私は幼少期から中学生まで、緊張したり恥ずかしくなったりするとすぐ顔が真っ赤になっていたらしい。

 

指摘されることはあっても自分の目で確認したことがないので、どれだけ真っ赤だったかは今だにわからないままである。

幼少期はタイヤや星をつけることで有名なミシュランという白くて膨張したミイラのようなキャラクターに恐怖を感じ、車でミシュランの看板を見るだけで口では怖くないといいながら顔は真っ赤だったらしい。

 

このように、赤面のせいで嘘をつけない運命を歩んでいくしかならなくなった。

漫画では女の子が顔を赤らめるのは可愛らしく微笑ましいが、私はそのせいで男子からサルというあだ名を小学生の頃つけられた。ニホンザルのように真っ赤っかであり可愛いとは到底思えないだろう。

なんとか治したかったが、どうにもコントロールが効かなかった。

気がつかないうちに顔が赤くなっているらしく自覚症状がないのである。

 

それで嫌な思いをした事もある。

中学の頃好きな男の子がおり、特別仲がいいわけではないが近くにいれば何か話す程度の距離感であった。しかしそれだけで私は幸せだった。付き合ったり、手を繋いだりしたいとは思わない。微笑ましい思い出である。

体育の授業で、よくある嫌な事例としてあげられるペアを組むことになった。

男女別の背の順2列で並んでおり、隣同士の同性とみんなペアを組んだ。しかし私の隣には誰もいなかった。

その時期は私がクラスの女子で一番背が大きく、背の順の最後尾であり女子の数が奇数だったため私だけ女1人ポツンと残ってしまった。

最悪だ…と落ち込んでいると先生から声がかかった。

 

「そこの余ってる男女でペア組んで!」

 

余ってる男女!?慌てて男子の方を見ると、好きな男の子もポツンと余っていた。私同様一番背が高かったのである。

その事実を理解する前に近くの女の子に大声で

「よかったじゃん!お似合いだよ!」

と大声で言われた。

なんでなんで誰にも言ってないのに、この子にバレてしかもこんなにいじられるんだと疑問に思ったが顔が熱いことに気がついた。

その時私の顔は遠くの人もわかるくらい真っ赤っかだったらしい。バレバレのバレなのである。私は何も言い返せなかった。早めに頬の赤みを取り除きたかった。一言も発さず、顔が見えないようにずっと俯いて体育の授業を過ごした。

唯一の救いは、その男の子がまくし立てる周りの人たちに否定も肯定もしなかったことである。あの時何か言われていたら確実にもっと傷ついていただろう。そのあと私はその男の子と話すことが出来なくなった。この赤い顔のせいで、青春の搾りかすさえも味わえずに過ごすことになった。

 

高校に入る頃には、赤い顔を指摘される事も少なくなり治っていった。今となればいい思い出である。今の私は真顔で下ネタをTwitterで呟いているので、少しくらい頬の赤みをが戻ってきて欲しいくらいである。

 

 

 

 

他の「文字そば」を読む