こんにちは、もりれいです。
私たちは、日常会話の中で無意識に慣用句を使うことがあります。
そう、例えば「もうちょっとオブラートに包んだ言いかたをしてくれてもいいのに」とか。
慣用句なので深く考えず使っていますが、実は「オブラート」ってもう実物を見たことのない世代がいるという噂を聞いたことがあります。
私自身、もう何年もオブラートの実物なんて見ていません。
オブラート
粉薬を包んで飲んだり飴を包んだり…とにかくそっと包むやつ、それがオブラート。
こんなふうに、実物をよく知らないで使っている慣用句がほかにもあるのでは…??
と思ったので調べるとけっこうありました。
実物のオンパレードをどうぞご覧ください。
慣用句に出てくる実物がよくわかんないもの集めました
その1 バロメーター
「睡眠は健康のバロメーター」とか言いますね。
バロメーターって…まぁなんか測るのかなぁ…転じてめやす的な意味なのかなぁ…とやんわり思っていませんでしたか?
さあ、バロメーターの実物がこちらです。
バロメーター
気圧計。晴雨計。転じて、あるものごとの現在の状態をさし示すめじるしとなるもの。(google検索より引用)
バロメーターの正体は気圧計でした。
気圧を測るものをバロメーターって呼ぶことはあまり知られていないと思うのですが、バロメーターという言葉はみんなが知っているというのも不思議な話です。
Amazonで買えるのもなんかウケますね。
それではどんどんいってみましょう。
その2 レッテル
「レッテルを貼るのはよくない」とか言いますね。
レッテルって…まぁなんか貼るものかなぁ…あんま貼られたくないやつ…? とぼんやり思っていませんでしたか?
さあ、レッテルの実物がこちらです。
レッテルマークとして、商品にはりつける紙札。「―をはる」(転じて、ある人物や物事に一面的な評価を与える)(google検索より引用)
レッテルの正体は紙札でした。
想像よりずっと可愛かったです。
そもそもはオランダ語の”letter”から来ているらしいので、とくに悪い意味合いは無く「決めつけるのはよくないよ」みたいなことなのでしょう。
レッテルもAmazonで売っているので「本当のレッテル貼りごっこ」などいかがでしょうか。ただの紙札ですがなぜか大人の遊びの匂いがします。
その3 マイルストーン
「で、このプロジェクトのマイルストーンは何かね?」なんて、嫌な上司が言ったりますね。
嫌な上司かどうかはあくまでイメージですが、とにかくビジネスシーンで使われている慣用句だと思います。
マイルストーンって…まぁビジネスにおいてはなんとなく中間目標的な意味合いと理解していましたが、嫌な上司は本当に意味が分って言っているんでしょうか?
マイルストーンの実物、こちらです。
マイルストーン
物事の進捗を管理するために途中で設ける節目をいう。 もとは道路などに置かれ、距離を表示する標識(里程標)のこと。 商品開発やシステム開発など、長期間にわたるプロジェクトなどでいわれることが多い。(マイルストーンとは – コトバンクより引用)
その名の通り、1マイルごとにある石碑のようなものでした。
日本で言う一里塚ですね。
嫌な上司はきっと実物を見たことがないので、海外へ本物を見に行くなり日本の一里塚を見に行くなりすれば、あの嫌な上司に一泡吹かせられるかもしれません。誰か知らんけど。
その4 折り紙付き
「彼のおもしろさは折り紙付きだ」とか言いますね。
折り紙って…鶴折るあれ? って無意識に思っていませんでしたか?
これじゃない…?
実は違いました。
本当の折り紙付きの折り紙の実物は、こちらです。
(使える写真がなかったためイメージイラストでお送りいたします)
折り紙(付き)
紙を横半分に折った文書のことで、平安末期より公式文書や贈呈品の目録として用いられていた。 やがて、公文書にも使われ、江戸時代には美術品や刀剣などの鑑定書に使われるようになり、確かな品質が保証されている物を「折り紙付き」と言うようになった。(google検索より引用)
折り紙付きの折り紙は、目録でした。
目録も実はあんまりピンとこないのですが、現代的にわかりやすくするとコレでしょうか。
もらってうれしいやつ、それが目録。
では、最後の実物を見てみましょう。
その5 試金石
「このことは、今後の我が社の行く末を占う試金石となるであろう」とか社長がよく言ってるような気がします。
社長はあくまでイメージですが、とにかく政治とか会社の経営とか大きな話のときに出てくるスケールの大きなワード…というイメージがあります。
でも良く考えると、試金石って…何??
調べたところ、試金石もAmazonにありました。
ならば、どんどん試金石を買って試金石としていけば政治も会社もうまくいっちゃうんじゃないの? というわけで実際に買ってみました。
はたして、政治や会社がうまくいく試金石とはいったい何なのか?!
試金石の実物、こちらです!!!
ちっさ!!!!!!
試金石、すごいパワーワードだと思っていたのに、実物は想像していたよりずっと小さかったので驚いてしまいました…
もっとなんか、両手で抱える石板みたいなものかと…(※たまたま一番安いものがこのサイズだっただけで、大きいものも売られています)
まだビニールに包まれている状態なので、開けて見てみましょう。
ふむふむ…
!!!!!!!!!!!!!!!!!!
包装から出したら、すごくベットベトでした…大丈夫?
とても政治や会社を任せられるような感じはありません。
なんか成分がお肌に良くなさそうだからもう触りたくないし…
でもせっかく買ったので、気を取り直して本当の試金石の使いかたを調べます。
調べてみると試金石とは、正体がわからない金属をこすりつけてその痕跡を見ることで、その金属の正体を判別する代物らしいです。
なるほど、慣用句として使われるのもうなずけますね。
”リトマス試験紙”という慣用句もありますが、それだとなんとなくスケールが小さいイメージだし、ビジネスにおいてはたしかにこっちのほうがカッコいい気がします。手が汚れるけど。
試金石に18金(左)と銀メッキ(右)をこすりつけてみました。
こうして付いた痕跡の色の違いや薬品をかけたときの反応で金属の種類などを判別するらしいのですが、私は素人なのでさっぱりわかりません。
今ここに「試金石の持ち腐れ」という新しいことわざが生まれました。
結論:実物はふつう、もしくはガッカリ…
慣用句に出てくる実物がよくわかんないものは、実際に見てみるとどれもふつう、もしくはガッカリすることがわかりました。
私たちがふだんいかに言葉に勝手なイメージを抱いているかということのあらわれとも言えますね。
でも、画像とはいえ「マイルストーン」や「試金石」が何であるかを見た以上、明日からは胸を張ってカッコいい慣用句使いになるのもいいかもしれません。
おしまい。