追記

本記事公開以降にONE PIECEに登場した落語ネタを紹介します。

 

 

第692話 ”大名と家臣”

週刊少年ジャンプ(51) 2019年 12/2 号 [雑誌]

「修理代金を請求しましょう!!」「まあ…”天災”が通ったと思え」

──康イエ 週刊少年ジャンプ(51) 2019年 12/2 号より

宿泊した部屋をめちゃくちゃにした光月おでん。彼の所業を「天災の仕業と思って諦めろ」と諭すシーン。

 

このセリフの元ネタは…天災という落語です。

三遊亭歌武蔵 大 落語集 天災/お菊の皿

【あらすじ】

短気でケンカっ早い暴れん坊の男。その短気っぷりを治そうと心学(道徳・倫理学みたいなやつ)の先生の元へやってきた。

「腹が立つことがあっても、天の仕業だと思えば我慢できる」という格言を授かり、すっかり関心した男はさっそく友人にも聞かせることに…。

 

何事も人のせいにせず、天のせいにする。嫌なことがあっても天災だと思って諦めなさい…みたいな教えで短気な男を説き伏せる落語です。

 

ちなみにこの「天災」は「おうむ返し」と呼ばれる王道パターンで構成された落語。

頭のいい人に何かしらを教えてもらった男がそれをマネをしようとする…しかし、根がアホなので全くうまくいかない…というやつです。子ほめとか時そばとかがそうですね。

このタイプの落語は「物事を教わる前半パートに笑いが少ない」という弱点があるので、個人的にはオススメしにくい噺ではあるのですが、「天災」という教えについて「ほぉ〜ふむふむ」と聴き入ってしまえば(前半を前フリではなく、知識やうんちくを得るパートだと意識してしまえば)、あまり気にならないかもしれません。

余談ですが、この「天災」に出てくる先生の名前が「紅羅坊 奈丸(べにらぼう なまる)」と妙にカッコいいので、この名前だけでも覚えて帰ってください。