ドラえもんの長編劇場版第40作目として公開中の「映画ドラえもん のび太の新恐竜」。映画1作目の「のび太の恐竜」公開40周年を記念した作品でもあります。
キャラクターデザインや声優が一新し、過去の映画がリニューアルされる中、新しい映画のテーマもまたしても恐竜…。これはそろそろ劇場版ドラえもんもネタ切れなのでは…? 我々、ドラえもんを見て育った世代が新たな劇場版ドラえもんのシナリオを作る時なのではないでしょうか?
というわけで、ブロスのライターたちで「自分ならこんな劇場版ドラえもんが観たい」というシナリオを考えてみました。
ギャラクシー「ドラえもん のび太と子どもだけのビジネス惑星」
最初に劇場版ドラえもんを考えたのは、最年長のギャラクシー。好きな劇場版ドラえもんは「ドラえもん のび太の宇宙開拓史」。
「ドラえもん のび太と子どもだけのビジネス惑星」
▼ストーリー
夏休みにキッザニアに行ってきたというスネ夫を羨ましく思い、自分も働いてみたい!とドラえもんに泣きついたのび太。ひみつ道具で、地球人が足を踏み入れたことがない、ある星につれてきてもらった。
そこは周辺の星で商業を営む親たちが、跡継ぎの子どもたちにビジネスの感覚を掴ませるために作った『子どもだけのビジネス惑星』だった。
偶然知り合った「ゲストキャラ兄」と「ゲストキャラ妹」に、話を聞いてみると、老舗のおもちゃ屋を継いだばかりなのだが、なかなか商品が売れず困っているという。のび太が地球のおもちゃ(けん玉とか)を教えたところ『そ、そんなすごいおもちゃ見たことない!』と驚かれ、『自分たちの店が軌道に乗るまで手伝ってほしい』と頼まれたのだった。のび太はしずかちゃんやジャイアン、スネ夫も呼び寄せ、企画会議をしたり、仕様書を書いたり、ひみつ道具の「かんたん工場セット」でおもちゃを作ったりするが、ライバルおもちゃ屋が妨害工作をしてきて……
▼見どころ
ゲストキャラ妹との、大人みたいなデート(こども専用BARや、異星ならではの珍妙なバカンス、ゴルフに相当するスポーツなど)。ちなみにのび太とゲストキャラ妹がデートするのを見て、ちょっと嫉妬するしずかちゃんもかわいい。
「もう僕たちがいなくても大丈夫だね」といってゲストキャラに別れを告げる名シーンが泣ける。
商品発表会でひみつ道具「名プレゼンメーカー」を使って素晴らしいプレゼンを披露しようとするが、ドラえもんがプログラムを間違えてワケのわからない大爆笑プレゼンになるシーンが最高。
▼ラスト
子どもだけのビジネス惑星で大人のつらさや社会人の大変さを学んだのび太は、居間で寝転んでテレビを見る両親に、「いつもありがとう」と声をかけ部屋に去っていく。
パパ「なんだあいつ? 熱でもあるのか?」
ママ「さあ? でもなんだかあの子……少し大きくなったみたい」
武田鉄矢の曲が流れてfin
ダ・ヴィンチ・恐山「ドラえもん のび太と大江戸からくり絵巻」
続いては小説家としても活動するダ・ヴィンチ・恐山。好きな劇場版ドラえもんは「ドラえもん のび太の魔界大冒険」。
「ドラえもん のび太と大江戸からくり絵巻」
▼ストーリー
のび太たちの間ではチャンバラごっこがブーム。ドラえもんに頼んで、タイムマシンで江戸時代を観光することにした。城下町に大興奮するのび太一行だったが、ひょんなことから発明家・平賀源内とその弟子の少年、天介に出会う。かれらは画期的な発明で世の中を良くしたいと言うが、封建的な江戸幕府はそれを許さないのだという。
過去人に深く関わるのはご法度であったが、奇妙なからくりに興味津々の源内に同情したのび太。絶対に秘密にするという約束つきで未来のひみつ道具を見せて教えてあげた。目を輝かせる源内と天介。秘密道具に心を奪われた天介は、のび太たちが眠っている間にこっそりポケットからひみつ道具通販カタログを取り出して眺めていた。
翌朝、源内宅に奉行所の者たちが押しかけてきた。奇妙な青ダヌキを見たという通報があったのだ。慌てて現代へ帰ろうとするドラえもんたち。天介はカタログを返しそびれてしまう。
ところが、現代への道のりでタイムマシンが「パラドックス・エラー」を起こして墜落する。着陸時点はたった1年後だったが何かがおかしい。江戸は様変わりしていた。謎のからくり仕掛けが街を支配し、江戸城は禍々しい形に……!
再び出会った「1年後の天介」によると、奉行所の悪徳奉行、黒腹主水(くろはらもんど)が未来のカタログを取り上げてひみつ道具を呼び出し、思うままに江戸を支配してしまったらしい。武士たちは「ちょんまげアンテナ」で操られており、からくりロボットが民衆を無理やり働かせている。捕らえられた平賀源内は江戸城でひみつ道具をコピーしたからくりを作らされている。このままでは、日本の未来が変わってしまう!
戦いを決意したドラえもんたちは江戸城に乗り込み、町民たちを引き連れた大合戦を始める……!
▼ラストシーン
天守閣で戦う。最後の最後でドラえもんサイドが追い詰められるが、天介が発明した「えれきてる・改良型」に触れた黒腹が感電したスキを突いて勝利する。
壊れたタイムマシンはなんと平賀源内が直してしまった。別れ際に天介はのび太たちに改めて感謝し「今度は自分の力で、みんなを幸せにできる発明をするよ」と約束する。のび太たちが未来に帰るとタイムパトロールの手で歴史が修正され、彼らに出会った記憶ごと失われた。
「なんだ天介。その妙な図は?」
「源内先生……。寝起き、頭に浮かんだ発明でございます。からくり仕掛けで動き、人の良き友となるのです。いかに作るかは、まだわかりませんが……」
「ハハハ。天介。お前は全く”奇天烈”なやつだ……」
「作ってみせますとも。いつか」和紙に描かれているのは、ちょんまげのついた二頭身の……。
▼見どころ
●意外と映画では時代劇モノをやっていないドラえもん。そろそろ来るんじゃないでしょうか。
●のび太たちの先祖(顔がそっくり)が出てくるお遊びももちろんあります。
●江戸に馴染むためにちょんまげを結った「ドラ右衛門」とか、名刀電光丸が自動的に戦うのび太のコミカルなチャンバラとか、くのいちになって城に忍び込むしずかちゃんとか、庄屋の息子のスネ夫の先祖とか、見どころもいろいろ作れるはず。
●クライマックスは江戸町民を味方につけた乱戦になります。敵が未来のひみつ道具を使いまくるのに対して、源内先生が作った手作り感あふれカラクリを駆使して迎え撃つ展開があったらアツい。
●最近『ひみつ道具博物館』を観て「そういう同人誌みたいな後出し設定、アリなんだ」と感動したので、コロ助のモデルがドラえもんで、天介は幼少期のキテレツ斎様だった、というオチにしました。
●主題歌は米津玄師だと思います。まだやってないですよね?
加藤「ドラえもん のび太の時空狙撃手(タイムスナイパー)」
ブロス編集長の加藤。好きな劇場版ドラえもんは「ドラえもん のび太のドラビアンナイト」。
「ドラえもん のび太の時空狙撃手(タイムスナイパー)」
▼ストーリー
授業の一環で、適職診断をすることになったのび太のクラス。スネ夫は経営者、ジャイアンはスポーツ選手、しずかは教師などが発表される中、のび太は「適職なし」と判断されてしまう。
落ち込みながら下校するのび太のもとにタイムパトロールが訪れ、「これまでのキミの数々の功績から、ぜひ時空犯罪を抑止するための手助けをしてほしい」との依頼を受ける。「ぼくの射的の腕は超一流なんだ!未来には人々を守るための輝かしい職業があるじゃないか!」と意気込むのび太だが、子どもに犯罪者を捕まえさせることにドラえもんは反対。しかし、自分を頼るタイムパトロールを前に、ドラえもんの制止を振り切ってのび太はついて行ってしまう。
着いたのは未来。「ある男が未来を大きく狂わせる法案を通してしまうので、のび太くんにこの”撃たれたものをバカにしてしまう”『バカ弾』を狙撃して食い止めてほしい」と言われ、タイムパトロールから仕事をするための秘密道具(ヒラリマントと透明マントを重ねたローブ、石ころヘルメット、空気狙撃銃など)を渡される。離れたビルの隙間から、のび太は見事狙撃を成功させる。「素晴らしい!君の狙撃の腕はやはり超一流だ!」煽てられ喜ぶのび太を、タイムパトロールは次への仕事へ向かわすのだった。
一方そのころ、留守番中のどらえもんの元へやってきた別のタイムパトロール隊員。しかし、いつもの制服ではなく、みすぼらしいボロを着ており「時間犯罪者によって、タイムパトロールが消滅してしまった…」と話す。のび太の元に現れた隊員はニセモノの時間犯罪者で、任務と称してタイムパトロール結成にかかわる重要人物を狙撃させられたと言うのだ。
のび太の狙撃を阻止するべく、立ち上がったドラえもん、ジャイアン、スネ夫、しずかは、秘密道具を駆使して完全武装したのび太に挑むものの失敗…。のび太に敵う狙撃手を探すが見つからず、10年後の未来、大人になったのび太自身を訪ねることになった…。
▼見どころ
のび太が敵になるという展開があまりなかったので、悪落ちせず、あくまで「いいことをしている」という体で最強の敵になってもらうと盛り上がるんじゃないかなと思いました。ネットでも、のび太の狙撃や早打ちの技術が異常であることはよくネタになっているので、公式でやるとオールドファンやネット民も食いつくのではないでしょうか。
タイムパトロールがいなくなることで、これまでの映画で出ていた敵役のギガゾンビや恐竜ハンターなどが再登場するのもアツい展開になる気がします。
のび太と、大人になって堕落したのび太(オンラインゲームのFPSが異常に上手い)の対決なんかもカッコいいはず…。
原宿「ドラえもん のび太のマジキショウォーターサーバー」
最後は、オモコロ編集長やマンション理事長などで活躍する原宿。好きな劇場版ドラえもんは「ドラえもん のび太と竜の騎士」。
「ドラえもん のび太のマジキショウォーターサーバー」
▼ストーリー
「ドラえもん、ウォーターサーバーから汲んだ水を無理矢理容器の中に逆流させて戻すのってダメなのかな?」
いつになく真面目な顔でそんな疑問を口にするのび太。
「こいつの力になってやりたい」
そんな男の横顔にほだされたドラえもんは、ひみつ道具「時限双逆流・漸(じげんそうぎゃくりゅう・ぜん)」を取り出し、のび太が口をつけたウォーターサーバー(クリクラ)の水を、容器の中に逆流させる。しかしコップの中に「オオグチムカデカビ」という知能を持っためちゃくちゃ気持ち悪いカビの胞子が付着していたことから、2週間も経つと野比家のサーバー内は気持ち悪いカビでいっぱいに!
「お前んちのウォーターサーバー、ジャクソン・ポロックかっつうの!」
と、ユニクロとコラボするまでジャクソン・ポロックを知らなかったジャイアンを衝動的に空気砲で18メートル吹き飛ばしてしまったのび太は、自分やドラえもんの中に潜む暴力性と向き合う決意をする。そこに28世紀から「蛾笛衛門(がぶえもん)」と名乗るドラえもんとは似ても似つかぬ去来(きょらい)型ロボットがやってきて…?
すいません、一番眠たい時間帯に書いてしまいました。
みんなも自分の「劇場版ドラえもん」を考えてみよう!
あなたが気に入ったプロットはありましたか?
なかったら、ぜひ自分でも考えてみてくださいね! 勝手に想像すること自体は自由なはずだから…。