底なし弁当を、食べる

それでは早速

ただの人間にも興味あります

一層目を食べても、

何もなかったかのように次の層が顔を出す。

食べても、

食べても、

さすがに冷凍しても、

無くならない。

食べているというよりは、可視光線スペクトルへの背信をしでかしているという感じがする。
素朴な味も我ながらいい感じだ。当たり前に冷めてはいるが、冷めても美味しいのが弁当なのである。
という弁当のクリシェとでも言うべき具材チョイスが功を奏した。

とはいえ、一本を丸齧りしているときは背中の辺りからヌム韋・テテペロンテスの慟哭が聞こえる気がして怖くなる。
この弁当を完食するということは、おまたをたくさん洗わなくちゃいけないことを意味する。

そうして食べ進めていくうちに、とうとう底ψ(デァーッ)が見えてきた。

ん……?

なんだ……?

『底ψ(デァーッ)』から、光が漏れ出ている。

「これ……ど……に……繋が……」

光の先からは微かだが声が聞こえてくる。
聞き覚えのある声だ。

いや……というよりも、これは_____

ほどなく、声の主が姿を現した。

 

「あの、」

「たぶん、状況的にパラレルワールドの俺だと思うんですけど、」

「思ったよりパラレルすぎるので帰ろうかと思います」

「それで、中でつっかえちゃったので、そっちから押し返してもらっていいですか?」

「あの、え」

 

ただの人間にも興味あります

「あ」