※第1回目の記事から見る

 
ある日、大きな荷物が届いた。
 
「なんだろう?」
 
ダンボールに貼り付けられたラベルを見てみると、
そこには「お母さん」の名前が書かれていた。
 
 
・大量のみかん
・5kgほどのお米
・熊本のさつまいも
・ほうれんそう
・パイナップル
・コーヒー、砂糖など
・Mサイズの肌着、ボクサーブリーフ
 
ダンボールにギッシリと詰め込まれた食料品、
そして一生懸命選んでくれたであろうMサイズの下着。
 
20年間会っていない息子のために、
あれば助かるものを選んでくれたような“はじめての仕送り”だった。
 
「必要以上に送ってきて困る」や「野菜を送られても食べないし」など
母親からの仕送りに対して迷惑そうに話す友だちがいたけれど…。
 
はじめてだったからなのか、
これまで「お母さん」からの愛に飢えていた僕にとって
この仕送りは涙が出るほどに嬉しかった。
 
前回の手紙や写真だけじゃない。
 
少しずつ心の距離が縮まっていくような感覚。
 
もう手紙のやりとりだけじゃ
この溢れる気持ちを消化することはできなさそうだ。
 
 
この日、僕はとある決意をした。
 
 
 
 
第8回コメント紳士