きゃりーぱみゅぱみゅーんさんの日記 10月4日(日)晴れ
こんにちは!きゃりーぱみゅぱみゅーんです!
いまいちばんオシャレだと思うものは牛の胃袋!
ということで、今日きゃりーがいつものようにかわいい服やアクセサリーを探しながら原宿を歩いていたら、向こうからきゃりーのライバルの犬が、歩いてきたの。
この犬は、きゃりーと同じくらいオシャレで、きゃりーと同じくらい算数が得意な犬で、長年きゃりーがライバル視してきた犬なの。
しかもその犬は、きゃりーと同じくらいの大きさで、きゃりーと同じくらいの重さで、見た目も中身も何から何まできゃりーと同じ犬なの。つまりその犬は自分自身なの。
犬もわたしも、どっちもきゃりーなの。でもそれはその犬だけじゃなくて、他の犬や、木や草や、海や空についても言えることで、あらゆるもののなかにきゃりーはいるの。あらゆる時代のあらゆる瞬間において、常に一定量のきゃりーがこの宇宙には存在しているの。
だから、もし今わたしが死んだとしても、きゃりーは死なない。別の場所で、別の形できゃりーは生き続ける。
でもわたしはまだ死なないの。なぜかというと、わたしは130歳まで生きるからなの。
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ニコラ・スケイジさんの日記 10月5日(月)くもりのち雨
いっそのことゾンビにでもなってしまえば、頭髪のことなどもはや気になるまい。そう思ってゾンビになった。
ゾンビになれば、毛が濃いとか薄いとかそんなことよりもまず、顔の緑さとか、目玉の飛び出し具合とかの方に、人は意識を向けるはずだと考えたのだ。
じっさいゾンビになってみると、髪の毛についてとやかく言ってくる人間はまったくいなくなったし、外を歩いてるときなんかでも、前だったらおでこのあたりに集中していた他人の視線を、ほかの、例えばとくに腐敗の著しい部位などに、感じるようになった。ゾンビがハゲに勝ったのだ。
かくして、ゾンビになることでハゲを克服したわたしは、それと同時にいちどは失いかけていた男としての自信みたいなものも取り戻した。
そして今日、前から密かに想いを寄せていた職場の後輩の女子に、その想いを打ち明けた。ずっと好きだった、自分と付き合って欲しい、と。勝算は十分にあった。なのに、返事はまさかの「ごめんなさい」。理由を聞くと「ゾンビだしハゲてるから」とのこと。
混乱した。ゾンビになることで実質的にハゲではなくなったはずなのになぜ。すっかりしょげかえり、帰宅したわたしは、嫌われた理由を分析するために、ノートに次のように書き出してみた。
ハゲてるけど、ゾンビじゃない
ハゲてないけど、ゾンビ
ハゲてるしゾンビ
ハゲてないし、ゾンビじゃない
これが、ゾンビとハゲの組み合わせのすべて。そして、次にそれらを「モテそうな順」に並べ替えてみると…
1位 ハゲてないし、ゾンビじゃない
2位 ハゲてるけど、ゾンビじゃない
3位 ハゲてないけど、ゾンビ
4位 ハゲてるしゾンビ
なんと、ハゲてるしゾンビは4位で最下位!
びっくりし過ぎて、さらにハゲたし、さらに腐敗した。
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アーノルドシュワルツォネッガーさんの日記 10月6日(火)くもり
犬とか、車とか、ニコラスケイジとかが出てきて、いろんなことが起きて、最後はすごく悲しい気持ちになって終わる 3D 映画を鑑賞したあとで、3D メガネを外そうとしたところ外れず、仕方がないのでそのまましばらく放置していたら、3D メガネと顔面が一体化した。
それからというもの、ありとあらゆるものが 3D で見えるようになったのだが、俺はこのことを人間的成長と捉えている。漫画やアニメに親しみ過ぎたあまり、人生を二次元的にしか捉えられなかった頃の俺はやはり子供だったのであって、世界を 3D で見れるようになってはじめて俺は大人になれたのだと思う。
特に 3D なのはパン類だ。ホットドッグやフランスパンを手で持ったときなんか、まさに目と鼻の先にまで飛び出てくるように見えるので、刺さる!と思ってついよけてしまったりする。あと、おっぱいもすごい 3D で見える。
ホットドッグやおっぱいだけじゃなく、寿司も、バナナも、人の鼻も、3Dメガネと顔面が一体化したおかげで、すべて飛び出て見える。
だが、それらを遥かに超える勢いで飛び出てくるものが、実はある。
それはこの世で一番 3D なもの。
とにかくもう、めちゃくちゃに飛び出してくるもの。
そう。それが…
それこそが…
岬だ!
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きゃりーぱみゅぱみゅーんさんの日記 10月4日(日)晴れ
原宿で服を買おうと思い、家を出て、原宿を目指して歩いていたら、見知らぬ岬の先端にたどり着いてしまったの。
岬ってはじめて行ったんだけど、人もほとんどいないし、ラフォーレもないし、全然オシャレじゃないの。でも岬より先には海しかないから、それ以上前には歩いて行けないの。
ほんとは原宿に行きたかったのに、ここから先にはもう進めない。それでわたしは思ったの。こうなってしまったら仕方ない、もうケバブ屋をやるしかない、と。そのほかに選択肢はない。
それが、わたしがこの岬の先端でケバブ屋をはじめたきっかけなの。
いつか、わたしのケバブを求め岬に人が集まり、その人々が岬に住みつき、家やマンションが建ち、コンビニや古着屋ができて、ケバブ屋を中心に街が形成され、やがてそこが原宿と呼ばれるまで。その岬こそが、真の原宿だと政府が認めるまで。
その時が来るまでわたしはここで、この岬で、ケバブを焼き続けるの。
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バラクオバマさんの日記 10月8日(木)雨
もし自分がハエだったら・・・。
もし自分がハエだったら、うんこのことしか考えられないだろう。
そうなると、政治や経済のこと、社会問題のこと等に、頭がいかなくなってしまうだろう。そして、もし私がそんな状態になってしまったらアメリカは間違いなく衰退する。
それを考えると、自分がハエじゃなくて本当に良かったと心から思う。
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バラクオバマさんの日記 10月9日(金)晴れ
もし自分がハエだったら・・・。
もし自分がハエだったら、先輩のハエと後輩のハエと3人で、ハエをナンパしに行く。海、いや、クラブがいいだろう。
先輩バエと後輩バエと3人で、DJハエのイベントに行って、バーカウンターでひとりつまらなそうにしている女のハエに声をかける。ゴミの話などをして打ち解ける。しばらくすると、その女のハエと一緒にクラブに来てた別の女のハエ2匹がフロアから戻ってきて合流する。
男のハエ3匹と女のハエ3匹と6匹でゴミの話などして盛り上がる。3匹の女のハエのなかの1匹といい感じになる。LINEで友達になってその夜は別れる。
早朝、踊り疲れて家に帰り、布団にもぐりこんで眠ろうと目を閉じる。さっきの女のハエからLINEが入る。燃えるゴミと燃えないゴミ、どっちが好き?
恋がはじまる。
(おしまい)