ブッシュクラフト――

自然にあるもので道具を作ったり、山菜を収穫したり、薪を割って火をおこしたり・・・要約すると自然の中で生きる生活の知恵のことである。現在では、先人の知恵を学び直し、キャンプやトレッキングなどの装備の簡素化に活用する目的でも使用される。

 

 

 

こんにちは。富山のライター、雄大です。

 

インターネットが社会に浸透して数十年、現代人は、インターネットを活用すれば、どんなジャンルの情報でも瞬時に手に入れることができる時代になりました。

 

 

レシピに迷った時。欲しいものを安く買いたい。知りたい情報がある。そんな時などに、ネットで検索すればすぐに解決です。

 

 

でもね皆さん、確かにネット社会は便利だけれど、忘れてはいけない大事なものがあるはずなんです。

 

 

それは、先人たちの生活の知恵です

 

 

ネットがなかった頃、どのようにして彼らは生きていたのか。そういったことを知ることも大事なことだと思うんです!!

 

そこで僕は、先人たちが持っていた生活の知恵を学び、活用しようと思ったのです。

 

 

 

というわけで、先人たちの生活の知恵をネットで調べて、ブッシュクラフトをしてきました!(やっぱりネットって超便利!)

 

 

bush_mawari 

 

木々や雑草が所狭しと生い茂る場所に来ました。今回はここでブッシュクラフトをやろうと思います!

 

 

 

第1章:持ってる道具で色々作ろう。

 

 

ブッシュクラフトをやるにあたって、持ってきた道具をご紹介します。

 

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① クッカー(お米が1合、中に入ってます)

② グラウンドシート

③ 寝袋

④ ロープハンモック(両端をカラビナでまとめてあります)

⑤ 雨具ポンチョ

⑥ ロープ類

⑦ アウトドアナイフ

⑧ ハチェット(薪とかを割ったりする斧)

(その他)・・・お吸い物の素、風呂敷、ライター

 

 

これらを使って、色々作っていきます。

 

 

寝床(ツェルト)を作ろう!

 

bush_bamboo 

 

 

竹を集めてきました。ハチェットで枝落としをして、使いやすくしています。

 

この土地の所有者の方からは竹の使用許可を得ておりますので、遠慮なく竹を使わせていただきました。

 

(*ちなみに日本は、全ての土地に所有者がいますので、勝手にブッシュクラフトとかしたらダメなんだからね!必ず許可をとってやってね!)

 

 

 

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まずは寝床の大体の大きさと位置決め。グラウンドシートを敷いて、その横に竹を立てて、寝床の大きさと位置を決めます。

 

 

 

 bush_tent_2

 

先にロープとペグ(ロープを固定する杭)をセットします。

 

先に竹を立てると片手で竹を支えなきゃいけないので、片手作業になってしまい、ロープがうまくかからない度に「んーもう!」って言うハメになるので竹はロープをセットし終えてから立てます。

 

ロープをセットしたら、ペグを地面に打ち込んで、ロープを張れるようにします。

 

 

 

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ちなみにペグも手作りです。

 

竹を細くカットして、先端をナイフで削り、地面に刺さりやすくしています。

 

 

 

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また、ちょうどロープがかかる位置に竹の節の部分が来るようにして、ロープが外れにくくしています。

 

 

 

 bush_tent_3

 

ペグを打ち終わったら、竹を立てて、ロープを張ります。

 

 

 

bush_tent_7

 

このように、トートライン・ヒッチというロープワークを使うと、ロープを自由に緩めたり張ったりできます。

 

日本人なんだから「自在結び」って書けばいいのに、誰がどう考えてもトートライン・ヒッチと書いたほうがおしゃれだし、「彼、トートライン・ヒッチを日常的に使ってるね。日常で使っちゃってるね彼は!」と思われたいのでそう書かせていただきました。

 

ちなみに、これを日常で使うシーンは皆無です。

 

 

参考:トート・ライン・ヒッチ(自在結び)

 

 

 

 

 

最後に、上に雨具ポンチョを被せてできあがりです。

 

bush_tent_6

 

 

寝袋を入れて、これで雨風をしのげます。

 

ちなみにポンチョは少し改造してあります。隅に穴を開けてあり、それぞれの四隅からロープを通しています。

 

 

もう少し改良の余地はありますが、とりあえずこんな感じで寝床は完成です!

 

 

 

リビングを作ろう!

 

寝床を作ったので、リビングもついでに作ります。テーブルとイスがあれば、食事やその他、色んな作業をする時などに便利ですので!

 

 

 

まずはイスを作ります。

 

 

 bush_chair_1

 

3本の竹を合わせて、外周を2mロープで2~3周巻いていきます。

 

 

 

 bush_chair_2

 

このように竹と竹の間をぐるぐると巻いていきます。再び外周を巻き、ある程度巻き終えたら、ロープを結びます。

 

 

 

 bush_chair_3

 

結び終わったら、3点が均一になるように竹を拡げて立てます。

 

先ほどの結び方で、ロープが竹の間にがっつり食い込むので、滅多なことがない限り外れません。

 

 

 

 bush_chair_5

 

ロープハンモックを3本の竹が交差する箇所に巻きつけ、カラビナで固定します。

 

 

 

 bush_chair_6

 

最後に、垂れ下がったハンモックの間に竹を通して完成です。

 

 

 

 bush_chairtable

 

その辺で拾ってきた木をテーブルにしたら、あっという間におしゃれリビングに!

 

 

 

 bush_chair_7

 

驚きの安定感!どっしりと座っても、びくともしません。

 

 

 

 

第2章:食料を探しに行こう!

 

 

居住スペースが出来上がったので、食料を探します!

 

季節は実りの秋。食料は自然界にたくさんあるはずです。

 

 

 

秋といえばキノコ。おいしいキノコは、ナラやブナの枯れ木周辺で、湿気の多い場所に生息していることが多いので、まずはナラやブナの林を探します。

 

 

 

 

茂みを歩くこと数分、早速見つかりました!!

 

 

 bush_hatakesimeji_1

 

 

ナラやブナの林じゃなくて、キノコ!先にキノコが見つかった!

 

これはハタケシメジ!食べれます。ほんの3~4行前に、偉そうにキノコの生息地を解説していましたが、ナラとかブナとか関係なく、ハタケシメジは結構どこにでも生息しています。

 

 

 

 bush_hatakesimeji_2

 

これもハタケシメジ。

 

 

ハタケシメジは、一つ見つけると周りにもたくさん生えているパターンが多いので、大量に収穫できます。

 

形が崩れやすいですが、香りがいいです。炊き込みご飯にするのがオススメです。

 

 

 

 

 

次に見つけたのは、ホコリタケ。

 

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毒キノコっぽい見た目とは裏腹に、食用です。ホコリタケは、カサの中心にポッカリと穴が開いて、そこからホコリのような胞子を飛ばします。ただ、そうなってしまうともう食べれません。穴の開いてない、若いやつを採ります。

 

ホコリタケも、ナラとかブナ関係なく、結構どこにでも生えてます。先ほどドヤ顔で「キノコ?ナラとかブナの枯れ木周辺や!その辺探せばオールオッケー!」と解説していた僕の立場はありません。

 

 

 

 bush_hokoritake_2

 

若いホコリタケ。 

 

 

ただしこのホコリタケ、香りと味が独特なので好き嫌いが別れます。ちなみに僕は好きではないです。

 

せっかく見つけたので、とりあえず1本だけもらっていくことにしました。

 

調理をする時は、カサの部分の厚い皮を剥かないと、食べれません。人間でいうところの真性包茎というやつです。

 

 

 

 

 bush_yamanasi

 

途中、なぜか山梨拾った。ただ、山梨の木がどこにあるのか探し当てられませんでした。風に乗って飛んで来たのだろうか。

 

山梨は、市販の梨と違い、小さくて食べれる部分もわずかですが、美味しいです。ラッキー。

 

 

 

 bush_nigakuritake

 

次に見つけたのはニガクリタケ。クリタケに似ていますが、毒ゴケです。これもナラ、ブナ関係なくどこにでも生えています。

 

 

頼むって・・・ナラタケとか出てきてくれって・・・!

 

「ほうら見てみい!ナラとかブナの枯れ木に生えるんよ!どやどや!キノコってのは、そういうもんなんよ!!」って言わせてくれって・・・頼むって・・・。

 

あ、ニガクリタケは毒ゴケなので放置です。

 

 

 

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ガゴジョウ発見!

 

全国的には「むかご」と呼ぶそうですが、この地方(富山県西部)ではガゴジョウと呼びます。

 

ちなみにただ今絶賛探し中のナラタケは、この地方では「もたせ」という呼び方をします。由来は、謎です。皆がそう呼ぶので、僕もそう呼んでいます。

 

このガゴジョウ、ご飯に入れると美味しい。わしこれ好きや。生で食べても、小さい山芋っぽいネバネバした食感で、塩っ気があります。

 

 

 

 bush_gagojyo_2

 

今回はひとつひとつ手でつまんで収穫しましたが、下にザルを置いて、ガゴジョウの蔓を揺らせば、ボタボタと落ちてきて大量に収穫できます。

 

 

 

 

 

次の写真を見て、食べ物がどこにあるか、おわかりいただけるだろうか・・・?

 

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画像中央あたりにいるのが、秋の山のフルーツクイーン「アケビ」である。

 

 

 

 bush_akebi_3

 

拡大写真。中央がアケビ。

 

 都会に住む人は、中々アケビという果物を食す機会はないかと思いますが、富山の田舎に住む僕のような人間にとって、アケビはとても身近な果物です。味は、ドロッとしたライチっぽいような、なんかそんな感じです。種が多くて少し食べにくいですが、美味しいよ。

 

ただ、最近の果物は農家の方々の努力もあってめっちゃ美味しいので、スーパーで売ってる果物の方が普通に美味しい・・・。自然の味!自然の恵みの味よアケビは!そこを楽しも!

 

 

 

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なんとか蔓を手繰り寄せて、アケビ収穫!わーい。

 

 

 

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あとこれは普通に自分が食べたかったので、我が祖父の育てている柿を拝借。

 

自然にあるものを使って行う、ブッシュクラフトのルールからは著しく逸脱していますが、甘い柿の誘惑には勝てません。

 

 

 

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パクった柿を風呂敷に入れ、ブッシュクラフトをしていた場所へ戻ります。

 

 

 

 

 

周辺を散策して、これだけの食料が集まりました。

 

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ハタケシメジ、ホコリタケ、山梨、ガゴジョウ、アケビ、柿。

 

 

結構たくさん見つかった!

 

ブナ林なども探しましたが、ナラタケやブナシメジといった、狙いにいったキノコは全く探し当てられませんでした。

 

最初に書いた、「キノコってのはなあ、ナラとかブナの枯れ木周辺におるんやで!」という理論は、もうあれ嘘でいいです。嘘ついてすいませんでした。

 

 

 

 

第3章 ご飯を作ろう。

 

 

せっかくなので、さっき採ってきた食料を使って、ご飯を作ります!

 

今回は、ハタケシメジとガゴジョウの炊き込みご飯を作ります。

 

 bush_mesi_1

 

作り方は簡単。クッカーに研いだ米とハタケシメジ、ガゴジョウをぶちこみ、そこへ水をぶち込んで、さらにダシとしてお吸い物の素をぶち込み、炊き込みご飯を作ります。

 

 

 

水は、坂を300mほど登ったところに湧水が出ていたのでこれを使います。

 

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川の水は、菌や動物の糞尿が混ざっていたりして意外と汚いので、使いません。

 

 

 

 

水を入れたらお吸い物の素を入れます。

 

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今考えると、松茸風味のお吸い物の素は、炊き込みご飯用の万能調味料だと思って持ってきたのですが、ハタケシメジの香りを全力で無効化していたため、失敗でした。普通にダシ持ってこればよかった。

 

 

 

これで下ごしらえは終わりです。あとは炊くだけ。

 

 

 

先ほど作ったイスを応用して、ロープでクッカーを吊り下げます。

 

 bush_mesi_4

 

 

 

下に薪を並べ、細い枝に火をつけて、火を起こします。

 

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 火を起こしたら、火加減を見ながら、あとは待つだけです。

 

 

 

 

せっかくなので、この時間を有効利用して、色々なことにチャレンジしてみたいと思います!

 

 

 

まずは箸を作ります!

 

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 ナイフで枝を削って・・・

 

 

 

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箸ができました!!

 

 

 

 

あとは・・・うーん。

 

 

 

 

 

柿!柿を食べよう!

 

 

 

 

 

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ナイフで柿をむきます。

 

 

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うん。柿うまい。

 

 

 

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もう一個食べます。

 

 

 

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 うん、うまい。

 

 

 

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火が弱まってきたので薪をくべて・・・

 

 

 

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それからまた柿をむきます。 

 

 

 

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柿を食べます。

 

 

 

bush_mesi_8

 

基本的には、柿を食べます。

 

 

 

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柿。柿は基本。基準。

 

 

 

 

 

 

柿食うぐらいしかすること思いつかない。やることなさすぎだろ。

 

 

 

時間の流れのまったりさに抗えず、思考が完全に停止してしまいました。

 

現代社会に生きる我々は、時間を気にしすぎているのではあるまいか。時間を贅沢に使う。それもある意味では、こういった場所での楽しみ方の一つと言えるのかもしれません。そう、だからすることが思いつかなくともしょうがないのです。

 

 

 

 

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(薪の量が少なくて火の勢いが中々増さず、かれこれ1時間以上が経過し、もはや煮込み料理の領域に達した)炊き込みご飯。なんとか完成しました。

 

 

 

 

味は普通でした。

  

 

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ハタケシメジの香りを全力でぶっ潰す、松茸の風味がいい感じだと思います。

 

 

 

 

 

 

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ふーい。ご飯も食べたし、柿でも食べてダラダラしようかね。

 

 

ん?

 

 

 

・・・!

 

 

 

 

 

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こいつは・・・!!

 

 

おいおい・・・!こりゃあ、天然の下ネタじゃあないか。

 

こんなもの、滅多にお目にかかれるもんじゃあないぜ。こいつあ、オカズになりうるぞ・・・!

 

 

 

 

 

 

bush_koituha_3

 

シュッシュッシュッシュッシュッ………

 

 

 

 

 

 

 

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シュッシュッシュッシュッシュッ………

 

 

 

これはもはやブッシュクラフトならぬ、シュッシュクラフトです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

bush_koituha_4

 

これだ……俺が求めていたのはシュッシュクラフトだったんだ……!!! 

 

 

 

 

 

 

 

bush_koituha_2

 

おおおおおおおぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉおおお

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 bush_kuromaku

 

 

 

 

 

 

 

 

bush_mesi_8

 

 

 

 

 

~Fin~