速い、安い、上手い
でお馴染みの吉野家
皮膚の病院、皮膚科にも
吉野家の様な回転率、安心のお値段、的確な処置をする病院が存在する。
私は上京してから飲食店でバイトをし、皿洗いをしまくり手の皮脂が消滅した。
そのせいで荒れやすく、乾燥する時期にはあかぎれがひどくなった。
そしてかゆみも伴い、夜は特にひどく寝てる間にかきむしり朝起きると布団が血まみれなのである。
その状況を打開すべく、いろんな皮膚科に訪れた。しかし待ち時間が長く、その割に診察時間は短く、それなのに値段が高く、そしてあまり治らずという負のスパイラルに長年陥っていた。
そんな中同じ皮膚の弱き者から教えられたある皮膚科に、私はとても驚いた。
小さい病院で、おばさんのお医者さんが一人で診察しており数人が待合室で待っていた。
しかし、呼ばれて入った患者が30秒で出てきた。
速すぎる。中で何が行われたんだ。
私の番になり診察室に入った。
「あー荒れてるね!痒い?」
「はい」
「じゃあアンテべートと保湿クリーム出しとくね!!寝る時には軟膏塗ってラップで手をぐるぐる巻きにするんだよ!!!!!!はいお大事に!」
これで診察が終わった。
お値段も他の病院の半分くらいだった。
もらった軟膏はとてもよく、痒みが治まった。
ラップはめちゃくちゃめんどくさいのでやってない。しかしとてもいい病院だ。
私は感動し、この病院を皮膚科界の吉野家と名付けた。
それから軟膏がなくなればこの皮膚科に定期的に通うようになった。
ここ最近だと親指に謎のイボが出来たので、見てもらいに行った。
イボを見るなり、チェックの可愛い水筒を取り出した。
お茶でも飲んで休憩するのかなと思ったら中からもくもくと煙が出ていた。
液体窒素だった。それを綿棒につけイボに押し付けた。イボはみるみるぺしゃんこになった。
その間1分も経っていなかった。
底知れぬ皮膚科の可能性に、私は毎回感動している。