映画鑑賞が趣味なので、6月後半に「良い」と思った映画をご紹介させていただきます

 

 

 

 

 

■ハウス・ジャック・ビルト(2018・スウェーデン、デンマーク、ドイツ、フランス)

 

【あらすじ】

青年技師のジャックは、完全に頭のおかしいサイコパスであった。ある日、初対面なのにめちゃくちゃ失礼な事を無限に言ってくる死ぬほど腹の立つ女をスカッとぶち殺したことがきっかけで芸術作品を作るかのように殺人に没頭していく。果たして5つのエピソードを筆頭にした12年にも及ぶ連続殺人の果てに完成したマスターピースとは…?な話

 

ラース・フォン・トリアー…変人かいっ!!と言わざるを得ないリアルでえげつない殺人&死体描写は、そんじょそこらの映画とは一線を画すやべ〜やつでしたね。容赦なし、道徳観なし、倫理観なし!鈍器で殴る!車で引き摺り回して顔面削る!子どもだろうと関係なくスナイパーライフルでぶち殺したあと××で××して保存する!狂気!かと思いきや強迫性障害に悩まされてて殺した部屋に証拠が残ってるかも…と何回も引き返してしまう笑えるシーンもあったりして、実に痛快でした

 

さらに殺人の合間合間に延々と差し込まれる、芸術と殺人を結びつけるわけの分からん講釈も相まってジャックという人間性がかなり深掘りされる構成でしたが、私のようななけなしの知能を持ちし者にとってはそっち方面の理解はなかなか難しいな〜と思いました。特に終盤はもはやストーリーはどうでも良くとにかく地獄アートに極振りMAXの超展開が続いて大変でしたね。人をかなり選ぶやつですが、このご時世によくここまでやりたい放題できたよな…という気概は感じられました。

 

 

 

 

 

 

■スキン~あなたに触らせて~(2017・スペイン)

 

【あらすじ】

口と肛門が逆転している少女、目が完全に無く代わりに赤いダイヤを貼った娼婦、顔が半分垂れ下がった女性に全身の皮膚がただれた男、軟骨無形成症で四肢が短いのを活かして着ぐるみの中身として働かされる女、足を切り落としたい衝動に駆られている男。そんな見た目が強烈な人の周りで色々なことを企むワケあり健常者達。みんな自分らしい人生を生きたいの…な話

 

登場人物はかなり強烈で、開幕即で全裸のババアが何も隠さずに登場するほどにビジュアルショックなんですが(しかも裸である意味は全く分からない)、とにかく文章にするのが難しいくらいに凄かった…。完璧に計算された構図とピンク&紫のパステルカラーで統一された「映える画」の中で、見た目に問題があるせいで虐げられてる人々がふとしたことをきっかけにそれぞれが自分らしく生きていこうとする姿がものすごく印象的

 

人は見た目じゃないのよ中身なのよ、今の私は私じゃない、こんな私だってやりたいことがあるの!と提示するテーマとメッセージはありきたりですが、ムチャクチャなビジュアルと演出で過剰に殴りかかってくるので見終わった後はボコボコにされたような錯覚に陥りました。で、見た目に問題のある人々は当初は衝撃的ながらも見ていくごとに愛着がわいてくるんですが、むしろ健常者の方がお下劣で見てられなかったのが何か逆転してるような感じでまた面白かったです。ババアの裸、超デブの女の裸、おっさんの自慰とノーモザイクのチンチン、うんちなど惜しげも無く登場するので電車の中では見ないようにしてください

 

 

 

 

■イソップの思うツボ(2019・日本)

 

「カメラを止めるな!」上田慎一郎監督の最新作、試写会にて見ました

 

カメ止めで話題映画のテッペンを取ってしまったこともあって次回作へのハードルがどう考えてもむちゃくちゃに高まってしまうのは仕方ないことですが、そんな逆境を頑張って跳ね返す構成はなかなかお見事だったかと思います。私はいつも評価は甘いですが…。登場人物を騙し観客の我々をも騙し、二転三転、いや四転五転くらいする立場の逆転や時間軸の組み替えに映像上での叙述トリック、張り巡らせた伏線の回収など、カメ止めとはまた違ったベクトルで繋がっていく気持ち良さがありました。「鍵泥棒のメソッド」や「アフタースクール」のようなエンタメ感が好きなら楽しめそうですね

 

ところどころ演技が大げさだったり、演出面でのチープさが少なからずあったのは正直なところだけど、兎草早織を演じた井桁弘恵さんが中条あやみさんと見紛うほどにめちゃ可愛くて、そこでトータル「OK!!」と清々しい気持ちになりました。これからも頑張ってほしいものですね…

 

 

 

 

 

 

■ハッピー・デス・デイ(2017・アメリカ)

 

【あらすじ】

ヤリマンの女子大生ツリーは性格も最悪であらゆる人から恨みを買っていた。その日はちょうどツリーの誕生日だったが、夜に赤ちゃんマスクをかぶった何者かにナイフで刺されて殺されてしまう…!しかし気がつくとまた誕生日の朝に戻り、何度も殺されるハメに。なぜや〜!?この無限ループから抜け出すためには、犯人を見つけなくてはならない…!な話

 

ずーっと公開を楽しみに待ち続けてたタイムループ殺人回避コメディスリラー。待ち続けた甲斐、あった!!!!面白すぎる!!!サイコー!!1週目の時点であらゆるヒントを散りばめて観客の興味を持続させ、登場人物も簡潔に完璧に説明するテンポの良さ、そして無限ループに気づいたところでもうすでにワクワクは最高潮。そこからノンストップでジェットコースターのように全速力でおもしろが駆け抜けて行った…いつまでも見たくなる最高の仕上がり…!

 

無限ループに陥るツリーはかなり可愛いんだけど、ヤリマンでめちゃくちゃ性格が悪いっていうのもポイントでしたね。そのせいで容疑者がほぼ全員となってしまい犯人の候補が霧の中のように散ってしまって最後まで全くダレることが無いってのも素晴らしい!あと「恋はデジャ・ヴ」みたいにループしていく中で自分を見つめ直して変わっていくという分かりやすい展開も清々しい気持ちになって応援したくなる!すぐに続編も上映されるので、そっちも楽しみだな〜

 

 

 

 

 

 

■スパイダーマン ファー・フロム・ホーム(2019・アメリカ)

 

【あらすじ】

ピーター・パーカーとその学校の仲間たちでヨーロッパを回る旅行に出かけた。しかし旅先で謎の生命体エレメンタルズが暴れまわる!スーツを忘れたピーターがあたふたしていると何処からともなく謎のヒーローが現れて撃退した。そしてニック・フューリーに緊急事態としてピーターにも召集がかかったが、旅行を続けたすぎるのでその誘いを断ってしまう…な話

 

エンドゲーム終わりの世界線。ありがとう…最高に面白かった…。ヨーロッパ周遊旅行で様々な国に訪れる序盤は旅サラダやにじいろジーンを見ているかのような明るさと楽しい空気作りがまず素晴らしい…!エンドゲームが超シリアスだったからまあこれくらいのノリかな?旅行記だけで十分元取れたからOK!って思ってたら中盤・終盤の大迫力のバトルに加えて、ピーターのヒーローとしての責任の再確認と、未熟な高校生としての自信のなさからもがき苦しむ姿が今作も余すところなく描かれていき、面白さが無限に高まって行きました…

 

中盤以降の展開の溢れるアイデア、本当に感動しちゃいましたよね…。スパイダーマンシリーズは全部見てて、糸で戦う姿はもうアメイジング2辺りで飽きた!ってなったはずなのに、新たな敵、凄まじいカメラワーク、見えるものが何も信じられなくなるギミック、緩急極まった格闘に爆破など、天才たちのクリエイティビティが遺憾なく発揮されてむちゃくちゃ満足でした!!!!

 

 

 

 

 

■来月も書きます(多分)

月2回お届け予定で、7月前半にも書きます(書かないかもしれません)

 

※Filmarksで書いたレビューに微調整を加えて書いています。更新頻度はこちらのほうが多いし早いので、合わせてフォローしてみてください

 

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