手ぶらで挑もう大自然!ファステストフィッシング編(リトル田中)
現地調達で自然に挑め! 第一回はフィッシング編です。
こんにちは、リトル田中です。
先日のオモコロ杯において、「ナウでヤングなファステストファッション講座!」という落ちている服を集めてファッションにするという記事で審査員賞なるものを頂き、このたび正式にオモコロに加入することになりました。よろしくお願いします。
「落ちている服で実際にコーディネートができるのか…?」に挑んだ受賞記事。気になる方には実際に読んでいただくとして、 僕が研究しているのは、「落ちているゴミを使って、人間は一体どこまでのことができるのか」ということです。これからオモコロでも、色々なことを落ちているゴミだけで達成していきたいです。目指せ! ゴミだけでエベレスト登頂!
そして今回お届けする落とし物コンテンツは…
「落ちているものだけで釣りができるのか?!」
です。
釣りといえば、やれルアーがどうだ、やれ竿がどうだ、やったらポケットの多いベストがいるんじゃない?など、用具の面で敷居の高さを感じるもの。しかし、そんな心配を今回はキャッチ&リリース! 釣りは手ぶらで行ってできるものだと、リトル田中が見事証明してご覧にいれましょう。
やってきたのは東京湾のすぐそばにある築地市場。やはり魚のことなら築地です。ここなら、釣りに関係ある道具がある可能性が高いと思われますし、知人からの情報ではスズキなどが釣れる穴場の釣りスポットがあるとのこと。早いところ釣りの準備を整えて、東京湾で夜釣りとしゃれこみたいですね! それでは早速いってみましょう!
築地市場に入ってすぐ、幸先良く釣り竿ゲット! 実際には「脇道に捨ててあったよく分からないボロボロの青い棒」なんですが、僕には立派なロッドに見えました。
お次は浮きとして使えそうな発砲スチロールの破片を入手! さすが築地とあって、発泡スチロールはごまんと捨ててありました。釣り糸や釣り針は見つかりませんでしたが、それはこの近くの釣り場に行けば見つかるはず…。知る人ぞ知る東京湾の穴場に移動です!
おい! 立ち入り禁止じゃねーかよ!
「この辺りで釣りができる」と、以前築地に努めていた知人からの確かな情報のはずだったのですが…。開発が進み、釣り場は失われてしまったようです。序盤にして、ファステストフィッシング最大の危機を迎えてしまいました。
仕方ないので、釣り場を求めてお台場方面へ移動することに。
途中、本屋で釣りの情報も仕入れておきます。“カサゴはワンテンポおいて、軽くアワセるのが効く”。なるほど~、そうなのか~。
ついでに隣にあったダイビング写真も読んでおきます。「石垣島のサンゴ礁はめちゃくちゃ綺麗らしい」とのこと。みなさん知っていましたか…?
お台場付近の公園に到着し、ゴミ箱にエサとして使えそうなものが捨てられてないかチェック。ゴミ箱を漁る時はしっかりと腰を入れて漁りましょう。
しかし、めぼしいものはなく、ジュースの汁でベタベタした袋があるだけでした。みんな残さず食べててエラいぞ!
※漁ったものはちゃんと元に戻しておきました。
海外沿いを歩くと、第1釣り人発見! 恐らく釣り場に行く途中だと思うので、この人たちの後を尾けてみることにします。
釣りスポットらしい岩場に到着。お台場でも釣りってできるんですね! が、僕の手元にあるのは、竿とウキのみ。
最低限、釣り針と釣り糸とエサが必要です。
岩場を探索して、必死で物資を探します。
…と、その時! 足下で蠢く黒点が!
「フナムシだ…!」
「防波堤のゴキブリ」と称しても良いこの生き物、ゾワゾワする外見と素早い動きでキライな人も多いでしょうが、実は釣りのエサとして使えるのです。チヌやクロダイなどはフナムシをよく食います。この音速で動くフナムシをゲットできれば、エサ問題は解決…!
フナムシ殿っ…! 介錯つかまつるッ…!
南無三! フナムシには少しかわいそうですが、釣りエサを入手することができました。
あとは、糸と針があれば釣りができるのですが、なかなか見つかりません。くそっ! マナーのすばらしい釣り場だこと! (いいことなんですけどね)
しょうがないので、岩場で拾ったビニール紐を竿に結んでいきます。これで何とかなるだろうか…。
そこに岩場でつぶしたフナムシを先にくくりつけて、一応釣り竿らしきものが完成! (食事中の方、申し訳ありません)。「風の谷のナウシカ」で、オトリに吊るされた子供のオームみたいになりました。怒りで赤く光ったフナムシ達が、大群で押し寄せてこないことを祈ります。
まだ釣り針がありませんが、「なんとかナルベ!」と渋谷発ギャルマインドを発揮し、ようやく釣りを開始!
長さが全く足りない。
小一時間ばかし待ってみるものの、当然のように音沙汰なし。やはりちゃんとした釣り針と釣り糸がないと釣りはできませんね…。邪道ですが、釣り人に針と糸をもらえるかお願いしてみるか…。もうゴミとか関係なくなってきたけど…とりあえず釣りしたいし…。
「あのすいません…。糸と針を分けてはいただけないでしょうか…?」
「お~う、兄ちゃんごめんな~。今日そんな持ってきてなくてあげる余裕ないんだわ~。っていうか兄ちゃん、竿持ってなくねぇか? なんで?」
「いや、えーっと……」
色々としどろもどろで説明したのもよくなかったのか、「よくわかんないけど頑張ってな」という温かい声援の他は何ももらえませんでした。
慌てるな、考えろ…。どうしたら魚が釣れるのかを冷静に考えろ…。
はっ…そういえば…!
あるじゃねぇか…! 釣り以上に、魚とコミュニケーションをとれる方法がよォ!
もうゴミ拾いなんておしめぇだ! これが本当のファステストフィッシングじゃーい!!
おーい! 魚やーい! どこー! いたら出てきてー! すぐ出てきてー!
いたっ! いたぞ! 魚いたぞーっ!
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とったどーーー!!!!!!!
ナン。
東京湾でナンがとれるなんて思ってもみませんでした。やっぱり手ぶらで釣りに行ってよかったです! 手ぶらで釣り最高! 大成功~!
※編集部注
リトル田中はあまりの魚の釣れなさに一時的なパニック症状を起こし、近くのスーパーで買ったナンを使ってこのようなしょうもないオチをつけるに至ったようです。海でナンは釣れませんのでご注意ください。罰として次回は手ぶらで盲腸手術をさせます。