激安扇風機(約2000円)が故障した。
金額も金額なので未練もない。コンセントを抜くなど安全を考慮した上で、工具が好きな2歳の子どもと一緒にバラバラにした。
扇風機を解体した
ネジが多かった。
解体といっても、ネジを回す行為がおおよそ9割だった。
残りの1割は、風で吹き流されたネジを拾う作業である。
扇風機の後頭部らへんをネジでこじ開けると、モーター部分が露になった。
赤茶色のコイル、鼠色のコードがぐるぐるとまかれ、中央の金属はラード状の油にまみれていた。
油とほこりが混じった、どこか懐かしい匂いだった。簡単に言うと臭かった。
モーターのあらゆるネジを外しきった。これ以上は先に進めないようだ。
コイルは謎の縛り方でガチガチに固定されている。
発見だったのが、「扇風機の首振りの原理」である。
我々が普段目にしているのは、親指が触れている、キノコっぽい部分だけだ。
ここを押すことで、右側の歯車と歯車が噛み合い、首振りをコントロールしているらしい。
もし扇風機を作るとしたら、重要な手がかりになるだろう。
つづいて、操作パネル内部をこじあけた。
ちょうど、操作パネルの裏面に当たる部分に美しさを見出した。
プリント基板である。
夕日がはんだ付けされた金属箔をキラキラと照らしている。
ちなみに「QCOK」と書かれた謎の丸いシールは、品質に問題ないことを示す、Quality Control OK(クオリティコントロールオッケー)の意味だと推察する。ちなみに今回の故障は電気回路とは関係ないため、「QCOK」で間違いない。
最も驚いたのは反対側だ。
厚焼き玉子のような物体や、小さいこけしのようなパーツが盤上に拘束されている。
ごちゃごちゃして見えるが、よく観察すると整然としている。
基盤の文字を見てみよう。
中央の下部にある「ON/OFF」「SPEED」「TIME」「RHY」は、それぞれ扇風機の操作ボタンの位置と対応している。
風量はVOLUMEではなくSPEEDだ。つまり「風量はモーターの回転速度が関係している」ということである。この情報を知っているだけで扇風機博士と名乗れよう。
最後に残った疑問
基板には1998/9/28と謎の日付があった。
その20年後の2018/9/28は、扇風機が壊れた日であった…。
これは偶然・・・?
それとも・・・・・。
で、本当は何の日なの?