四文屋が大好き!
四文屋、ご存知でしょうか。関東を中心に北は北海道、南は福岡まで勢力を拡大している焼きとんを中心としたグループです。店名は創業当初やきとんを一本100円で提供していたことに由来していて、とにかく安い。そしてうまい。
わたしは以前、この四文屋の焼きおにぎりを都内全店舗で食べるという記事を書きました。
大阪にある四文屋の全店舗でも焼きおにぎりを食べに行ったのですが…
山梨にも四文屋があるということで、山梨の全店舗でも焼きおにぎりを食べてきました。2箇所。
これがまたそれぞれ山梨独自の四文屋で非常に楽しかったので紹介させてください。
四文屋 甲府駅前店
山梨県甲府駅から徒歩3分。エントランスの装飾がオシャレですね。15時オープン。入り口に焼き場とカウンター、奥の方にテーブル席があるクラシックな四文屋の間取りです。
なにはともかくドリンクを注文しましょう。
ビールにコロナがあったりシャンディガフがあったりして充実しているのも気になりますが、さすがフルーツ王国山梨といったところでしょうか「りんごのハイボール」が珍しかったので注文してみました。
ウイスキーの香りとりんごの香りがいい具合に溶け合ってうまい!!飲んでもらったらわかるんですが、めちゃくちゃクセがないホイスサワーの味がします。あまり一般的でないもので例えてすいません。
じゃあいつも通りアゴとアスパラから…
…
…
ウソでしょ?!
アゴがない!!!!
店員さんに聞いてみたところ、仕入れたタンに付いていればある、なければなしということで安定していないのでレギュラーメニューには入れてないそうです。
甲府はほかにも中華屋さんでもつ焼きを売っていたりするんですが、甲府ならではの肉屋事情があるのかもしれません。おもしろいですね。
希少部位ボードを確認しましたが今日は無い日でした。山梨の皆様、あったら絶対に食べてください。
あまり見ることがない「リップ」と、逆に他の四文屋でレギュラーメニューにはない「トロ」を注文。
リップは読んで字の如く唇の肉。ザクザクした歯応えだけど柔らかい不思議な食感です。トロは脂身。サクサクした食感だけど、噛み締めるたびにじゅわっ…と流れ込んでくる脂をりんごハイボールの爽やかさで洗い流す。たまりませんな。
そんなこんなしてたら牛鍋が届きました。たっぷりお肉も野菜も入って、これで1150円なのでバカ得です。都内の「牛の四文屋」でも提供されていますが、そちらは1300円くらいですかね。それでも安いんかい♪
生卵が付いてきます。サイコー。2人以上で行ったら絶対に注文しましょう。おれは今回独り占めさせていただきます。
そんなこんなしてたら焼きおにぎりも届きました。一眼見ただけで間違いないとわかる焼き色をしてる。握り具合も完璧です。
豪遊。
焼きおにぎりを片手に赤身多めで噛み締めるたびに旨みが滲み出る牛鍋を食べてたら、そりゃワインを頼まないとおかしいでしょということでマルスワインを注文。
ソムリエがワイングラスにボトルのお尻を持って優雅に…とかではなく、一升瓶に入ったマルスワインを普段梅割りとか入れてるコップにドポンドポン溢れるまで注いでくれます。この一升瓶ワイン文化は山梨県に古くからあるもので、大正時代から山梨のブドウ農家たちが規格外のブドウを使って自家用のワインを作り、当時製造流通されていなかったワインボトルの代わりに一升瓶に詰めていたことに発端するそう。
マルスワインはそんな山梨の老舗、本坊酒造のワイン。都内の四文屋でもたまに置かれていて飲むことはできますが、本場山梨で飲むマルスワインは“鳴り”が違いますわ。
そんなことをしている間にも、小鍋のいろりには火が付いた炭が入っているので豆腐をガングロになるまで煮込むことも可能ですし、
この瞬間のために残しておいた焼きおにぎりと卵を投入しておじやを作ることもできます。四文屋の鍋はガチ。
魚の四文屋 甲府駅前店
実は四文屋からお店一軒挟んですぐそばにある魚の四文屋甲府駅前店。こちらも15時から営業しています。
都内の魚の四文屋というと魚はもちろん寿司や天ぷらがあったりいろんなお酒があるのが魅力なのですが…
甲府店はかなり山梨に傾倒しています。ここに来れば大抵の山梨の名物は網羅できるんじゃないか?
地酒気になるけど、どれいったらいいかわかんないよ〜!と頭を抱えていたら「6種飲み比べ」がありますと教えてくれました。なにそれ?普通3つとか4つじゃないの???
仕方ないので6種飲み比べを注文しました。仕方ないから。
イワナの刺身。イワナって刺身で食べられるんだ?!と思ってたら、山梨は小菅村という場所で民間で初めてヤマメの完全養殖に成功してからいろんな川魚を養殖しているとのこと。県内で生産しているから当然冷凍の必要もなく、新鮮そのもの。ピンクがかった白身のコントラストが美しく、全体にしっとりと脂が乗った身は少しも生臭くなくてめちゃくちゃうまいです。川魚の養殖には綺麗な水が必要不可欠で、富士山や南アルプス、八ヶ岳、奥秩父などの名峰に囲まれている山梨だからこその刺身ですね。
そんな清涼な水がある土地だから椎茸も当然うまい。うまいしでかい。お店の人曰く、今日は特段でかいそうです。噛むたびに口の中にじゅわじゅわと溢れ出す椎茸のジュース、これと酒が合わないわけがない。
どれも最高にうまいですが、右から二番目「くず星」が特にうまかったです。見つけたら絶対に飲んでください。
ここで焼きおにぎりが登場。でかい!白い!かなりあっさりめの焼きおにぎり。付け合わせのお漬物がべったら漬けなのが珍しい。
味があっさりだからこんなこともしちゃうぜ!別におつまみで注文していた「いくらおろし」をオン。普通に食事としてうめ〜。魚の四文屋系はスープがつきませんが、大抵汁物が別にあります。ここはしじみ汁がありました。まだ飲みたいから注文しませんでしたが…。
勝沼ワイン・蒼龍の白(白)。山梨・甲州のワインと言えば「美味しんぼ」がそれまで「ワインは和食(味噌・醤油・生姜・魚)と合わない!!」と豪語していたのを80巻で急に蒼龍葡萄酒のワイン「勝沼の甲州」を紹介して「甲州ワインなら合う!」とか言い出して読者の度肝を抜いてましたが、これも蒼龍葡萄酒のワインなので、たぶんこれも和食に合うと思います。
というわけで刺身こんにゃくを注文。山梨県産だと何が違うんかね?と思ったら、なるほど水っぽくなくこんにゃく特有の臭みも少なく舌触りはプルプル、歯触りはザクザクしてうまい!レバ刺しのようにごま油と塩で食べるのもおもしろいですね。でもそれより本当に白ワインが酢味噌と合うので笑いました。別に甲州ワインじゃなくても合うとは思いますが、特に甲州ワインはなんというか余計な味がしなくて食事の邪魔をしない、それでいてちゃんと白ワインをしているというか…すいません、うまく説明できないので実際に食べて確認してください。
山梨でも四文屋は最高
山梨でも四文屋は最高でした。山梨のみんなもうまい肉と魚に舌鼓を打ちつつ地酒と甲州ワインをガブ飲みしよう!特に魚の四文屋は山梨観光にもおすすめです!