こんにちは、山口むつお(33)です。
僕の青春時代である2000年初頭のファッションは、めちゃくちゃオーバーサイズの時代で「腰パン」文化が最も激しかった時代でした。今日はその頃の話をします。
※下着のパンツとボトムスとしてのパンツがごっちゃになるので、下着のほうを「パンツ」ボトムスのほうを「ズボン」と呼ぶようにします。
腰パンとは?
腰パンとは、ズボンをずり下げて履くことです。今では腰履きと呼ばれていますが、僕の中で腰パンは、もっともっとずり下げて履くイメージです。
By ZoAmichi Kai (DSC_1731) [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons
こんくらい。もうね、ベルトを締める位置が尻の半分とか、ひどいと尻の下とかだったから。そんな状態なもんで、かがむと尻がフルMAXではみ出します。今は見なくなったけど、当時はこれが結構普通だったからね……。
あともう1つの特徴は、めちゃくちゃでかいサイズのズボンを履いていた、ということです。ちょっと大きめとかじゃないですよ?普段30インチを履いてる人だったら、36インチとかのレベル。6インチも上のサイズを選んでいたのです。腰回り余りすぎ。よくダイエットで「痩せたらジーパンがこんなに余った!」という写真を見た事があるかと思いますが、あれを無理くり履いてるような感じです。
もっとだな……。
これくらい余ってました。
ベルトで締めると、余った生地がゴワゴワして気持ち悪いし、そもそもちゃんと歩けません。ズボンがずり落ちないよう、がに股でのっしのっしと歩くのがこの時代の常識だったのです。
また、下にずらしているぶん、股下の長さがめちゃくちゃ余るので、そのままにしておくと裾を引きずってしまいます。
そこで、当時はハイカットのスニーカーを履き、余った裾をダブダブっとさせて乗せておくのが主流でした。「クッションを作る」とか言われてたような気がします。
スニーカーはNikeのDUNK SBや、同じくNikeのエスケープシリーズと呼ばれるものが人気でした。
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— 山口 むつお (@e_yamaguchi) 2016年10月2日
※当時エスケープシリーズは10万くらいの値がついた。
裏原系の「HECTIC」「MASTER PIECE」「ROCSTAR」や、恵比寿系の「SWAGGER」「balanceweardesign」「MACK DADDY」といったブランドなんかは、腰履き率が特に高いブランドでした。
特にROCSTARのズボンは、ものによっては半端じゃないくらいウエストが大きかったです。39〜40インチくらい(100cm前後)あったからね!
どれだけ大きいサイズにも対応する「カリスマ履き」とは
このあまりにも大きいサイズのズボンを履くためにどうすればいいのか……その画期的な解決方法が発明されました。正式名称はわからないのですが、僕の地元では「カリスマ履き」と呼ばれていた履き方です。
どういうものかというと、前のベルトループ2つと、後ろのベルトループ1つにだけベルトを通します。
すると、余った生地は横に逃げます。これによってゴワゴワが解消され、履き心地がグッと快適になるのです。どれだけ大きくても、横にどんどん逃がせばいいので、どんなサイズのズボンでも対応が可能になりました。ちなみに普段30インチくらいだった僕は、カリスマ履きによって38インチのズボンを着用していました。
こうやって僕らは、世間様にパンツをチラチラ見られながら毎日を過ごしていたのです。
腰パンの終焉
このように一世を風靡した腰パンですが、海外のヒップホップのファッションがどんどんタイトなサイズになっていく事で、日本でもその数を減らしていきます。おそらく2005年から2006年くらいの話。その時人気だったカニエ・ウェストやファレル・ウィリアムスの影響が大きかったような気がする。
※2007年になると、もう全然ダボダボしていない
こうして腰パン文化は急速に消えていったのでした。
そして僕は2006年に東京で就職し、ファッションの流行とは関係なく、社会人となったことで腰パンを自然とやめていきました。そして昔ほどファッションにお金をかけなくなり、今ではユニクロのパックTにセールで1290円くらいで買った短パンで毎日を過ごしています。
全身で2000円ちょいの私。
今思えばパンツ見せながら歩いているので「すごい事してたなぁ」と思いますが、ファッションって流行を繰り返すものらしいので、またいつかそういう時代がやってくるかもしれません。