皆さんは「マーダーミステリーゲーム」をご存知ですか?
複数人で遊ぶ新しい推理ゲームで、我々もどっぷりハマっているところです。
今、中国でブームになっていると話題のマーダーミステリー。
日本ではまだ「知る人ぞ知る」に留まっていますが、ここ半年で注目度も知名度も上がっており、近い将来ムーブメントを巻き起こす気配がビンビンです。
人狼ゲームやリアル脱出ゲームの次はこれがくるんじゃないかと勝手に思っているので、せっかくなのでここで紹介させてください。
【目次】
マーダーミステリーゲームとは?
簡単に言うと「推理小説の登場人物になる」ゲームです。
とある殺人事件に巻き込まれたキャラクターになりきって、みんなで事件の真相を解き明かそうぜ! という体験型の推理ゲーム。
主に大勢でワイワイやるタイプのゲームで、中には総勢10名で遊ぶものもあります。
みんなでガヤガヤ話し合いながら事件を解決に導くのですが、中には犯人がいてその場を逃げ切ろうとしたり、別の思惑を抱えた人物が潜んでいて場をかき乱したり…と、一筋縄ではいきません。
ここまで聞くと「キャラになりきるなんて恥ずかしい…」「ちょっとそういうのは苦手だな」と思う人もいるかもしれませんが大丈夫!
「なりきる」とはいっても、別に演技したり役に入り込む必要はありません。
みんなで協力し合ったり疑心暗鬼に陥ったりながら事件の真相を追っていくうちに、自然と熱が入っていつの間にか楽しくなっちゃってる…それがマーダーミステリーゲームです。
マーダーミステリーの遊び方
マーダーミステリーをプレイするには、公演しているお店へ行き、店員さんにゲームマスターになってもらう店舗型と、梱包版を購入して自分たちでプレイするパッケージ型の2種類があります。
今回は試しに「約束の場所へ」というパッケージ版をプレイしてみました。
マーダーミステリーは事件の真相を解き明かすのが目的なので、一度クリアしてしまうともう二度とプレイすることができません。
今回は、完全ネタバレなしの状態で進みますのでご安心ください。
1.メンバーを集めよう
「約束の場所へ」のプレイ人数は6名。
総プレイ時間は2時間ほどという骨太なゲームです。マーダーミステリーゲームは、だいたいこれくらいの時間はかかるので覚悟しておきましょう。
2.配役を決めよう
登場人物のプロフィールと簡単な台本
まずは自分がなりきるキャラを決めます。男女のキャラがいますが、性別を一致させる必要は特にありません。
ちなみに、この「約束の場所へ」はゲームマスターが存在しないタイプのゲーム。進行役を立てる必要もなく、みんな同じ気持ちでプレイできます。
3.台本読み込もう
どのキャラを選んだか分からないように加工しています。
次にそれぞれの台本を読み込みます。台本には、自分が選んだキャラの性格や他キャラとの関係性などが書かれていたりします。
一人一人違う内容になっているので、他人に見せたり、盗み見たりはNGです。
また、事件当日の行動が羅列されているので、これもインプットします。
前日の10時ごろは○○した、そのあと11時半まで▲▲と一緒にご飯を食べた…とか、そんな感じです。
犯人役の台本には殺害の動機や手口などが書かれており、この段階で「うわっ! 俺が犯人かよ!?」と発覚するので、この時間はめちゃくちゃドキドキします。
こいつ犯人っぽくね?
初めての人はここで「こんなの覚えきれない!」 とパニックになりがちですが、大丈夫!
台本はゲーム中に何度も読み返すことができます。初めはなんとなくでしか把握していないこともゲームが進むにつれて自然と頭に入っているので、「こういうの苦手なんだよな…」という人もご安心ください!
この後、簡単な自己紹介をしたらいよいよ捜査開始です!
4.捜査を始めよう!
テーブルには事件の真相に近づくための証拠などが記されたカードが伏せられています。
自分の行動チップを支払うことで、このカードをゲットすることができます。様々な情報を集めて事件を解決に導きましょう。
カードの情報を集めて真相に近づこう
このゲームのメインミッションは「事件の真相を解明すること(犯人はそれを隠し通すこと)」
しかし、実はそれに加えて隠された別の目的(サブミッション)があります。
例えば、隠し通さなくてはいけない事実を抱えているとか、ゲーム終了前に○○しなければいけないとか。それぞれの思惑が絡み合うため、必ずしも全員が協力し合えるとは限りません。
彼はこのカードをオープンにすると自分にとって不利になると判断したようです。
ただ、情報を隠した結果、みんなの信頼を失い犯人だと疑われることになりました。
マーダーミステリーの醍醐味は何といっても公開討論!
事件当時の行動を洗い出したり、みんなが手に入れた証拠品を元に推理を進めたり、発言の矛盾を追求したり…。
「難しいこと考えるのムリだから向いてないかも…」と思うかもしれませんが、これはあくまでミステリーの登場人物になるゲーム。キャラになりきって会話していると自然と推理が進むのでそんなに深く考えなくても大丈夫です。
二人だけでヒソヒソ話
少人数でこっそり情報交換するという「密談」システムもあります。
誰にも知られたくない質問をしたり、犯人っぽいやつに揺さぶりをかけたり、弱みを握っている相手と交渉したり…。
自分が有利になるように立ち回ることが、情報戦を制するカギになります。あまりに密談しすぎると怪しまれるので、この辺のバランス感覚も重要です。
さっき隠していたカードを交渉材料に
自分だけが知っている情報を使って、他人との交渉を進めることもできます。
こっそり協力関係を結んだり、共有している秘密を守るために口裏を合わせたりして、このゲームを支配しましょう。
めっちゃウケてる。どういう情報???
だんだん真相が明らかになっていく
終盤になるにつれて、次第に事件の輪郭が見えてきますが、それが真実なのかはまだ誰にも分かりません。
「コイツが犯人で決まりだ!」と思っていても、みんなの情報を整理すると思わぬ人物が容疑者候補に浮かび上がってきたりします。
メモ用紙やペンなどを用意しておくと便利かもしれません。
早々に推理を諦めたプレイヤーのメモ
真面目にやってくれ。
5.事件の真相を暴こう!
時間切れになると推理&投票タイムに
最後はそれぞれが自分の推理を披露して、犯人だと思う人物を指名します。完璧な推理をしなくても「なんか発言が怪しかったから」みたいな直感的な理由でもOK!
ただし、犯人逮捕のためには疑わしい人物に単独最多表を集めなければいけません。他人の推理が正しいかを見極めたり、自分の推理に説得力を持たせたりするのがコツです。
犯人はコイツだ!!
投票の結果、今回は一人の男に全員分の票が集まりました。
疑われたのはこの後ろにいる坊主頭
・議論中、不自然に別の話題に逸らそうとしていた気がする
・とある証拠品についての説明が納得できなかった
・「…で、みんなは誰が犯人だと思うわけ?」としきりに確認していた
・シルエットがコナンの犯人に似てる
様々な理由から犯人と思われてしまいましたが、果たして…?
あぁ〜!!!!
ということで、今回は見事犯人を的中させました。なんて無様な犯人だ。
ちくしょう!! と泣き崩れる犯人
サスペンスドラマとかでよくある「犯人の見苦しい言い訳」が生で見られるのも楽しいです。
推理小説やミステリー映画では、僕らも「あ、コイツが犯人なんだ。ふ〜ん」と第三者目線から抜けきれない感があります。しかし、マーダーミステリーではみんなの力で犯人を追い詰めるので、それだけ事件を解決したときの爽快感はひとしおです。
マーダーミステリーは終わった後も楽しい!
「あの時こうしてれば…」「実はあの時こう思ってた!」などを語り合う感想戦も盛り上がります。
プレイ時間中では詰めきれなかった事件の詳細などを答え合わせするのもオススメ。ゲーム終了後もたっぷり楽しめるのがマーダーミステリーの魅力なのかもしれません。
マーダーミステリーを買おう!
今回遊んだ「約束の場所へ」以外にも、買って遊べるマーダーミステリーは例えばこれだけあります。
人生で一回しか遊べない貴重なゲーム。ぜひ友達と集まってやってみてください。
マーダーミステリーはどこで遊べる?
パッケージ版を買うだけでなく、直接お店に行ってゲームマスターに仕切ってもらいながらゲームを楽しむという方法もあります。リアル脱出ゲームをイメージすると分かりやすいかもしれません。
進行やルール説明をプロに任せることができるので、ミステリーの世界にどっぷり浸かることができ初心者でも安心です。
無理に人数を集めなくても、お店でプレイヤーを募ってくれるので1人から参加することも可能。「そんなに人数集められるかよ!」という人も安心です。ただ、どこも人気ですぐに予約が埋まってしまうので、行きたいと思ったら即決したほうがいいかも!
以下、オモコロブロス編集部が実際に遊んできたお店を紹介します。
マーダーミステリーゲームがプレイできる場所はだんだん増えてきていますが、ここで紹介する2つは聖地みたいなものなので、ぜひ一度行ってみてください!
ディアシュピール(東中野)
顔出しNGのライターがいるのでブルテリアで隠してあります。
日本におけるマーダーミステリーゲームの発信地。JR東中野駅から徒歩1分ほどにあるボードゲーム専門店です。
王府百年
マーダーミステリーの火付け役となった、最も有名なシナリオです。シンプルでわかりやすいので、初めてプレイするならまずはこれを試してみるのがいいと思います。
ただ、中国原産のゲームなので、登場人物の名前が複雑でそこだけ注意が必要です。慣れるまでやや混乱するかも?
(プレイ人数7〜9名/プレイ時間3時間〜/参加費1人3,000円)
六花が空を覆うとき
日本人が作ったこのお店だけのオリジナルシナリオ。「雪山のペンションで起きた殺人事件」というかなり馴染み深い設定なので分かりやすいと思います。
店舗型ならではの演出や展開もあり、単純な推理もの以上の面白さがあります。友達同士で集まり、貸し切ってプレイするとめっちゃ楽しいです。
(プレイ人数8〜9名/プレイ時間3時間〜/参加費1人3,500円)
他にも
業火館殺人事件
などが公演中!
ラビットホール(新宿・渋谷・池袋)
顔出しNGのライターがいるので海の幸で隠してあります。
新宿にある日本初のマーダーミステリー専門店。現在では渋谷・池袋の計3店舗があります。
ブロス編集部が行ってきたのは新宿店でした。
双子島神楽歌
個人的には、初めてのマーダーミステリーがコレだったという思い出補正も込みで一番オススメ。真相にたどり着いた時みんなで「うおー!」と鳥肌総立ちになって、すごく楽しかったです。
(プレイ人数8〜10名/プレイ時間3時間〜/参加費1人4,000円)
他にも
ヤノハノフタリ
聖剣王殺〜円卓の騎士と2つの決断〜
「アイとアイザワ」フライト・ゲーム
SUN DOG
妖狐の村
と、目白押し!
お店の周りには居酒屋が多かったりするので、終わった後の感想戦がやりやすいのもいいですね。
無料で遊べるマーダーミステリー
インターネット上で無料公開されているシナリオもあります。
初めてで有料はちょっとハードルが高い…という人は、この辺でお試しプレイしてみるのもいいかもしれません。
2人で遊べるシナリオです。人数集めが大変なマーダーミステリーにおいてこれはありがたい! 「そんなの可能なの!?」と思いきや、しっかり楽しめる出来になっています。
プレイ人数2名/プレイ時間1時間
翻訳者の水谷さん(@T_Mizutani)が中国のフリーシナリオを日本語訳してくださった代物。無料とは思えない完成度です。いいのかタダで。
プレイ人数5名/プレイ時間1時間
「超能力者による殺人事件」という厨二心をくすぐられる設定がいいですね。
プレイ人数5名/プレイ時間1時間
オタク仲間で酒飲みながらプレイしよう! オンラインで楽しむためのツールをだいぶ丁寧に紹介してくれているので、一度やってみる価値あり!
プレイ人数4名/プレイ時間1〜2時間
待望のアプリ版! このアプリ一つで9つのシナリオが楽しめるとのこと!
今のところiOS版しかリリースされていないのが残念ですが…。
最後に
プレイ中はお腹が空くので、チョコや飲み物などを持ち込むのがオススメです。