大学に行くべきか悩んでます。
現在、某県内の進学校に通ってるのですが、大学に行った先輩たちのTwitter、Facebookなどを見ても、
何一つ得ることができなさそうですし、正直今現在の勉強をすることがつまらなすぎて大学でもこの延長線をたどるのかと思うとため息が出ます。
いっそのこと最近マンガの銀の匙を読んだので北海道でチーズを作ろうかとも考えてます。永田さんなりのご意見がございましたら聞かせていただければ幸いです。
(中島美嘉のケツ さん/18歳男性)
なるほど、進路のご相談ですね。大学に行くかどうかを悩んでるんですね。
うん、まあそれはいいんだけど、あのさ、名前、何?
中島美嘉のケツが何? それが何なの? どういう意味? こんなダイイングメッセージが残されてたら解ける事件も解けなくなるけど?
気になってGoogleで調べてみたら、2ちゃんの中島美嘉スレの、
「骨盤の浮き出た小さい尻に青筋立てて毎日毎日太い糞排泄してんだろうなこの糞歌手。ケツに肉が無いから糞する度に肛門が10cm位飛び出すんだよな、こんな痩せぎすタイプは」
ってレスが引っかかったけど、俺はどうすりゃいいの?
これ書いたのが相談者さん? 違うよね? 進学校で勉強頑張ってるんだもんね? もし、相談者さんがこれ書いてたとしたら、話が変わってくるもんね? 俺、それについて怒らなきゃいけなくなるからね? 違うよね?
ほらもう、せっかくピシッと回答しようと思ってたのに、「中島美嘉のケツ」を名乗ったせいで、情報が錯綜しちゃってるよ! せめて単語だけじゃなくて「中島美嘉のケツ大好き」なのか「中島美嘉のケツ許すまじ」なのか、お前の感情とセットで教えてくれよ!
まあ、もういいや! この話はおしまい! 中島美嘉のケツから得るもんなんて何もないわ! 本題に入るぞ!
「銀の匙を読んだので北海道でチーズを作ろうかとも考えてます」とのことで、まずこれだけは言っておきたい。漫画で影響受けて何かを始めるっていうことを、バカにしたりする人もいるだろうけど、俺はそれはいいと思う。
ただね、影響を受けてやるのはいいけど、北海道でチーズを作ることも別に面白くないと思いますよ。いや、そりゃあ最初は面白いだろうけど、ずっとやってたらどんな勉強だって辛くて退屈になってくだろうし。
あと、現実世界には御影アキ(銀の匙のヒロイン)はいないからな。
それは覚えておいて欲しい。漫画みたいに「キツいけども、仲間にも恵まれて、明るく楽しい、やりがいのある青春(ラブコメ要素もアリ)」には、なんねーから!
「キツくてキツくて、ただただキツくて、同年代もいなくて、寄宿先の牧場主はそこそこイヤな奴で『都会の子は根性がない』ってすぐ言ってきて、キツくて、最悪で、後悔しかなくて、精神的にもやられちゃって、でも仕事しないと怒られるし、わけわかんなくなって発狂(ゲボも吐きまくる)」だからな、現実は。
それを覚悟の上で行くなら俺は止めない。相談者さんの覚悟を応援したい。けど、そうじゃないでしょ? イヤでしょ?
そもそも、北海道でチーズ作りをすることで、得られるものって何? チーズだけだろ。カルディ行けよ。最初から。いや、もちろん、「全く違う文化圏に1人で身を置いて0から勉強を始める」っていう経験値は得れるし、気付きもたくさんあると思うよ。
でも、それ、北海道でチーズ作りじゃなくても、得れるから。大学に通いながら、何か新しいことを始めれば、充分に得れる経験値だから。
大学なんて勉強する場所じゃないからね。大学の認識をまず改めてください。大人と同じ行動範囲で、めちゃめちゃ時間があって、何の責任もなく、その上で無職とかじゃなくて世間にも堂々と胸を張れる、ってタイミングだから。
そして、その状況を前にしてもまだ「何も得るものがない」って言うなら、それは環境が問題なんじゃなくて相談者さんに問題があるぞ!
ウェイウェイやってる先輩達がカスだな~って思う気持ちがあるなら、そっちに染まらなければいいだけ。北海道行かなくても得れるものはあるし、退屈も潰せます。
なんかこういう「退屈だから環境を変えたい」って言う人のほとんどが0か100かの考え方しかしないのはなんでなの?
「このまま東京で死ぬまで働き続けるか、仕事やめてバックパッカーになってアジア放浪するか(そんで誰も読まないエッセイを書き続ける)」みたいな、「いや、中間は?!」って。 20か30の冒険しろよ!!
何か夢を見つけての「全部捨ててこれに賭ける!」なら話はわかるけど、今の環境が嫌だからって理由の「全部捨ててこれに賭ける!」は、ただの思考停止。チマチマ賭けるのがめんどくさくなっちゃっただけだろ。ヤケになって賭けたって当たんねーぞ!
なので、相談者さんに今必要なのはちょっとした冒険なんです。
「中島美嘉のケツ」なんだろ?
その名に恥じぬよう、日常から10cm位飛び出してみろ。脱肛しない程度に。