みなさん、Tik Tok(ティックトック)やってますか!?
ティックトック、名前くらいは聞いたことがあるのではと思います。主に若年層を中心に大流行している動画投稿アプリでして、「顔を可愛く盛れる(SNOW)」+「音楽に乗せて踊れる(踊ってみた)」+「短い動画をサクサク見れる(Vine)」という、人気動画サービスのいいとこ取り的なコンセプトとなっています。
知らない曲(ピッチがめちゃくちゃ上げられている)に合わせてキラキラした若者が知らないダンスを繰り広げている様子を見て「おじさんには若いコの文化よくわかんないな……」と思った方も多いのではないでしょうか。
さて、そんなティックトックで地味に流行っているジャンル「傷つくしんのすけ」をご存知でしょうか。
ご存じないと思います。「傷つくしんのすけ」という名称は私がつけました。
どういうものかというと、ティックトックを使ってイラストを使った紙芝居のような動画を投稿する文化ができつつあるんですが、その中で「クレヨンしんちゃんの野原しんのすけが傷つく」という動画が多量に生産されているんです。
百聞は一見にしかずなので、実際に例を挙げてみます。
— shinchan_tiktok (@ShinchanTiktok) November 30, 2018
しんのすけ「オラ、幼稚園で絵かいたんだゾ 見て…」
みさえ「そんなのいいから早く手を洗ってきなさい!」
しんのすけ(オラ、一生懸命描いたのに……)
しんのすけ「みんなのおバカ~!!」
みさえ「しんちゃん! ってこれ、さっきの……」
落ちていたのはしんのすけが描いた「一家団欒の絵」だった……
っていう、話。
このエピソードが、なぜか多数のティックトッカーによって(ほとんど同じ話で)描かれ、変奏されているんですよ。なんで?
— shinchan_tiktok (@ShinchanTiktok) November 30, 2018
— shinchan_tiktok (@ShinchanTiktok) November 30, 2018
— shinchan_tiktok (@ShinchanTiktok) November 30, 2018
— shinchan_tiktok (@ShinchanTiktok) November 30, 2018
このへんの動画、全部あらすじが同じです。
ただ、作者ごとに微妙に細部が異なっていて、描かれた絵のメッセージが違ったり、「手は洗ったの?」が「うがいはしたの?」になっていたりするんですよね。源氏物語の写本の細部が変わってくるみたいなことが起きてますね。
さて、しんのすけ動画を見ていると、
「しんのすけが絵を持ってくる」→「みさえが『手は洗ったの?』と言う」→「ひろしがひまわりを構う」→「しんのすけが拗ねて駆け出す」→「しんのすけが描いたのは家族の絵だった……」
という主旋律が、拡散の過程で徐々にブレてきているのに気づきます。
— shinchan_tiktok (@ShinchanTiktok) November 30, 2018
たとえばこちらは、しんのすけがいじけるところまでは同じなのですが、その後にひまわりが車道に出てきてトラックに轢かれそうになるという展開になってます。より刺激的な要素を含むDNAが発現した。
このDNAはなかなかに生命力が強く、しんのすけが心だけでなく肉体的に傷つく展開が増えています。
— shinchan_tiktok (@ShinchanTiktok) November 30, 2018
これでは、しんのすけが目を覚ましたら引くほどの重症になってます。
— shinchan_tiktok (@ShinchanTiktok) November 30, 2018
トラックに撥ねられるしんのすけ。
「ごめんね…かあちゃん……」
— shinchan_tiktok (@ShinchanTiktok) November 30, 2018
そしてこちらは46秒の大作。
いきなり絶命しているしんちゃん。そして、しんのすけが持っていたのは「かあちゃん」のネームプレートが乗った誕生日ケーキ。
しかし運悪くダンプカーが……
「オラ、悪い子でごめんね、かあちゃん……」
もはやしんのすけが傷ついている点以外は完全なる別物ですが、このような「しんのすけ傷つきプチブーム」が存在するのです。
— shinchan_tiktok (@ShinchanTiktok) November 30, 2018
天使になって残された家族に語りかけるしんちゃん。
その他、
・ななこおねいさんが結婚するので失恋するしんのすけ
・一週間徹夜で作ったマフラーがバザーで売れずに落胆するみさえ(原作にもあるネタ)
・シロが行方不明になる
など、悲しさ×クレヨンしんちゃんの勝手なコラボが繰り広げられているティックトック。
なんなんでしょうね。