ブロス編集部です。
編集部メンバーがここ最近読んで面白かった漫画を紹介するコーナーのお時間です。題して「今月の読良漫(よよまん)」です。
それでは早速2020年5月に編集部メンバーの「読良漫(よよまん)」をご紹介しましょう。
■ドイツの日常エッセイ漫画!「ベルリンうわの空」
ベルリンうわの空(香山哲)
【オススメ人:ギャラクシー】
ドイツ在住の作者が、特に何もしないまま過ごしている日々の生活を描くエッセイコミック。一応大きな筋道としては「この街に貼られている変なシールは何なのか」を探るというのがあるが、正直それはどうでもよくて、ただただ知らない街で快適に生活する工夫や考え方などの様子が描かれている。
ありがちな「日本と比較した時の物珍しさ」的笑いやインパクトを廃してて、ドッシリ「生活」に全振りしててすごく好き。
全1巻で読みやすい!試し読みはこちらで読めますよ。
■日常を暮らす魔女!「ふらいんぐうぃっち」
ふらいんぐうぃっち(石塚千尋)
【オススメ人:ARuFa】
真琴ちゃんという女子高生が、一人前の魔女になるために又従兄弟である倉本家に居候をし、そこでの日常を描いた「日常×魔法」のマンガです。
とはいえ、ド派手な魔法が出てくるという描写はほとんど無く、割合でいうと日常7:魔法3くらい。日常に魔法が溶け込んでいるといった感じで、何の魔法も使わずにただ天ぷらを揚げるだけの話もあります(すごい)。そして、僕がこのマンガのどこに惹かれたのかというと、『魔法のリアルさ』が丁度良いんですよね……
真琴ちゃんは魔女なのでほうきで空を飛べるのですが、ホームセンターにほうきを買いに行く回では、「竹製のほうきは癖が強い」という知見をポロっとこぼしたり、ほうきに長時間またがるとケツが痛くなるという『魔女あるある』を、同じ魔女である姉に相談したら、「ほうきは重力を切り払う道具だから、別にまたがらなくても片手で持ってるだけで身体ごと浮く」というアドバイスをもらったりと、精度の高い『っぽさ』のディテールが好きでした!!
なんなら家庭の便利グッズの延長上くらいの扱いで魔法を使うのですが、その地味さが醸し出すリアリティが良いんですよね……
小さい頃に結構マジで魔法使いに憧れていた過去があるので、同じような方は好きだと思います!!!!
第1話は「マガポケ」で試し読み可能!アニメ化もされてるぞ
■自伝エッセイ!「かくかくしかじか」
かくかくしかじか(東村アキコ)
【オススメ人:長島】
漫画をほとんど読んでこなかった人生なのですが、漫画好きの人から「これは長島さん好きだと思う」とおすすめされて読みました。
作者である東村アキコ先生の生い立ちから人気漫画家になるまでの自伝エッセイ漫画なのですが、生きてきた時代がほぼ同じで、ぼくも当時芸術系の大学に進学したというのもあって感情移入しやすく、熱量高いまま読めました。(全五巻というも読みやすかったです!)
読み終えてからも熱が治まらなかったので、登場人物を一通りググったり、舞台になってるところをグーグルマップで散歩したりして色々想像したりしました。
東村先生の作品を一通り拝読したいという気持ちも高まり、今は「東京タラレバ娘」を読んでます。
第1話は「ジャンププラス」にて!
■プロ棋士を目指せ!「リボーンの棋士」
リボーンの棋士(鍋倉夫)
【オススメ人:永田】
「まっ! ふざけたタイトル!」と思ってたのですが、読んでみたらめちゃよしでした…。確かにこれは「リボーンの棋士」としか言えないわ…。
年齢制限によって奨励会(将棋プロ棋士の養成機関)の退会を余儀なくされた主人公が再びプロ棋士を目指す話です。
めちゃくちゃ狭き門で苦しい道らしいのですが、主人公が悲壮感を一切感じさせない明るい性格なので(1話目でクヨクヨしたところから一気に吹っ切れる)、気持ちよく読んでいけます。
僕が好きなのは、主人公とは正反対に悲壮感MAXの土屋くんというキャラクター。主人公はある種の将棋好きの理想を体現してると思うんですが、土屋くんはよくない方の現実を体現しています。めちゃくちゃ母親に当たり強い内弁慶だし。
土屋くんは元奨励会員であることにプライドを持っていて、明らかに未成熟で無礼な感じなんですが、将棋に対しては熱くて真っ直ぐという、「この漫画、絶対コイツの成長譚じゃん!」と思わせてくれるキャラでとてもいい感じです。まだ全然連載中なので、成長譚じゃなかったらすみません! 次の巻で交通事故で死んだりしてたら泣いちゃうな。
「プロ棋士の編入試験」というテーマも実際に、今年の2月に元奨励会員で退会後も将棋のyoutube配信をしていた方がプロ編入試験に合格されていて、時勢的にもちょうどいい感じがするのでぜひ!
こちらも「ビッグコミックブロス」で第1話が無料!
■また来月
また来月、「読良漫(よよまん)」をご紹介させていただきます。
それではさようなら。