「ももたろう」。日本人なら誰もが知っているであろうキングオブ昔話。今回は「ももたろうビジネス」を一代で築きあげ、成功に導いた桃太郎こと吉備津彦命さんに、経営者としての考え方をたっぷりと語ってもらった。
―桃太郎さん、今日はよろしくお願いします
桃太郎(以下、桃)「こちらこそよろしく」
―早速なんですが、桃太郎といえば川から流れてきた桃から生まれたことで有名ですよね。流れてる時の気持ちってどうだったんでしょう?
桃「やっぱ人って、挫折を乗り越えて強くなるよね。俺の場合、桃の中にいたとき桃がすげー肉厚で、全然自力で出れなかったわけ。 で、こりゃ誰かに助けてもらうしかないなって思ってさ。運良くおじいさんとおばあさんに拾ってもらえて助かったの。 人って一人だと生きていけないなーって。誰かに助けられて生きてるんだよね。そういう考え方は後々の会社経営に活きてるね」
―犬・猿・キジを仲間にしたのは何故だったんでしょう?
桃「犬と猿とキジね。こいつらは、言わば俺の作ったカンパニーの社員なわけ。これから『鬼退治』っつー事業をやっていくに当たって、プロジェクトを成功させるための戦力なのよ。猿は人間の次に賢いらしいんで、ブレーンの位置でしょ? あと俺、背中にすげーダニとかノミがいるからそういう意味でもしっかり働いてくれそうじゃん。次にキジね、卵生むじゃん?卵って『物価の優等生』って言うからね。これ喰ってたらエンゲル係数下げれるし、コストダウンにつながるよね。犬? 犬は元々飼ってたから」
―つまり適材適所ということですね
桃「簡単に言うとそういうことだね。犬は元々飼ってたけど」
―きびだんご一つでお供の気持ちを掴めたのには、何か特別な理由があったんでしょうか?
桃「まずきびだんごを貰うと、きびだんご会員Aになれるわけ。その後、会のほうからきびだんご仕入れてもらって別の誰かに売れば、きびだんご会員Bができるわけよ。そうやってネズミ算式に会員が増えていってきびだんごが売れれば、俺もハッピー、みんなもハッピー。軌道に乗せるまではちょっと時間かかるけど、このシステムに組み込まれることが成功への一番の近道なんです。現状に満足せず、常にチャレンジする気持ちを煽ることで、『絶対鬼退治してやるぞ』っていう意欲を高めてるんですわ」
―なるほど、非常に魅力的なシステムですね。ところできびだんごってどんな味なんですか?
桃「Very good!!」
―そしていよいよ鬼を退治するわけですが、一体どういう方法であの強そうな鬼を退治したんですか?
桃「鬼なんて真正面から行ったって勝てるようなもんじゃないよ。でね、どうやったら桃から生まれたとかいうわけわかんない設定の俺が鬼に勝てるか考えたわけ。押してダメなら引いて見ろって言葉もあるけど、鬼を倒すにはまず一歩引いて鬼の視点で物事を見定めないといかんわな。そうすればおのずと鬼の弱点も見えてくんのよ」
―と、言いますと?
桃「鬼って税金ないんよ。うん、外国人って説もあるくらいだから課税されないのね、日本の法律では。で、たまたま俺の知り合いに鬼ヶ島の市長がいたの。で、あ いつらよくよく調べてるとオーバーステイしてるわ、中には帰化してるやつとかいて、税金とれるところいっぱいありますよって教えてやったわけ。で、事前に 家にいる時間とか調べて、一気に脱税で引っ張ったわけよ。力では勝てない相手には、自分の土俵で勝負する。これが強い相手と戦う時の鉄則だわな」
―そうして鬼を退治し、ついに莫大な財宝を手にした
桃「運が良かったよね。あの頃はまだ同業者がいなくて競争も激しくなかったから、ちょっと退治しただけで大きいリターンが得られた。いい時代だったよ」
―鬼に奪われた財宝を返してもらった人たちは何と言ってました?
桃「え?」
―財宝は元の持ち主に返したんですよね?
桃「・・・・・・」
桃太郎さん、貴重なお話ありがとうございました! 次回も成功者の方にお話を伺いたいと思います!