こんにちは。恐山と申します。

 

 

突然ですが、みなさんはクリームシチューをご飯にかけますか?

 

私は子どもの頃から「クリームシチューはご飯にかけるもの」だと教えられて育ったので、それが当たり前だと思っていました。

 

しかし、職場でシチューご飯について訊ねてみたところ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悪い夢か!?

 

ちょっと信じられません。あんなに味の濃いソースならライスも進むに決まってます。「ご飯に牛乳が合うわけない」っていうけど、じゃあドリアとかリゾットはどうなの?

 

 

 

ということで、到着しました。一緒にいるのは同僚の加藤です。

 

 

まっすぐすぎる道

 

 

そのへんにキツネ

 

 

いるかもしれない熊

 

 

 

 

 

 

ソフトクリーム

 

 

 

 

そうです。お察しの通り、ここは北海道。酪農の本場、中標津(なかしべつ)にやってきました。

 

 

 

 

どこに行っても牛が歩き回っていて、名物の乳製品はどれも絶品。牛乳が身近なここの人なら、きっとクリームシチューごはんの良さも理解しているはず……。

 

 

中標津の人々に聞き込みをして、シチューごはん派が正しいことを証明してやります!

 

なんか、それが目的みたいになってるけど、ぜんぜん違うからね?

 

 

 

実のところ、我々はクリームシチュー問題のために東京から飛行機に乗って来たわけではありません。

 

 

今回は株式会社クボタさんから「クボタ最大のトラクター『M7(エムセブン)』についての記事広告を書いてほしい」という依頼を受け、動いているM7を取材できる中標津へやってきたのです。

 

地味な「ろ過装置」もオモチャのCMみたいに紹介したら欲しくなるのか?

ちなみに、前回はクボタ製の「ろ過装置」を取材した実績があります。

 

 

「なんか商材が地味だから」という理由で勝手にゴキゲンなCM動画を制作したところ、これが思いのほか好評だったらしく、今度はトラクターの広告案件を頂きました。農業から水関連までなんでもやってるんですね……。ありがたい一方で「正気か?」とちょっと思いました。

 

 

 

それで、M7の実物はどこにあるんですかね?

 

 

あ、あれじゃない?

 

 

 

ゴゴゴ…

 

 

 

ゴゴゴゴ……

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!

 

 

 

ごっつ!!

 

 

かっこよくてでっけ!!

 

 

 

これがクボタのトラクター、M7。想像以上にでかい!

 

重量は約7トン
全長は4メートル76センチ。高さは約3メートル

 

小さいフィギュアになってラジコンカーを見上げてるみたいな気分……。

 

 

 

 

今日は北海道クボタのメンバーがサポートしますので、わからないことがあったらなんでも聞いてください!

 

 

よろしくお願いします。じゃあ、さっそく質問していいでしょうか?

 

 

なんでしょう!

 

 

クリームシチューってご飯にかけます?

 

かけないですね。

 

 

くっ…。

 

 

トラクターのことを聞けよ。

 

トラクターって何?

 

めちゃめちゃ初歩なんですが、そもそもトラクターが何をする車なのかよく知らないです。

 

 

 

畑を耕すための車じゃないんですか?

 

 

え? 刈り入れをする車じゃない?

 

 

 

 

ある意味、どちらも正解です。言うなればトラクターは何でもできて何もできない車なんですよ。

 

 

禅問答…?

 

 

トラクターができることは大きくわけて2つ。「強い力で引っ張ること」そして「動力を供給すること」です。

 

 

 

 

よく誤解されるのですが、トラクターの前や後ろについている「インプルメント」という着脱可能な機械で、用途別にたくさんの種類があるんです。インプルメントを引っ張り、エネルギーを供給するのがトラクター。だからこそ、農作業のほとんどをトラクターですることが可能なんです。

 

 

そうなんですね! 農業に携わる人には常識なんでしょうけど、ぜんぜん知らなかった……。

 

 

トラクターがゲーム機でインプルメントがゲームソフト、みたいな感じだ。

 

 

人VSトラクター パワーくらべ!

 

続いて、実際にM7が仕事をしている様子を見せてもらうことに。

 

 

 

うおお、よくこんなでっかい金属のカタマリを回せるな!

 

この荒々しい、エビの超生命体みたいなインプルメントは何に使うんですか…?

 

 

このインプルメントは「プラウ」といって、地面にあてがって土を掘り返し、上下を入れ替えるものです。

 

 

土を掘るのにこんなでっかい装置、いります?

 

 

大げさすぎ。

 

 

ではこの辺りの掘り返し作業、「手作業」でやってみますか?

 

 

えっ。

 

 

 

30cmほどスコップを突き刺してひっくり返し、土の上下を入れ替えてください。

 

 

よ……っ!

 

 

 

重い重い! 想像よりずっと重いですこれ! 雑草が絡まってめちゃくちゃ重く感じる!

 

 

なんとか掘り返しに成功。でもぜんぜん30cmの深さに掘れてない。

 

 

 

一気にドッと疲れた……。

 

 

その調子! これが「天地返し」です。

 

 

 

 

あと2000回くらい繰り返せば端までいけますよ!

 

 

無理とわかって言ってますね?

 

 

あからさまな噛ませ犬にされたので、M7が率いるプラウで天地返しをやってもらうことにしました。

 

 

 

 

 

 

地面の色が一瞬で変わっていく……!

 

 

この距離を往復して掘り返すまでわずか2分ほど。人間には絶対に無理な仕事です。機械の力、おそろしすぎる……!

 

 

「デカいは正義」ということがわかりました……。

 

 

 

 

いえ、世界にはこれよりもっと大きいトラクターもありますよ。でも、大きすぎると今度は自重で土を固めすぎてしまうので、用途に合わせたバランスが大事です。

 

 

さっそく、掘り返した土の深さを計ってみると……

 

ほとんどぴったり30cm!

 

 

そもそもこの掘り返し作業ってなんのためにやるんですか?

 

 

 

表層と深層を入れ替えると土がリフレッシュするんです。病原菌を外気に晒して殺せたり、水はけがよくなったり。

 

 

トラクターを使った天地返しは荒っぽく見えたかもしれませんが、掘る深さも土質に合わせてかなり微調整できます。

 

 

なるほどー、ちなみにお2人はクリームシチューをごはんにかけます?

 

 

「かけないなぁ」

「かけないですね」

 

 

くっ…。

 

最新トラクターはかなりハイテク!

 

特別に、M7の中に乗せてもらいました。

 

 

 

普通の車に比べると格段に視界が広い! 走る場所を細かく調整するため、タイヤまで目視できるようになっているそうです。

 

 

うわー! 周りもよく見えるしテンション上がりますねこれ! 巨大ロボのコックピットみたいでカッコいい。

 

 

全面ガラス張りで前方タイヤがどこにあるのか見えるから作業が正確にできますし、機能的にも考えてあるんですよ。GPSを使って走行を支援する機能もあります。

 

 

 

このモニターはなんですか? YouTubeを観れる?

 

 

観られませんが、エンジン回転数やミッション感度などの細かい設定を変えたり、インプルメントを操作したりできます。以前はインプルメントごとにコントローラを付け替える手間があったんですが、どんどん共通のインターフェースで操作できるようになってきてるんですよ。

 

 

農業する予定まったくないのに欲しくなってくるな……。

 

 

全ては土からできている

 

最後に、北海道で30年以上もクボタの農業機械を販売してきた大ベテラン、道廣さんにお話を伺いました。

 

 

 

有名な北海道のキャッチコピー、知ってます?

 

 

「試される大地」…ですか?

 

 

あのキャッチコピーなんなんだろうね。

 

※「北海道イメージアップ・キャンペーン」という北海道庁が展開しているキャンペーンで2015年まで使用されていたキャッチフレーズ

 

 

そう。北海道は農業機械に関しても「試される大地」なんですよ。最新の農業機械は、日本だとまず北海道で出回り始めます。それから少し遅れて南へ行く。だから、最先端の農業事情は北海道を見ていればわかる。

 

 

文字通り、北海道で試されているんですね。どうして北海道なんですか?

 

 

土地が広大かつ、農業が盛んだからですね。北海道だけで、全国の約1/4の耕地面積があります。

 

 

北海道の牧場はとにかく巨大。地平線まで続いていて、牛がのびのびと暮らしている。

 

 

 

また、生産物のバラエティが豊かで大規模な農場が多いんです。同じような環境のアメリカやヨーロッパと緯度が近いから、設備も取り入れやすいんです。

 

 

日本と海外の中継地点みたいにもなってるんですね。

 

 

現在は農家の減少が問題になってますよね。それぞれの農家さんが管理できる範囲を広くできないと、農家が減るほどに生産量も減少してしまう。トラクターをはじめとする農業機械のハイテク化・効率化しているのは、そういう必要に迫られた結果でもあります。

 

 

なるほどな~、そりゃ大きい機械も必要になりますよね。僕も野菜が食えなくなったら嫌だし……。

 

 

でも結局、農業って都会で暮らしている人間には関係ないんじゃないの~?

 

 

「学び」を引き出すためのあからさまなネタ振りをすな。

 

 

 

たしかに、私たちの暮らしは今すごく便利で豊かになってて、農業に関心がなくても生きていける人が大勢いますよね。でも、何かを食べて生きるという根本のところは変わってないし、これからも変わらないでしょう。

 

 

 

あと、大切なこととしては、私たちの体はみんな「土」でできてるんですよ。

 

 

急にやばい科学者みたいなことを言い出した?

 

 

いえいえ、ちゃんと関係があります。私たちが毎日食べている野菜は土から生えてきますよね。お肉もミルクも、それを作る家畜は牧草を食べて育つ。その牧草は土から生えます。つまり農業とは、土を良い状態にすることがとても重要なんです。農業の基本は土を耕すことですから、農業を知るには土の大切さを知ることが重要なんですよ。

 

 

 

「学び」だ……!

 

 

言われてみるとそうですね。そしてその土は、もしかしたらクボタのM7が耕した土かもしれない……。

 

 

つまり、僕のお母さんはクボタのM7ってこと?

 

 

それは違うんじゃない?

 

 

 

 

あの、最後に一つだけ伺ってもよろしいですか?

 

 

はい。

 

 

クリームシチューをごはんにかけますか?

 

いや~かけないよぉ~!

 

 

……そうですか。

 

CM動画完成!

 

 

普段の生活ではあまり関係ないと思っていたトラクターですが、見方を変えてみれば誰しも関係があるのかもしれません。

今回は、そんな想いを込めたクリームシチューのCM動画を制作いたしました。ごらんください!

 

 

この記事を「#顔テレカ」のハッシュタグ付きでツイートしてくれた人の中から抽選で3名様に、動画のお母さんの顔がどでかく印刷されたオリジナルテレカをプレゼントします。

応募期限は2018年11月6日まで! 当選者にはヌートンのTwitterからDMをお送りしてご連絡いたします。どしどし応募してね!

 

 

↑「#顔テレカ」をつけてTweetする

 

 

 

 

クボタのトラクターが世界中の農業の現場でどう活躍しているのかを知りたい方はこちらをご覧ください!

 

▶クボタのキャンペーンサイトを見る

 

 

 

 

 

 

結果、クリームシチューをご飯にかける派、0人だったね。

 

そんなバカな……! 私の仮説ではこんな結末ありえない……。

 

劣勢になったデータタイプの秀才みたいなこと言ってないで、せっかく北海道来たし近くにある摩周湖でも見に行く? 大自然がすげーキレイらしいよ。

 

行く……。

 

 

 

 

 

濃霧で「完全なる白」に包まれ、何も見えませんでした。

 

北海道の自然はすごい。さようなら。

 

 

 

テキスト・撮影:バーグハンバーグバーグ
動画ナレーション:野島雅子

動画サウンドロゴ作曲:フクシマユウスケ