ブロス編集部です。編集部メンバーがここ最近読んで面白かった漫画を紹介するコーナーのお時間、題して「今月の読良漫(よよまん)」です。今回は「子供のころに読んで、今も鮮明に記憶に残っている懐かしの面白い漫画」を聞いてみました。

それでは早速編集部メンバーの「読良漫(よよまん)」をご紹介しましょう。

 

 

ギャラクシーのなつかし漫画

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To-y(上條淳士)

 

【買い人:ギャラクシー】

【あらすじ】
インディーズパンクバンドのボーカリスト・高校生の藤井冬威(トーイ)は、ライブを見た敏腕女性マネージャーに才能を見出されメジャーデビューすることに。仲間との別れや狂信的なファンの襲撃、ライバル、自分のやりたい音楽とメジャーが求める音楽との乖離に悩みながらも、スターダムにのし上がって行く。

【感想】
初めて読んだ時は小学校高学年だったんですが、絵もキャラクターもファッションも全部おしゃれで、「こんなかっこいいマンガ見たことない!」と話題になりました。信じられないと思いますが、当時少年マンガに「おしゃれ」という概念って無いに等しいものだったので、めちゃめちゃ革命的だったのです。高校生ながら芸能界で大人たちを翻弄するトーイもかっこよかったし、今まで見たこともない不思議なキャラ・ニヤもかわいかったし、従兄弟でありアイドルである森が丘園子との同棲生活にも憧れまくってました。とにかく当時の僕にとっては全てが眩しいマンガで、しかも、普通なら「その頃はおしゃれだったマンガ」って時を経ると逆にダサくなったりするものですが……『TO-Y』はいま読んでもおしゃれ度がゼロやマイナスになってないのがすごい。まだかっこいい! 

あと当時このマンガが革命的だと感じたのはもう一個ありまして、それは「かっこいいキャラクターが、普通におもしろいことを言ったり笑われたりする」ってことです。今だとそんなの当たり前じゃん!って思うかもしれないですが、昔は『北斗の拳』みたいに、「かっこいいキャラはどこまでいってもかっこいいまま」だったんですね。それもそれで良いんですけど、『TO-Y』はどのキャラもかっこいいだけじゃなくて笑いの部分もあって、それが「どこか遠い存在のスーパーヒーロー」ではなく、本当に「東京に行けばトーイに会えるんじゃないか……?」と憧れを募らせてくれたのです。

最近は80年代っぽい服が流行ってたりするので、今読むのすごくおすすめですよ! 愛蔵版も出てるから!

 

トーイが所属してたバンド「GASP」のTシャツも持ってます!

小学館eコミックストアで1話試し読みができます

 

 

長島のなつかし漫画

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県立海空高校野球部員山下たろーくん(こせきこうじ)

 

【買い人:長島】

当時、「週刊少年ジャンプ」でドラゴンボールやスラムダンクが人気だったころ、他の作品には目もくれず、この作品だけひたすら読んでました。

主人公の山下たろーくんが所属する「海空高校」は超弱小チームでありながらも、猛練習を重ね、怒涛の快進撃を見せるという野球漫画です。

登場人物で楊枝をくわえながらプレイする「北野」という選手がいるのですが、彼は本気になったら楊枝が上を向くという特徴があって、ぼくもマネして楊枝を立てては「長島が本気になった」といっては周りが騒ぐ、というのをいっぱいやった覚えがあります。

北野だけでなく、登場人物全員にわかりやすい個性があったので、当時の野球部はわりとマネしてたと思います。

「とにかくいっぱい練習しよう」「最後まで諦めずにがんばろう」みたいなのはここから影響受けた部分が大きくて、当時のぼくは純粋にめちゃくちゃ感化されてしまいました。(ある意味罪な作品)

ぼくが大人になって「山下たろーくん」の話をしてもわかる人が少ないのですが、あの荒木飛呂彦先生が「ジョジョの奇妙な冒険を描く上で最も影響を受けた作品」と仰ってたみたいなので、みんな読んだ方が良いと思います!

ブックライブで試し読みできます

 

山口のなつかし漫画

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南国少年パプワくん(柴田亜美)

 

【買い人:山口】

エニックス(現在のスクウェア・エニックス)が創刊した月刊少年ガンガンで連載していた、柴田亜美先生の漫画。

手に入れたものは世界を手にすることができると言われる、不思議な力を持った秘石というものを巡ったストーリーがあるものの、その本質はギャグ漫画です。いま思えばBL要素を多分に含んでいたり、わざと難解な言葉を使ったりとアク強めのギャグだったのですが、小学生だった自分はめちゃくちゃ笑っていました。

 

説明が難しいので、特に印象的なシーンを列挙します!

・タンノ君という体が魚で足が人間(人魚の逆)が何かの時に「体温調節もできない変温動物のくせに」というツッコミを受けた

・主人公の1人であるシンタローがパプワくんに、セミの幼虫のエンドウくんが成虫になる良い方法はないかと尋ねた際、「僕はいま特殊相対性理論における非ユークリッド空間の研究中だ。邪魔をせんでもらおう」と相談を断られた

・死んで霊体になってしまったシンタローを元に戻そうと、父親のマジックがカムイじいちゃ(パプワの育ての親のでかいフクロウ)に甦る方法を尋ねたところ、「まずは鉄とマグネシウムを混ぜなされい」「そしてそれを思いっ切り固める」と教わりその通りにしたところ、全然関係のないジェラルミンのフライパンが出来上がった

オススメです!

こちらもブックライブで試し読み可!

 

 

ヤスミノのなつかし漫画

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包丁人味平(原作:牛次郎、漫画:ビッグ錠)

 

【買い人:ヤスミノ】

インターネットでもちょいちょい珍奇な展開から話題になることが多い作品。連載開始が1973年なので全く世代ではないのだが、廉価版コンビニコミックスをなぜか親が買ってきたので読んでいた。あの頃は好きとか嫌いとか、そういった意思がなく、ただそこに漫画が存在するだけで繰り返し読む理由になった。

味平は「料理で対決」という概念を最初に持ち込んだ画期的な作品であったらしい。ちょっと昔の作品だが今も古びないフレッシュさもあると思う。

例えばラーメン大会に出場したとき。麺に強靭なコシを出すためにどうしたらいいかと考えあぐねた結果、味平はその辺にいる子供たちに布に包んだ麺生地をキャッチボールさせる。それによって麺に適度な圧力をかけ弾力を生むのだ。これは結構感心してしまう展開じゃないですか?現実でこの行為に意味があるのかどうかは分からないが、このハッタリとリアリティのちょうどいい匙加減というか、今でも通用しそうな気がする。

もちろん今では通用しないし、当時も通用していたのか疑問に思うような常軌を逸脱してる展開も多い。お吸い物に汗が入って、それで味がちょうどよくなった!というきもすぎる展開もある。

インターネットで最も有名なエピソードは敵キャラ 鼻田香作が作った「ブラックカレー」だろう。調べれば詳細は分かるので簡潔に説明するが「麻薬入りカレー」だ。結局、味平は勝てなかった(そりゃそう)。食べた人の背景がフニャ〜と歪むトリップ描写は見どころ。

勝負は「美味さ」で競わないことも多い。激しい渦潮の中、ボートの上で焼き魚を作る勝負なんかもあったが、なぜそんなことする必要があったのか。劇中で説明があったのだろうが、覚えてないし、絶対納得いくような理由じゃないだろう。幼心にも「この人たちは料理で対決したほうがいい」と思っていた。しかもこの勝負、「茹でた魚に熱した棒で焼き目をつけたもの」を焼き魚と言い放ち味平が勝利していた。

結局変なところばかり紹介してしまったけど、そういう不完全な部分も吹き飛ばすような不思議な魅力があるのは間違いないです。是非手に取ってみてください。

1話はブックライブで無料!

 

 

■また来月

また来月も、皆さんの「読良漫(よよまん)」をご紹介させていただきます。

それではさようなら。