こんにちは、中川ホメオパシーです。
かねてよりツイッターなどで再三お伝えしている通り、およそ4年半にわたってオモコロにて
好き勝手に描かせて頂いた僕達の連載漫画『バトル少年カズヤ』が、このたび
単行本化を迎える運びと相成りました。
ですが、9月28日の発売に先立ちまして、ここで皆様にお伝えしておかねばならない
ことがあります。
チアラットはともかく、カズヤの書籍化は作者自身が100%諦めてましたからね。でも出ます。あのシーンもこのシーンも、全て無修正で出るそうです!みんなでリイド社にダブル敬礼を送信しよう!!https://t.co/FxUvohdZls pic.twitter.com/PGTHGPzqdt
— 中川ホメオパシー (@nakagawa_ho) 2016年7月9日
これはまだ夏の暑い盛り、7月上旬ごろの我々のツイートです。
アホみたいに浮かている様子がありありと伝わってきますね。
ですが、これは幸せな結末ではなく、終わりの始まりでした。
『すべて無修正で出ま〜す』などとロマンティック浮かれモードで調子こきまくって
いたら、出版元であるリイド社さんの偉い人達から、そのフリーダムすぎる内容に
『ちょっと待った』がかかってしまい、その結果、
常軌を逸した修正の嵐が吹き荒れることとなったのです。
では具体的にどのような修正がなされたのか、その一部をここにご紹介いたします。
公園の便所などでよく見かける、女性器を模した例のマーク。このマークが…
ひとつ残らず灯台の地図記号に変更となりました。
首吊り死体の顔に描かれた女性器マークまでキッチリ修正してある念の入りようです。
女性器を意味する単語に至っては、まるで言論統制下の検閲みたいなノリで
上から黒く塗り潰されておりますが、がんばれば読めないこともありません。
他にも出版コードに抵触する単語や表現は、ことごとくこの検閲スタイルで塗り潰されて
おり、さながら戦時中の教科書といった様相を呈しております。
固有名詞もやはりNG。夢だけど夢じゃなかったかと思いきや、
やっぱ夢だったって感じです。
第20話に登場するわんぱく超人スズキ・フクくんの名称も、ちょっと
マル・マル・モリ・モリしすぎているためアウト。
仕方ないので、このキャラクターのモデルとなった親戚の叔父さん(故人)
の名前を、そのまま冠することにしました。
ユキオ叔父さんも、きっと天国かどっかで喜んでいることでしょう。
このような修正が、単行本一冊の中に大小あわせて約100ヶ所以上ありました。
平たく言えば地獄でしたね。
そしてこの修正作業を通じて、如何にオモコロが自由な表現の場であったか、
そして好きなことを好きなだけ描き散らかした漫画を商業ラインに乗せることが
如何に困難であるかということもイヤというほど思い知らされました。
ただ、これだけはハッキリと断言しておきます。
おびただしい数の修正がなされたからといって
『バトル少年カズヤ』の熱量、そしてギャグの強度は
1ミクロンも損なわれておりません。
むしろ修正されたことで、よりいっそう禁書感といいますか、読んじゃいけない
ものを読んでいる感じが増幅されたような気がします。
さらには現在も公開中のオモコロ版カズヤと単行本版カズヤを見比べ、その違いを
探して楽しむといった一種の間違い探しゲーム的な要素も追加され、
結果的に遊びの幅が一段と広がりました。
つきましては、単行本版カズヤをお買い求め頂き、オモコロ版との相違点を見つけられた
際には、ぜひ『#カズヤ間違い探し』というハッシュタグを添えて
ツイッターに投稿してください。
我々が責任をもって、かたっぱしからTogetterにまとめていきます。
最後に、こんなクソ漫画を4年半にわたってのびのびと描かせてくださったオモコロ編集部の
皆様、辞表をスーツの胸ポケットに忍ばせながらカズヤ単行本化に尽力してくださった
リイド社の担当編集・K本様、そして、これまでカズヤを応援してくださったすべての皆様に、
この場を借りて心より厚く感謝申し上げます。
『バトル少年カズヤ』、本当にとんでもない一冊に仕上がりました。
オモコロにて公開された全エピソードに加え、新たに追加された大量のお楽しみ要素、
そして紙の本ならではのギミックをふんだんに盛り込んだ狂気の452ページ。
是非ふるってお買い求めください!
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あ、それからカズヤと同日発売の『干支天使チアラット』第1巻も、
あわせてよろしくお願い致します!
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