「ゲームって何の役に立つの?」という質問に対しては

 

・精神的な充足を得られる

 

という回答のほか、

 

・実生活に応用可能な技術や知見を得られる

 

という回答が有効です。今回は後者の回答を補強する具体例として、ゲームから学べる素晴らしい技術をご紹介します。

 

 

 

皆さんは「スーパーイタイワニー」というワニ型のおもちゃをご存知でしょうか。

 

( 参考:スーパーイタイワニー 商品説明ページ

 

ワニの歯を模したボタンを複数人のプレイヤーが交代で押していき、「当たり」の歯を押してしまうと負け、というシンプルなルールながら広く人気を博しているロングセラー商品です。

 

近年は店舗型風俗の待合室に置かれることも多く、客同士の親睦を深めるコミュニケーションツールとして大いに活躍しているスーパーイタイワニーですが、私がこのおもちゃの中でも特に素晴らしいと考えているのが「構造上必要不可欠な機能を、楽しい意匠の中に溶け込ませる」という技術です。

 

 

 

スーパーイタイワニーの造型に注目してください。ワニの口を開くと口蓋の付け根部分の歯車が回転し、その歯車と噛み合う水平方向の歯車が回転することで次の「当たり」の位置が決まる仕組みになっています。

 

つまり「もう一度ボタンを押すため口を開ける行為」が「当たりの位置を変える行為」を兼ねている訳です。無駄がなく美しい設計です。

 

 

 

しかし、普段このゲームで遊ぶ私たちはこのような各部の機能について意識する事はありません。

 

なぜなら、スーパーイタイワニーでは「歯車の回転」あるいは「円周上に設置されたボタン」を意識させないための意匠として、「ワニの歯」という自然な半円状のモチーフを採用しているからです。

 

つまり、ワニの造型は機能要件だけに寄与するのではなく、同時に機能への意識を逸らす楽しい演出にも寄与しているのです。

 

 

 

以上の説明で、スーパーイタイワニーからは学ぶべき有用な技術を見出だせる事がご理解いただけたと思います。

 

この技術にヒントを得て作られたと言われているのが、東京ディズニーランドでお馴染みのミッキーマウスです。

 

 

 

ネズミをモチーフに作られたミッキーマウスは丸く大きな耳が特徴的ですが、この耳も単にネズミらしさを強調する為に備えられたものではなく、構造上の必然から産まれたものである事をご存知でしょうか。

 

実はミッキーマウスの両耳部分には鉄線を用いて口角を巻き上げる為のウインチが内蔵されており、この仕組みのおかげで着ぐるみ内部の人間は笑顔を保ち続ける事ができるようになっているのです。

 

皆さんも是非、ミッキーマウスの愉快な挙動の裏にイタイワニーの知恵が活かされている事を意識して納税を続けていきましょう。

 

 

 

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