20年間会っていないお母さんに送った手紙。
僕の気持ちとは裏腹に、なかなか返事が届かなかった。
 
「もしかして、住所がまちがっていたのかな?」と、
返事が来ないことに不安を覚え、手紙を再送したのが3日前のことだ。
 
「もう無理なのかな」と、諦めかけていた矢先。
 
ポストを開けてみると…
 
 
手紙が入っていた!
 
 
封筒には、僕とは違う苗字が書かれていた。
そして、この日驚いたのは、もう1通手紙が届いてたこと。
 
 
もう1通の手紙の送り主は、大阪に住んでいる父親だった。
 
不思議に思い封筒を開けてみると、
現在では、バラバラに住んでいる兄や弟の新しい住所が書かれていた。
 
ああ、そうか。
 
「何かあったときに住所が分からないと困る」と伝えていたんだった。
なにも手紙で送ってこなくてもいいのに…。
 
とはいえ、遠く離れた土地で
父親と母親が20年ぶりに揃ったことは、偶然とは思えない。
 
奇妙な縁を感じつつ、
ドキドキと高鳴る鼓動をおさえて部屋に戻った。
 
 
 
 
 
(つづく)