知らない人はいないEテレの教育番組「おかあさんといっしょ」では、毎月オリジナルの新曲が公開されています。これは「今月の歌→月歌(つきうた)」と呼ばれているのですが、3歳の娘と毎朝おかあさんといっしょを見ている私が、2022年4月にまやおねえさんが就任してから2023年3月までに追加された月歌19曲に今一度向き合ってレビューしたいと思います。なお、恐れ入りますが以降は便宜上かつ親しみとリスペクトを込めておにいさん・おねえさんをつけず、ゆういちろう、まや、あづき、かずむ、(あつこ、まこと)と呼ばせていただきます。

 

その前に、おかいつあるあるを一つ…。

土曜にやるはずの「あ・そ・ぎゅ~」が平日にイレギュラー発生すると、朝の身支度のすべてを中断して付き合ってあげなきゃいけないので大変がち♪(でも、喜んでやりまっせ…)

 

 

2022年4月「うらら」

作詞作曲:水野良樹(いきものがかり)

ガラピコぷ~時代に絶大な人気を誇っていたあつこが卒業して、まやが就任して初めての月歌。「春」や「新しい出発」をテーマにした、まさにまやのためといってもいい名曲です。つい最近も新PVが公開されたりファミリーコンサートでもここぞという時に放たれる、ゆういちろう&まや期の定番曲といっても良いでしょう。

「あつこの後は大変じゃろ…」と心配していたジジイとババアも、歌のおねえさんになるためだけにそれまでの人生を突き進んだまやの安定感と存在感に胸をなでおろしたものでした。

「♪顔をあげて 変顔しよう」のまやの変顔も良いんだよな…。

 

■良さ度:★★★★☆

 

 

2022年5月「くだものたろう」

作詞:おくはらゆめ 作曲:ベアグラウンド

桃太郎から始まってバナナやいちごなど様々な太郎が登場し、おしくらまんじゅうをするという非常に快活な曲。ゆういちろう&まや期における一つの最高到達点ともいえるマスターピースが2曲目にして早くも登場してしまいました。おにいさんおねえさん達のくだものモチーフの着ぐるみの可愛さやサビのキャッチーさにメロディの楽しさなど、すべてが極まっています。

まこと時代の曲ということで最近は本放送で流れていないのですが、ファミリーコンサートより小規模なコンサート「ファンターネがやってきた!」を見に行った際にはファンターネの3人がこの曲を歌ってくれてめちゃめちゃ最高でした。

 

■良さ度:★★★★★

 

 

2022年6月「おっきなちっちゃな物語」

作詞:もりちよこ 作曲:林アキラ

神様のいたずらによって小さくなってしまった象のチーゾウと、逆に大きくなってしまった蟻のデカーリが交流するストーリー仕立ての曲で、互いの立場を理解することで親愛なる隣人になれるのよといったメッセージが込められた曲。アニメーションも可愛い上に「♪ゾウゾウゾウゾウチーゾウ アリアリアリデカーリ」というサビの覚えやすさでお子様でも比較的マネしやすい楽しい曲になっています。

 

■良さ度:★★★☆☆

 

 

2022年7月「のりまきペラパリおんど」

作詞:フジモ・トモミ 作曲:小杉保夫

2021年の夏に公開された「そらそらそうめん」の精神的続編と言えるかもしれない、夏×食べ物の曲。ゆういちろうとまやのごんぶと眉毛とキラキラ着物、音頭らしい分かりやすい調子が聞いた人の脳にいつまでもこびりつく名曲です。途中で登場するのり巻き3兄弟的なキャラクターもファンターネのビヨヨン3兄弟に通ずるものもあって、手放しで楽しめること必至。

作曲担当の小杉保夫さんは同じくEテレの「みいつけた!」でも神曲を連発しているので、親たちはこの名前を見ただけで安心安定のクオリティだなと思ったものでした。

 

■良さ度:★★★★★

 

2022年9月「しればトモダチ~しりたガエルのけけちゃま~」

作詞:八木順一朗 作曲:荒木尚美

2023年4月から登場し、無茶ブリ質問ラッシュでおにいさんおねえさんの素の表情が垣間見えることでおなじみの木曜日のかき回しキャラクター「しりたガエルのけけちゃま」のテーマソングが9月に登場。この時すでにけけちゃまの全てを理解しておなじみキャラになっていたためAメロ・Bメロからサビに来た瞬間「おいおい!けけちゃまコーナー始まる時のサウンドロゴがサビにつながるのかよ!!最高じゃん!!!」と私の中で話題になりました。

様々なことを知りたいけけちゃまの魅力が存分に味わえるうえ、アニメーションもアーティスティックで素晴らしい逸品。けけちゃまはグッズ展開もしまくっていてまだまだ人気が衰えていないため、声を担当しているゆういちろうの卒業もまだ先になるかもな…と予想しています。けけちゃまはまだ味がする!

 

■良さ度:★★★★★

 

 

2022年10月「ホ・レッ!」

作詞:桑原永江 作曲:石川ハルミツ

フラメンコ的なノリで土に埋まってる野菜を掘りまくる曲。「おたすけ!およよマン」のPVでも手腕を発揮したクリエイター姫田真武さんのふんわりしたアニメーションも良いポイントに挙げつつ、もっとも印象に残るのやはりゆういちろう&まやの情熱フラメンコ衣装と表情でしょう。ギターをかき乱しながら左から右へ流れていくゆういちろうの表情は必見です。ですが、まこと期の曲なこともあり最近はめっきり見なくなりました。リクエストスペシャルに賭けるしかない…。

 

■良さ度:★★★★☆

 

 

2022年11月「うん、いいんじゃない」

作詞:ふじきみつ彦 作曲:王舟

「朝起きられない目覚まし時計」「寒がりな雪だるま」など、ちょっと欠点があるモノたちが様々登場し、まあそんな君たちもここにいていいのよ!という感じで曲名に着地する多様性が叫ばれる今の時代にふさわしい歌。やわらかな曲調にほんわかしたアニメーション、そろそろ寒くなってきた11月に朝から心温まる一曲でしたね。個人的に好きなのは「一人になりたい いくら」です。

 

■良さ度:★★★★☆

 

 

2023年1月「地球の歌」

作詞作曲:坂田修一

私が3歳だった頃に歌のおにいさんを務めていた坂田おさむさんによる2023年の年明けを彩るキラーチューン。「ありがとうの花」「どんな色が好き」など今でも愛される名曲を作ってきた彼だからこそ作れる、天に星・地に花・人に愛といったような人間讃歌です。まだリリースされて期間が短いこともあって知名度はまだまだかもしれませんが、長いあいだ愛されるような定番曲になってくれることを祈っています。

 

■良さ度:★★★★☆

 

 

2023年2月「キミにはくしゅ!」

作詞:ありたろう 作曲:増田太郎

これは私たち親にとってはかなりモヤモヤの残る曲でした。この曲が公開された時はまだおにいさんおねえさんの卒業の告知はされてなかったのですが、「作詞作曲『ありたろう+増田太郎』の組み合わせは2022年のあつこ卒業ソング『まほうのラララ♪』以来である」、「映像の中でゆういちろうだけやたら豪華なソファに座っている」「なんかフィナーレっぽい感じ」といったフラグをふまえて、ゆういちろう卒業か…と嘆いていました。

ですがその後発表されたのがなんと体操のおにいさんであるまことの卒業。「そっちかい!!」「じゃあ映像の中のゆういちろう匂わせって、何…?」と親たちは狂乱の渦に飲み込まれました。しかもその後しれっとまことが豪華なソファに座っているバージョンにも差し替えられており、「なぜ2パターン撮った?」、「我々(親)を試しているのか…?」と、考えれば考えるほど気が狂いそうでした。まことの卒業については少し胸につかえるものがありましたが、2022年8月のさいたまスーパーアリーナでのスペシャルステージ公演で体調不良で死にかけながらも舞台に立ち続けたまことの魂を私は忘れないと思います。

余談ですが、まこと卒業DVDであづきが読んだまことへのお手紙はマジで泣けます。一緒に加入したから別れはつらいよね…(当のまことは思いのほかカラっとしてましたが…)。

 

■良さ度:★★★☆☆

 

 

2023年4月「はっぱっぱのハーッ!」

作詞作曲:堂島孝平

体操のおにいさんがまこと→かずむにバトンタッチし、まやも2年目となった4月に公開された堂島孝平(葛飾ラプソディーでおなじみ)作詞作曲の月歌。葉っぱが春一番に乗って大冒険するという新しい年度らしい曲で、新加入しておかいつに新しい風を吹き込んだかずむとも重なる完成度。実写+アニメを組み合わせたPVもかわいいです。

 

■良さ度:★★★☆☆

 

 

2023年5月「じゅんびばんたんたん!」

作詞:フジモ・トモミ 作曲:織田哲郎

「のりまきペラパリおんど」のフジモ・トモミさんと日本の音楽業界に大きく貢献し大御所といっても過言ではない織田哲郎さんによる、日常生活の準備・お片付けを促すキャッチーな曲。分かりやすい曲調に日頃の生活でも「じゅんびばんたんたんでお願いしますわ」と子どもに声かけできるテーマ性の良さがありますが…、そんなことはどうでもいい!ほかの全てが霞むほどゆういちろうのサラサラヘアーが可愛いという記憶しか残らない珍曲です。2番の「だんだん まぶたがとじるよ だんだんだんだん」で、ゆういちろうの可愛さは天元突破します。是非見てください。

 

■良さ度:★★★★★

 

 

2023年6月「むしむしフェスティバル」

作詞作曲:かしわ哲

初日にこの曲が放送された際、クレジットの段階で「ブースカパーティーのかしわ哲!!つまり勝ち確の曲…」とピンと来た親も多い、かしわ哲さんが手掛けた昆虫たちのパーティーが楽しい曲。PVは全編アニメーションでしたが、個人的にはブースカパーティーみたいにおにいさんおねえさんが虫の着ぐるみを着てドンチャカやって欲しかった…という気持ちはありました。

 

と思ったら最新ソングブックで着ぐるみ着てました。あるんじゃん!

 

■良さ度:★★★★★

 

 

2023年7月「きみのえがお」

作詞:Rico 作曲:肥後憧子

これも「うらら」「地球の歌」のようなテイストで「キミの笑顔は最高」という一点突破で攻める曲。聞いてみると良さは確かにあるものの、正直にいうと一覧で見た時に「これどんな曲だったっけ…??」と思ってしまったぐらいやや印象は薄い曲かもしれません(好きな方がいたら大変申し訳ございません。あくまでも個人の見解です)。

 

■良さ度:★★★★☆

 

 

2023年9月「にんじんエンジンロケット」

作詞作曲:村田匠

ウサギがにんじんエンジンロケットで月までぶち上がり、そこにいたウサギ達と仲良く遊ぶというストーリー仕立ての曲。サビの「にんじんエンジンロケットで〜」の語感がもう手放しでアガってしまう、口ずさみたくなる魅力にあふれています。

 

やまだみのりさんが担当したアニメもめちゃめちゃかわいい!

 

■良さ度:★★★★☆

 

 

2023年10月「はたらきものブギ」

作詞:いとうせいこう 作曲:TUCKER

まさかのいとうせいこう作詞の月歌。子ども目線で働く大人たちをマネしたり、カッコ良さ&大変さを讃える楽しくハッピーな曲。ブギというだけあってアップテンポ+ジャズベースの曲調もさることながら、ゆういちろう、まや、あづき、かずむが様々な職業に身を包むコスプレ祭りも楽しかったですね。お豆戦隊ビビンビーンのゆういちろうももちろん確認済みです。

 

ところで、もしかしたらかずむの太すぎる二の腕はここでハッキリと露わになったかもしれません。顔はほぼ赤ちゃんなのに…。

 

■良さ度:★★★★☆

 

 

2023年11月「ねじまきジミー」

作詞作曲:加藤千晶

ねじまきのジミーが様々なおもちゃのネジを巻き、パワーを与えていくという曲。ジミーを子ども・おもちゃを大人に置き換えることで、疲れていても元気をわけてくれる大事な存在…といったメッセージも込められています。アニメーションの世界観もかなりオリジナリティにあふれており、そちらも一見の価値あり。

また、コロナ禍の影響をくぐり抜けて11月から時々子ども達がスタジオに参加してくれるようになりました。う、嬉しすぎるだろ…。私も見始めたときにはすでに子どもたちの姿は無かったので、新鮮さと懐かしさが入り混じったなんとも言えない気持ちになりました。いや、いちばん喜んでいるのはゆういちろう達なはず…。

 

■良さ度:★★★☆☆

 

 

2024年1月「おべんとウインナー」

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作詞作曲:平野航

11月はアニメ作品・12月は新曲が無かったということで、の人間が登場する実写作品が待たれていた中でリリースされた神曲。冷蔵庫内のウインナーに扮したあづき&かずむが、ゆういちろう&まやの作るお弁当に入ることが出来るのか…というスリリングなストーリーで、待ち焦がれるあづきウインナーとかずむウインナーの表情も実に素晴らしいです。ポップな世界観の割に曲調はかなり大人しめですが、そのギャップも珍しくて面白いです。ちなみに曲名でSNS検索すると、この歌の通りに作ったお弁当の写真も多数UPされています。

また、歌詞の中で「♪ハタチのアスパラベーコン」という謎の描写があり、どういう意味なんだと半月ほど親たち考察班の頭を悩ませていましたが、考察のヒントが無さすぎて辛抱たまらずNHKに問い合わせした勇者があらわれてその謎に終止符が打たれました。

 

■良さ度:★★★★★

 

2024年2月「ビビビビーム!」

作詞:及川眠子 作曲:池毅

「残酷な天使のテーゼ」をはじめ誰もが知るアニソン・J-POPを手掛けた及川眠子さんが作詞した爆弾曲。歌詞の良さ、サビの良さ、テンポの良さ、PVの良さ、衣装の良さ、「笑い声がヨーデルね」以来2年3ヶ月ぶりにでっかい犬の着ぐるみが登場する良さなど、サプライズと嬉しさと楽しさと心強さとが一気に凝縮された大名曲となっています。2月の寒すぎる真冬でも一気に朝から元気になれます!先日(3/30)のファミリーコンサートin福岡でも終盤に披露されて最高でした。

 

■良さ度:★★★★★

 

 

2024年3月「ヒューララ ブンブン!」

作詞作曲:御供信弘

歌詞にほぼ意味が無く、風を起こして元気に突撃していこうGOGOGO!という非常に攻めた構成の月歌。御供さんが所属するパラボラレルはファンターネの曲をほぼほぼ手掛けていることもあり、耳に残るメロディ構成はここでも発揮されています。

そしてファンターネの3人+子どもたちも多数出演する珍しさで年度末の〆というような感じもありつつ、誰かの卒業にビクビクしていた去年と比べると「今期は誰も卒業しないな…」という安心感を与えてくれました。「♪小さい風 ブンブンブブン」の時のあづきのクシャっとした顔がかなり可愛いです。

 

■良さ度:★★★★☆

 

さようなら

2024年4月からも何卒よろしくお願いいたします。おかいつは誰も卒業せずとも、3月でクックルン、スイちゃん(マジ涙)、てれび戦士、でこぼこポンのポンなどなど、他の多くの番組で卒業がありました。4月からの新しい展開も楽しみにしたいと思います。敬具