ブロス編集部です。編集部メンバーがここ最近読んで面白かった漫画を紹介するコーナーのお時間です。題して「今月の読良漫(よよまん)」です。

それでは早速2020年9月に編集部メンバーの「読良漫(よよまん)」をご紹介しましょう。

 

■超名作のスピンオフ「Dr.キリコ 白い死神」

【オススメ人:ダ・ヴィンチ・恐山】

手塚治虫の『ブラック・ジャック』にはいくつか現代を舞台にしたスピンオフ作品があるのですが、本作はブラック・ジャックのライバル的存在である医師「ドクター・キリコ」を主人公に据えたスピンオフシリーズです。

助かる見込みのない患者を安楽死させることを生業とするドクター・キリコ。その設定からしてどのエピソードもやるせないものが多いのですが、筋立ては本家ブラック・ジャックにかなり近くバリエーション豊か、かつ、しっかりまとまった短編で安楽死という行為を描いています。海外が舞台の話が多いのも本家BJっぽい。

偏屈ながらも義理堅いドクター・キリコはいろんな意味でブラック・ジャックと似たもの同士。ピノコ的なポジションの少年(オリキャラ)との交流もいい感じで、ブラック・ジャック外伝としてかなり読みやすく面白い一作だと思います。

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■バカな人たちへの愛が詰まった「最後の遊覧船」

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【オススメ人:ギャラクシー】

炎上した女性脚本家が一日中遊覧船に乗って、バカな登場人物たちと繰り広げるドタバタコメディー。

僕はすぎむら先生の『ディアスポリス 異邦警察』が人生のマンガベスト10に入るくらい好きなんです。この作者の描く「どうしようもない人たち」への愛が最高すぎる。
本作『最後の遊覧船』も、登場人物全員「どうしようもない人たち」でとてもよい。ヤリチンで軽薄なだけの遊覧船船長とか、それを好きな元ヤン女(遊覧船の売店バイト)、主人公のことを小学生の頃から好きだった気持ち悪いホテルの支配人とか。

「ギャンブル狂」や「殺人鬼」みたいな“マンガ的すごさ”もなく、ただただ、どこにでもいるようなバカで生きるセンスのない人たち。だから遊覧船のようにどこにも行けない人生なんですが、彼らが織り合わされ、重なり合うことで、まるで人生っておもしろくて美しいかのように見える瞬間があるんです。

まだ一巻なのでこれ以上は持ち上げませんが、気になるところで終わってるんで続刊にも期待してます!

 

■残酷で下品だけどおもしろい「かってにシロクマ」

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【オススメ人:モンゴルナイフ】

クマの家族や野生生物たちの日常を描いたギャグ漫画です。

クマの家族とうり坊が一緒に暮らすことになるんですけど、そのときのエピソードが忘れられなくて…
雷に打たれて丸焼きになったイノシシを、クマの家族で食べていたらうり坊が現れたので「お母さんはどこ?」と聞いたら、みんなのお腹を指差すんです。家族で美味しく食べたイノシシはうり坊のお母さんだったんですね。困った家族は急いでうんちにしてお母さんをお返しするんですけど、許されるわけなく、そのままうり坊のお世話をすることになります。
残酷すぎるし下品なんですけど、笑っちゃうんですよね。全編通してこんな感じです。

一コマのなかで同時多発的に事件が起こっているので、繰り返し読んでも発見があっておもしろいところです。どんどん虫に詳しくなっていきます。

基本ギャグ漫画なのですが、定期的に自然界の厳しさを前面に出したシリアスな回が挟み込まれているので、自然よ〜〜〜😭😭と泣いてしまいます。

下ネタもよく出現します!御免!

 

クセがあるけど誰にでもおススメできる料理マンガ「鉄鍋のジャン」

【オススメ人:ヤスミノ】

何をいまさら…という感も否めませんが、90年代料理漫画の傑作『鉄鍋のジャン』を紹介します。ネットでちょいちょい話題になるので知っている方も多いかと思います。

なんといってもまず主人公のジャンがすごい。めちゃくちゃ悪いやつです。「料理は勝負」というモットーをかかげているのですが、その信条を突き通すばかりにすごいことばかりします。
(すごいこと:幻覚作用のあるスープで大会予選を突破したり、朝鮮人参とナツメグを配合し極度の低血糖にさせることで相手をぶったおしたり、スプリンクラーを壊して他人の料理を台無しにしたり、嫌いな奴に生首を模した料理を送りつけたりする)

とまあ、どうしても『鉄鍋のジャン』の紹介をすると、こういった悪事を話さざるを得ないのですが、それだけではなく真っ当な料理漫画としてもかなりの読みごたえがあります。ジャンの腕は一流、否が応にも食べた人の心を掴んでしまう魔性の料理人。ケレン味たっぷりの料理シーンは読んでいて飽きることがありません。加えて料理自体も漫画らしいデフォルメがあるにしろ、陳腐にならない絶妙な匙加減です。

料理、ひいては勝負に対する狂気的ともいえる情熱はむしろ主人公としてめちゃくちゃかっこいい。見ていて気持ちのよさすらが感じます。一見クセのある漫画ですが、不思議と万人にオススメできる作品なのでは、と思っています。

ちなみに僕の好きなキャラは一般人なのにジャンに勝利した刈衣花梨さんです。

 

シャーマンキングの続編「SHAMAN KING THE SUPER STAR」

【オススメ人:加藤】

来年には再アニメ化が決定して、ここへきて異様に盛り上がっているシャーマンキング。その続編である「シャーマンキングFLOWERS」の続き「SHAMAN KING THE SUPER STAR」になります(出版社も違うし順番がわかりづらいので、買う際には注意してください)。

シャーマンキングのキャラクターのその後が描かれているのはもちろん、回収しきれていなかった設定や武井宏之先生ワールドの繋がりなどが描かれていて、当時のファンとして非常に楽しめる作りになっています(読み切りや他作品が繋がるのが大好きなので…)。

人と争う気がなくてダラけるのが好きな麻倉葉という主人公は、今でこそ時代に合った主人公な気がしているのですが、続編である今作は争い好きな葉の息子・花が主人公。なぜだ…。

2020年9月25日現在では1巻が無料で読めるので、シャーマンキングを当時読んでいた方は、よかったら読んでみてください。

 

■また来月

また来月、「読良漫(よよまん)」をご紹介させていただきます。

それではさようなら。