2025年1月某日。

我が家は念願のUSJに旅行へ行った。

USJとはユニバーサルスタジオジャパン。ウイーッス!ジュンでーす!のUSJではない。(酔っぱらった井上順さんのあいさつ)

 

自己紹介が遅れましたが、私は漫画家の室木おすしというものです。

5人家族で、小4の娘と小2の双子の娘の3姉妹の父です。

 

今回の特集はそんな家族でいったUSJの思い出を、ただただ公開するという非常に私物にまみれた特集になることをあらかじめ謝罪したい。ごめんなさい。

 

子どもの成長は予想以上に速い。

かのアインシュタインは光速より速い物質はないと言ったが、あった。子供の成長速度だ。(それは物質ではないと言われたら謝る心構えはある)

今そこにいる子どもは今この瞬間にしかなく、その都度の思い出はあまりにも目まぐるしく過ぎ去っていく。私はその残像を捉えるのに必死だ。

 

今回はその思い出の中でも、きっと忘れてしまうであろう些細なものを、あえてピックアップし、ランキング形式でこの世界に刻み込もうと思う。みんな一緒に付き合ってほしい。

 

 

企画詳細

 

まず子どもらにデジカメを渡し、写真を撮りたくなったら勝手に撮ってもらうことに。彼女らの視線の写真を見たいからだ。渡すデジカメは壊れてもいいように20年前の古いデジカメである。

 

そしてその写真と共に、きっと忘れてしまうだろう至極どうでもいい当日の会話内容や、私が感じた思いなどをランキング形式で書きしめす。

 

 

いよいよはじまるランキング

 

さて1月某日。我々家族は大阪へ着いた。

 

寒い

 

早々に我々はその寒さに度肝を抜かれた。その日がたまたまだったのかわからないが、暮らしている神奈川よりだいぶ寒い。そしてこの寒さによって私の計画は早々に崩れ始めた。

 

手が寒いから写真を撮りたくないと言い出したのだ。

 

うすうす感づいてはいた。

楽しんでいる時に写真など撮りたくない。手が寒いならなおのことだ。

 

なんとか頼んでやってもらったが、ほとんど写真がない。

今回あがる写真はそんな貴重な写真で構成されている。

 

でははじめよう。

 

 

きっと忘れてしまうだろう思い出ランキング

 

 

泊まったホテルの床

入場ゲートらへん

 

5位  足がこんなになっちゃった!(三女)

 

マリオカートにライドした際、一緒に乗った三女が安全バーを、足をちゃんとしまわずに下げたため、左足が外に出た状態になってまい、焦って私に訴えかけてきた。

 

「足!足!足がこんなに!足がこんなになっちゃった!」

 

と私に叫ぶ三女。

 

 

 

 

 

私は冷静に、「大丈夫大丈夫!」とクルーの方に「足が挟まってしまったので、あげてください。」と頼んだ。

三女は至極ホッとしている顔をしていて、私は非常に嬉しくなった。

娘の安心を作ってやるというのは親としてとても気分の良い行為だ。今娘が私によってホッとしている。なんと嬉しいことだ。しかしまぁどうでもいい出来ごとではあるのできっと忘れるだろう。

 

ヨッシーアドベンチャーライド中(マリオカートの写真はなかった)

 

 

4位 私の犬に指示しないで。(次女)

 

次女が三女のリュックから出ている紐をもって、犬として散歩させる遊びを場内でやっていた。走り回るので、「人にぶつかるから落ち着いて!」と三女に言うと、散歩させていた次女に

 

「私の犬に指示しないで!」

 

とピシャリと言われてしまった。

何ちゅうこと言うんだと笑ってしまった。

これはUSJにあまりにも関係ない行為なのできっと忘れるだろう。

 

 

 

次女がめちゃくちゃ気に入った、ハリーポッターエリアで買ったファービーのように動くふくろう。(古いデジカメで撮ったので手振れ補正が全然効いていない)

 

 

 

 

3位 アッシュの手のひらが硬い

 

妻が見たいというシング・オン・ツアーというショーを見た。

映画「SING」の登場人物たち歌って踊る楽しいショーだ。

途中、ゴリラなどの登場人物が客席近くを走るのだが、その際に手をタッチしてくれる。

 

ハリネズミのキャラのアッシュも私たちの前を横切るときに、タッチしてくれた。

アッシュは、すごく人間味がある見た目で、手のひらも人間そのものなのだが、そのアッシュの手のひらが、

 

思ったより硬かった。

 

柔らかそうなイメージがあったので、

 

硬い!

 

と思ってしまった。(人間としては普通なのだけどハリネズミと思ってのタッチだったので)

きっと何回もショーをやって手を酷使しているのだろう。働き者の手だと思った。一瞬夢のようなショーに、厳しい生活感を感じてしまった。

 

それだけの思い出なので、子どもも関係ないしショーの見どころでは全くないので、これはまじで忘れるだろう。

 

 

 

 

 

2位 あの人、運動神経いいよ(長女)

ウォーターワールドという水上バイクなどを駆使したショーを見た時に、その演者が高い策をジャンプでさっと乗り越えた時に、長女が私に教えてくれた。

 

あの人、運動神経いいよ。

 

私も見ていたので、そうだろうなぁと思ったけどわざわざ教えてくれた。

 

ウォーターワールド

 

 

さらに、ユニバーサル・モンスター・ライブ・ロックンロール・ショーという、モンスターたちが歌って踊るショーに出演していた狼男のことも、

 

あの人は声が高くて運動神経がいい。

 

と教えてくれた。

私も見ていたのでその通りだと思った。

彼女の運動神経に対する執着はなんなのだろうか。そういう年頃なのか。

しかしこういった子どもならではの視点がとても可愛らしく思えて、にんまりしてしまった。

ただ、出演者の人は大概運動神経がよさそうなので、これも忘れてしまうだろう。

 

?たぶん誰かのダウンのドアップ

 

1位 ダイナミックだった (長女)

 

お待ちかね1位。

 

ハリーポッターエリアをひとしきり楽しんだ後、ジュラシックパークのレストランのトイレへ行った長女。双子と妻は別のところに行っていたので、私はトイレの前で待っていた。

 

しばらく待っても出てこない。

大丈夫かな?と心配しているとちょっと疲労している長女が出てきた。

どうやらお腹が痛かったらしい。

午前中も痛かったんだとか。

 

大丈夫?と聞くともう大丈夫と娘。

 

どれくら痛かったのかと聞くと、

朝も結構痛かったけど、今の痛さは今までで一番痛かった。

 

ダイナミックだった。

 

と言うのだ。

 

ダイナミック…?

その言葉のチョイスに私は瞬間にして思いっきり笑ってしまった。

娘もつられて笑う。

 

ダイナミックなんて言葉を娘が言っているのを今まで聞いたことがなかったので、なんで急にそんな言葉を使ったのかわからないが、腹痛の表現としてダイナミックを選択したのが、面白くてたまらなかった。

 

二人して笑い転げる。

 

場所はジュラシックパーク内だ。ダイナミックな腹痛もうなずけるかもしれない。

このことは今後も覚えているかもしれないが、USJの思い出としては、やはり無関係過ぎて、忘れてしまうかもしれない。

 

ダイナミックな腹痛を味わった天井には、ダイナミックな恐竜がいた

 

 

忘れゆく思い出を胸に

 

他にもたくさん他愛のないやり取りがあった。

あったが、ここの載せてもあまりにもどうでもいいので、さすがに憚る。

 

 

さて、そうこうしているうちに、

あっという間にUSJでの時間は過ぎ、閉園時間が迫ってきていた。

 

閉園時間近くはアトラクションの待ち時間が短くなり、乗り放題だ。

 

マリオカートに2連続で乗った。

最初は怖がっていた次女が、ゴーグルをしっかりつけて楽しむと、ものすごく楽しいことに気づいて、楽しかった!と興奮していた。

 

最後にみんなが一番気に入ったJAWSに乗ろう!

暗くなり、人もまばらになった園内を小走りにかける家族。

 

JAWSの待ち時間はほぼない。

今回で3度も乗ったJAWSの流れはもう暗記してしまった。

 

アミティ3のボートが沈没しているんだ。

みんなで気づいていない添乗員さんに教えてあげる。

あっちあっちと。

 

それから毎度出てくるサメに(これは添乗員さんに内緒って言われたんだった。ごめんなさい)毎度驚く娘たち。

水しぶきがかかって満面の笑みだ。

 

終わった後に、みんなが口をそろえていった

 

もう一回乗りたい!

 

偶然、私もだ。

もう一度乗ろう。

 

もう閉店時間はぎりぎり。

 

 

あたりはすっかり暗くなり、その暗闇の中に光る船着き場の灯りは、なぜかノスタルジックにぼんやりと淡く光り、

 

 

その足取りにスローモーションをかける。

 

 

終わってしまう楽しい時間を、限りなく永遠にさせるように。

 

 

 

きっとこのことは思い出す。

4人の笑顔のあの風景を。

 

もう二度と同じ時間は訪れない切なさに蓋をしめ、アミティ6は水上を走り出す。サメが出ることを知らない添乗員とともに。

 

 

 

 

 

 

 

 

……あぶない。切なさに突き動かされ感傷的な文章に浸ってしまった。

 

こわい。

 

自分の切なさへの感度がこわい。

 

正直言うと最後のJAWSのブレブレの写真は、取れ高のために私が撮った写真だ。

そういわれるとエモさが急にいやらしさにかわっていくだろう。

 

仕方ない。

あの永遠をどうしても閉じ込めたかったのだ。

この発想は子どもには出せない。

 

その時間の貴重さを彼女らは感じていないのだ。

 

そこがこの上なく素晴らしい。

 

 

お付き合いいただきありがとうございました。

 

 

 

USJとても楽しかった。

思い出をありがとう。

 

 

ウイーッス!じゃあね!

uresi sabisi journey