやって発芽してんだ?と思ったら、現地では小動物がこの種子を食べ、胃酸でイイ感じに殻が溶けて、糞とともに排出されるそうです。自然すごすぎません?
イイ歳した大人が種を食べて、トイレで糞から取り出すというわけにもいかないので(写真に写せないから)、仕方なく地道に削ることにします。ゴリゴリゴリゴリ……
ゴリゴリゴリゴリ……
ハアハアハア……
できたー!!!!
硬すぎるバカか!! 1個10分。タネは10個あるから……ほぼ2時間かかる!
記事なのであっさりいきますが、映画を見ながら2時間ゴリゴリ削り、すべての種を削り終えました。
削り終わった種は、24時間水に浸けておきます。種に水を吸わせるためです。
24時間経過したので、ここからは濡れティッシュの上に置いて、たまに霧吹きで水をかけながら、芽が出るのを待ちます。
そして芽が出たら、鉢に植え替えるのです。楽しみ~!
全部腐りました
写真ではわかりにくいですが、タネが軽くてスカスカになっていまして、白いカビみたいなものが発生しました。
おそらく、「楽しみ~!早く育てよ~!」と思うあまり、水をあげ過ぎたのが原因だと思われます。園芸ではよくある失敗です。
~1ヶ月後~
まったく同じ会社の同じタネを再び購入しました。
別の会社のにしなかった理由は「タネ自体に問題があったのか」「僕が原因だったのか」を特定したかったからです。
再び、2時間かけて種を削ります。今回はまあまあ血が出るくらい自分の指を削っちゃったりしましたが、省略します。
再び24時間水に浸けましたが省略します。
ただし今回は、前回と少し違うところがあります。それは……
濡れティッシュの工程を省き、直接種まきすることにしました。
濡れティッシュで芽が出るまで待つというのは、つまり「芽が出ない種をわざわざ土に植えずに済むから楽(無駄な植木鉢も買わなくて済む)」、という話であり(たぶん)、土に蒔いたほうが芽が出やすいんじゃないか?と考えたからです。
ちなみに使った道具はこんな感じ。
▼ガーデニングシート
土がこぼれても平気なように、床やベランダに敷けるシート。土を混ぜ合わせたりするのにも使う。めちゃ便利。
▼プラスチック鉢
僕は他にも色々植物を育ててるので、使い回しできるようにプラスチックにしましたが、「ジフィーポット」といって、紙みたいな素材でできてて、育ったらポットごと次の鉢に入れられるやつもあります。
▼土入れ
スコップで入れるより効率よく土を入れられます。
▼土
「種まき用」というのがあったので、一応それを使いました。
背中(削った側)がちょっと見えるくらいの深さに埋めて……
風通しの良いところに置いて、待つ。
乾燥が大敵らしいので(かといって水をあげすぎると腐る)、土が乾いたらすぐに水やりします。
翌日。特に変化なし。
3日後。特に変化なし。
これひょっとして……まさか……
また……
!!!!
芽が出てきたー!!!! 手前に置いてた3つ!!!!!
さらにその翌日になると、6個の鉢から芽が出ていました。濡れティッシュで全滅したのは何だったんだ。
最終的には、8個の鉢から芽が出ました。
これで、『星の王子さま』に出てきたあのバオバブを育てて、地球を砕くことができるぞーー!!
(完)
※なお、バオバブは寒さに弱く、こんな時期から育てても冬を乗り越えられない可能性が高いらしいです(暑ければ暑いほどよく育つ)
今から育ててみたいって人は、沖縄に移住したほうがいいかもしれません。