こんにちは、ライターのギャラクシーです。兵庫県出身です。
東京で暮らし始めて1年が過ぎました。
そんな僕が困っていること、それは……
いつも食べてたお菓子が売ってない!!!!!
ってこと。例えばこちら、
『おにぎりせんべい』
関西ではスーパーやコンビニにほぼ100%の確率で常駐してる商品なので、上京当初「東京のコンビニは品揃えの悪い店が多いな」と思ってたんですが、調べてみると全国区のお菓子ではないらしく、東京にはあまり置いてないそうです。
「置いてないそうです」じゃねぇよ!!!
チョコなどの甘いお菓子 → ポテチなどの辛いお菓子 → チョコなどの甘いお菓子……っていうお菓子サイクルを2~3回繰り返したのち、エアポケット的にスルっと入ってくる『おにぎりせんべい』がないってどういうこと!?
調べてみると他にも「えっ!これ全国区じゃなかったの?」というお菓子がいくつかあったので、今回はそれらのお菓子を会社の同僚に食べてもらい、率直な意見をもらいました。
食べてもらったのはこの3種類
左から『おにぎりせんべい』『満月ポン』『鴬(うぐいす)ボール』。
いずれも関西に本社を置くメーカーが製造販売するお菓子。
おにぎりせんべい
まずは冒頭で紹介した、マスヤの『おにぎりせんべい』から。
マスヤ『おにぎりせんべい』
三重県伊勢市に本社を置く日本の菓子メーカー「マスヤ」が製造する三角形をしたせんべい。販売先は西日本が中心で、関西では定番の菓子である。
1969年に「三角形のおせんべいがあってもいいじゃないか」という発想で誕生した商品だそう。
意外にも「これ知ってる」という声が多かった
「愛知でも売ってましたよ。醤油と海苔の香りが良い! でもわざわざ食べたい、とはならないですね。全体的に存在感が薄いから、普段は思い出せない」
「見た覚えはあるけど、食べたことはないです。味はおいしいですね! サッと食べたい時にいいんじゃないかな。でも、このパッケージは歌舞伎揚げのイメージですね」
歌舞伎揚げ=東日本で有名な揚煎餅のお菓子
ややこしい話だが、これも関西では『ぼんち揚げ』という有名ローカル菓子がある
「九州にもあったけど、あんまり好きじゃなかったな。味が強いんだよね~。あとパッケージがダサい」
「置いてる店は少ないけど、子供の頃に一回食べた覚えがあるような……。ただ、好きとか嫌いとかいう味ではないですね。まあ、うん、っていう感じ」
―――
「わざわざ食べたいと思わない」「存在感が薄い」という意見が多かった。でも、『おにぎりせんべい』ってそういうもんでしょ! 存在感の強い、大好きなお菓子を食べ飽きた頃に、たま~~に、月に2回くらいつい買っちゃう。そういうもんでしょ!
松岡製菓『満月ポン』
続いては、松岡製菓の『満月ポン』。実家に必ず置いてるお菓子で、独特のパリッ、サクサク!という軽い歯ざわりが特徴的。
満月ポン
ソフトタイプの醤油せんべい。製造している松岡製菓は、今日まで「満月ポン」のみを脈々と生産し続けている。故やしきたかじんのリクエストから生まれた、しょうゆ1.5倍の「濃い~味、満月ポン」をネット限定で販売。
関西出身者以外はほとんど知らないようでした。
「なんかの部品?」という声も。
「軽~い! 平らな“ふ菓子”に醤油を塗った感じなのかな? パリッとしてておいしい」
「味が濃いなぁ。あんまり好きじゃないかも。あとパッケージがダサい」
「サクサクしてて独特の食感ですね。関西らしい、だし醤油味でおいしいです。油断してるとついつい食べちゃう味」
「食感は良いけど、味自体はクドくてそんなに好きじゃない。あと食べてて口の中に貼りつく感じがする」
―――
「油断してるとついつい食べちゃう味」というのは、満月ポンをうまく言い表した言葉ではないでしょうか。実際、『満月ポン』ってわざわざ買って食べるというよりは、母親が買って来るからなんとなくテレビ見ながら食べてるって感じのお菓子ですよね。
また、記事にするためにこうして一種類ずつ食べてもらったんですが、撮影が終わってから好きに食べてもらったところ、「2周目だと満月ポンが一番うまい」という意見も出ました。食べ飽きない味、ということでしょうか。
植垣米菓『鴬ボール』
最後は植垣米菓の『鴬ボール』。ほんのり甘いあられと、それを包むカリカリとした殻(?)という食感の組み合わせが堪らない。関西人はCMの影響で「♪あられ~、 ウ・エ・ガ・キ・ウ・グ・イ・ス・ボ・ォ・ル」という節が反射的に脳内に閃く。
鴬ボール
戦前から存在する商品であり、当時は爆弾ボール、または肉弾ボールという名前で販売されていた。終戦後、時代に似つかわしくないことから商標名を変更、形が梅の花に似ていることから、梅にウグイスという連想により鴬ボールとなった。
「なんだこの形? 分子構造っぽい」
まずは形のインパクトに驚く面々。
「これおいしい! まず食感が良い。味は見た目と違って甘い感じなんですね。パッケージもウグイスのイラストが良いね」
「外側の部分がガリガリしてておいしい。いつまでも食べてしまう」
「おいしいけど、一袋は無理。小さいパッケージで出してほしい」
「うまい! でも冷静に考えたら食感以外に特筆すべきことはないかなぁ」
―――
意外なことに、今回一番人気だったのがこの『鴬ボール』。予想では『満月ポン』じゃないかなと思ってました。
食感というわかりやすいインパクトがうけたようです。味もほんのり甘くていつまでも食べられるという感じで概ね好意的。ただ、こんなに食べられないから少量パックを作ってほしいという意見が気になります。確かに、味が強いので一気には食べられないお菓子ですね。
今回の結論
というわけで様々な出身地の同僚に、関西のローカル菓子を食べてもらいました。「おいしい」「おいしくない」両方の意見がありましたが、他の社員に食べてもらったところ、概ね好評でした。
結局のところ、なぜ全国区になれないのか、は仕入れ担当者がデータのない商品を仕入れるのを怖れているだけで、東京にあれば普通に売れるのでは……?と思ってしまいました。
マスヤさん、松岡製菓さん、植垣米菓さん、東京の冷たい風に涙する関西出身者のためにも、ぜひ関東地方の販売に力を入れ……
というところで、おやおや?
大阪出身の同僚もニオイにつられてやって来たようです。
「なんやなんや、ごっつうまそうなモン食うとるやないケ! ちょっとワイにも食わさんかいボケ」
「っか~! これやこれ! この味はおんどれらにはもったいないで! 関西の菓子はホンマ最高やわ」
「なっ、何を言うんだぃや! うんめ菓子は関西だけではねぇっけさ、 北陸にも『サラダホープ』いう、がったうんめ菓子があっけさ」
「じゃけんどん、九州にも『亀せん』っていうおいしいお菓子があるっちゃが!」
「私のデータによると、東京にも『甘食』という美味なる菓子が存在しますが」
「おみゃあさん、愛知のソウルスイーツ『しるこサンド』も忘れんといてちょーよ!」
「おいおいどないなっとるんやしかし! ほな結局、全国のローカル菓子で一番うまいんはドレやねん」
ドン……ドドン!
ドドン、ドドン!
ドドドドン! ドンドン!
ドドン!
開催しません。
おわり