先日、江口寿史先生の原画展を見に

銀座へ向かった。

銀座とはオシャレでお金持ちなマダムたちが

徘徊する街である。

ただ好きなものを見に行くという目的しか

頭になかった私は、

めちゃくちゃダサい格好で来た。

 

リサイクルショップで買った

千円のサロペットと、

五百円のブラウス

サロペットはさながら、レンコンを収穫するため

沼に入る時のゴムのつなぎのようだった。

そして、千円のピンクのスリッポンが幼稚さを演出した。

 

道端アンジェリカなら着てもオシャレになれただろう。

アンジェリカなら。

普段からのぼんやり顔も相まって3倍くらいダサかった。

せめて顔を小さくして、アイプチをして

つけまつげをつければよかった。

私は、どちらもつけるのが下手でつけまを床に落とし

ムカデと勘違いして殺虫スプレーをよく噴射している。

 

周りにはChanelやGucciの店が並ぶ。

そこから出入りするマダムたちを尻目に

合計二千五百円の女が通り過ぎた。

 

池袋までの服だった――!!

 

私は強く思った。

埼玉県民の私は池袋がオアシスだった。

それ以上の都会に半端な装備で向かうべきじゃなかった。

果たして、今の手持ちを合わせても

銀座までの装備を私は持ち合わせているのだろうか?

自分の経済力や身なりにあった場所を選択して

行動すべきなのだろうか。

でもそれじゃ今回のような、行きたい場所に行けないのは嫌だ。

 

そう悶々としていると

スタバの店の前で堂々と寝転がる

お外で暮らす人がいた。

周りの目など一切気にせず、威風堂々とする姿には圧巻した。

私も自分のしたいことを第一に堂々とどこへも行こう。

 

ありがとう

お外で暮らす人…!

 

 

 

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