はじめに

あなたは、この大人数の成人男性が取り囲んで熱中している「ライディングソーサ」という電動ホビーをご存じでしょうか?

ライディングソーサとは、ロボット作品『ダンボール戦機』に登場する小型ロボット「LBX」を乗せて走行、対戦させることができるバンダイが発売した電動ホビーを指します。
付属のマーカーを配置し、ラジコンとして走行させて遊べたりもするのですが、やはりライディングソーサの真骨頂は「対戦」にこそあるといっていいでしょう。
そして、その肝心の対戦ルールなのですが……

ライディングソーサ説明書より引用
……読み間違いか?

※上に乗ってるのはプラモデルです
公式基本ルール〈勝利条件〉
・相手を倒す
・相手をステージから落とす
・相手のLBXを落下させる
壊れる危険性があることしか書いてない
読み間違いじゃないですよ
これプラモデルを乗せて遊ぶゲームだよね?
そう、「ライディングソーサ」の対戦は……

※本記事撮影中の一幕
ルールが破壊前提!!
プラモデルを乗せて走行させるのに、勝利条件が「転倒」「落下」の破壊上等な前代未聞のとんでもないゲーム。
実際、私も私の友達もこのホビーの対戦で何体ものLBXを壊し、部品落下により劣化させてきました。

現に見てください、この箱のイメージ画像を。
隠す気もなく壊しにいってる。大胆にデクーが吹っ飛んでいく様子が画像からありありと伝わります。
いやでも、これは公式の誇張表現なだけかもしれない
でもこれ……

「20120721バトルベース大会」より画像引用
そんなことなかった。
個人でも全然破壊前提のバトルが繰り広げられていた。
「武器が壊れるほど激しい戦いでした」って文言、プラモデルのホビーで出るわけなさすぎてすごいな
しかしです!!

成人男性が公園の端で白熱した試合を観戦する様子
このライディングソーサというホビーは「異質」なだけでは終わりません。
大切なプラモデルが破壊されるリスクがあっても、その上で熱中してしまう大きな大きな魅力が詰め込まれているのです。
ということで、本記事では……

公式大会で2回優勝するほどこのホビーに魅入られたオモコロライターが、そんな「異質」で「激アツ」なライディングソーサの魅力を紹介しちゃおうと思います。
詳細と魅力
改めてですが……

LBX…「Little Battler eXperience」と呼ばれる小型戦闘ロボット
ライディングソーサとは、『ダンボール戦機』に登場するLBXを乗せて走行させる電動ホビーです。
操作は「前進」と「左旋回」のみ。
流石に少なすぎるので、次に出たライディングソーサIIでは「前進」「後進」「右旋回」「左旋回」と4つの操作が解禁されました。
原作だとLBXを上に乗せて空を飛ぶ偵察ユニットだったから「どうおもちゃになるんだろう⁉」と気になってたけど、まさかぶつけ合って倒し合う電動ホビーが発売されるとは思わないよな
あの衝撃と困惑は忘れられない
そもそも『ダンボール戦機』とは?
レベルファイブが手掛けるゲームを原作とし、アニメやプラモデル等で展開されたメディアミックス作品。
2050年の近未来を舞台にあらゆる衝撃を吸収する「強化ダンボール」を戦場として、ホビー用小型ロボット「LBX」を操り戦う少年たちの物語。

ライディングソーサ説明書より引用
「70cm×70cmのステージ上でたたかう」とか「バトル時間は1分間」とか、公式ルールだと細々した制約もありますが、基本の対戦ルールは上の画像の通り。
プラモデルを破壊されるリスクましましなギャンブル性が高いルールです。
うちの地元だと、対戦に愛機を使ったら「お前正気か……?」と一回正気を疑われるターンが発生してた
狂ったコミュニティを育むホビーだ
そしてこのホビーの最大の魅力は……

自分だけの組み合わせを模索!!
好きなLBXに好きな武器を持たせ、実際に自分が操作して自由に戦えること!
アニメやゲームのように、自分が大好きなLBXに好きな武器を持たせて思うがままに操作できる。
自分だけの『好き』で自分だけの『最強』を模索し、いくらでも実践できるのです。
こんなの全国の子供やロボット好きが好きにならないわけがありません。

破壊のリスクが伴う危険なルールでも、このロマンを前にしたらもうやるしかありません。
バンダイは本当に商売が上手い!!
そしてこのライディングソーサの魅力は劇薬で……


小学生の頃にこの「現実でロボットを自在に動かす」という体験に魅入られ、より高次にこの体験を味わうために『自宅のトイレをコックピットに改造し、自作のロボットを遠隔操縦する』システムを頑張って作ってしまうほど。
このホビーが人の趣向を変な方向に曲げることは私の人生で証明済みです。
戦法の変遷
ここからは、当時地元で流行していた戦法とその変遷を簡単にご紹介しちゃいましょう。
そこで……!!

どジャアァぁぁぁ~~ン
公式の「ライディングソーサ専用バトルベース」を再購入しちゃいました。
これで床や地面でのを避けられるだけでなく、公式準拠の広さで練習ができます。
当時買ってたんだけど、何故だかあまり使わなかったんだよな
なんでだろ

さっそく組みました。70cm×70cmだから広い大きい。
やっぱりスポーツにしろホビーにしろ、公式のフィールドで遊ぶときの高揚感ってたまらないですよね。ワクワクするぜ。
じゃあさっそくって……ゑ?

ンギュンギュンギュンギュンギギギギギュウウウウドドドドドドッドドオオドドドオドドンゴゴゴゴゴッゴゴゴゴゴオゴオゴゴオゴゴオゴゴ

……?

ンギュンギュンギュンギュンギギギギギュウウウウドドドドドドッドドオオドドドオドドンゴゴゴゴゴッゴゴゴゴゴオゴオゴゴオゴゴオゴゴ

フィールドの凹凸に挟まって動かないんだけど。
そう……

市販のバトルベースは表面の素材が厚紙でできています。
そのため、土台の折り目の凹凸により高低差が発生して動かなくなる現象が頻発してしまうのです。
当時、これを親に買ってもらって組み立てたら使い物にならなくて、泣きながらコタツの上をフィールドにして遊び直した記憶を今思い出しました
トピック①
ライディングソーサのフィールドは、ダイソーの9枚入りジョイントマットがオススメです。
90cm×90cmで公式準拠の広さとは異なりますが、落下させたり倒しても壊れにくくなる上に、場所も取らず手軽に設置できます。これさえあれば、かさばらずに外でもなんなく遊べます。
レベル1:回転

まず第一次の流行戦法は「回転」です。
ご覧のようにライディングソーサは旋回のスピードが「これコントロールさせる気ないよな?」と疑ってしまうほどに速く、
「ずっと回ってれば倒せるじゃん!」と戦法として回り続けることを選ぶプレイヤーは多くいました。

実際、このように突進を受け流したりと、戦法としてもそれなりの有用性はあったんです。
しかし、当時のプレイヤー層の大半は小中学生。その年頃ともなると極端。同じ戦法しか擦らなくなります。
そして最終的には全員が回り続け、決着がつかなくなったため、次第にこの戦法は廃れていきました。
俺はこれを更に改良し、市販のチェーンを持たせて回転していました
すごい強そう
いや、ありえいくらい弱かった
トピック②
これを回避するためか、公式ルールに「制限時間で決着がつかない場合は、審判の判定により勝者を決める。積極的に攻撃をしていた方を勝者とする」と記載があります。
バンダイは全てを見通していたのかな
レベル2:前傾姿勢突進

第二次の流行戦法もこれまた極端ですが、「前傾姿勢の突進」です。
これはLBXとその武器を極限まで前傾姿勢に配置し、「対戦開始と同時に正面に突っ込むことにより、正面での打ち合いで100%の白星をあげる」という諸刃の剣にして、一撃必殺の戦法です。
当時、地元で俺が一番最初にこの戦法を考案し、多くの友人のLBXを(物理的に)葬り去ってやりましたよ
そこまでしなくてもよくない?
壊すか壊されるかのゲームなんだよこれは

しかし、この戦法は栄華が去るのも一瞬でした。
この姿勢は旋回のスピードが非常に遅く、相手のライディングソーサに引っ掛かっただけで倒れてしまったりと、長期決戦には致命的に向いていません。
そのため、最初の一撃で倒し切らないと90%負ける上に、大戦前に姿勢だけで何をしたいかがバレバレなのでほぼ避けられてしまうのです。
トピック③
当時のライディングソーサを取り上げているブログを読み漁ったのですが、やはり「前傾姿勢で突っ込む戦法」は公式大会でもそれなりに使われていたようです。
爽快感ある上に強いもんな。
レベル3:普通に戦う

そして、最終的には「普通に戦うのが臨機応変に対応できて一番強い」という結論にまとまりました。
結局、たくさん練習して操作精度を上げるのが一番安定するし強いのです。
ライディングソーサって人生の縮図かもな
そしてここからは……

お待たせいたしましたわ!

お前、23歳がその装備で1時間電車揺られて公園来ちゃダメだろ
みんなとライディングソーサしたくて
ならしょうがないか
ライディングソーサでワイワイ遊ぶだけ!

うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!

(腕が落ちる音)

やっぱり驚くほどに楽しい!!
やはり大勢で集まってライディングソーサをするより楽しい事はありません。
10人の成人男性がここまで熱狂できるってすごいことですよ。
なるほどな……
ん?

ライディングソーサって「ハイテクトントン相撲」みたいな感じなのか
マジでやめてくれ
ライディングソーサ 最高の瞬間 #38 pic.twitter.com/VZ6s7tzOCw
— インターネット性善説ドラゴン (@SeizensetDragon) March 9, 2026
その後もみんなで武器を持ち変えたり、壊したりしながら楽しみました。
白熱し過ぎだろ。
終わりに

『ダンボール戦機』が誇る異質なぶっ壊れホビー、ライディングソーサ。
「プラモデルが破壊されるかもしれねぇ」というドキドキと「好きなLBXで自由に戦える」というワクワクを両方味わうことができる唯一無二の電動ホビーだと思っています。

ライディングソーサ LBXペルセウスカラー 税込み1188円
今、旧型なら1000円程度で購入できますし、実際かなりオススメです。
是非あなたもカッコいいLBXを作り、大事な機体が「壊すか壊されるか」のあの得も言われぬあの快感を味わいましょう。
やったことがない方こそ、異質でシュールで楽しいと思います。
やろうぜ👊😁
ライディングソーサ!!

インターネット性善説ドラゴン













