突然ですが「ジンバブエ」の話をさせてください。
By User:Madden – Own work after www.flag.de, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=401911
ろくに地図帳を開いたことのない、ゆとり世代の皆さんでも、やたらと濁点の多いジンバブエって国名くらいは小耳に挟んだことがあるかと思います。
あまりジンバブエをご存じない方は、以下の基本情報を押さえてください。
1)アフリカ南部の共和国/人口約1300万人
By Alvaro1984 18 – Own work, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7423902
2)1980年からロバート・ムガベ大統領が独裁政治を行っている
By Al Jazeera English – Mugabe, CC BY-SA 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=17458170
3)ハンパじゃないインフレで紙幣がマジで紙くず同然になり廃止
4)平和な国ランキング150位/国民の平均寿命54歳
By TwoWings – Own work, CC BY-SA 2.5, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1743149
かようにジンバブエとは政治、経済、社会がひっちゃかめっちゃかな国なんです。
ジンバブエで仰天トラブル発生
そんなわけで、ここからが本題です。
このトラブル大国ジンバブエで、つい先日、新たな問題が起きてしまいました。
人気番組の「月曜から夜ふかし」っぽく紹介するならば…
ジンバブエの独裁者ムガベ大統領の銅像が面白すぎる問題
と名づけても差し支えないほど、一国を独裁するお方の銅像が面白く仕上がってしまったのです。
とりあえず、私の拙い文章では、その面白さを伝えきれないので問題の銅像をご覧ください。
※画像は「DailyMail」のスクリーンショット
横に立たれているのがムガベ大統領
いかがでしょうか?
昭和のギャグ漫画のような、ユルユルのフォルム。
拳を天に突き上げるポーズ。
微妙な傾き加減。
まるで、全力でウケ狙いにきたような完璧な仕上がりではありませんか!!!
この画像を見た日本人ならば、こうツッコまずにはいられないはず。
「ラオウかっ!!!!!」
「我が生涯に一片の悔いなしかっ!!!!!」
先日、この銅像の除幕式が行われると、SNSで画像がたちまち拡散。
Twitterでは#MugabeStatue(ムガベの銅像)のハッシュタグが大人気に。
President Mugabe new statue: let’s find the differences #MugabeStatue pic.twitter.com/fuTHChELGT
— Advisory Desk (@advdesk) 2016年9月13日
The poor chap is probably at Chikurubi prison by now #MugabeStatue pic.twitter.com/UPk8BgUlDH
— Public Protester (@Pasco_e) 2016年9月11日
ガンコ職人系アーティストの言い分
※画像は「Theherald」のスクリーンショット
ムガベ大統領の銅像を制作したのは、彫刻家のドミニク・ベヌラさん。
ジンバブエでは名のしれた芸術家だそうです。
ところが、銅像が公開されると国内外から「あまりにも酷い…」と非難殺到。
ドミニクさんはメディアのインタビューで作品の意図について、こう答えています。
「ほとんどの人は芸術をわかってないんだよね。
これが私のスタイルなわけ。
最初から大統領そっくりの銅像を作る気なんてなかったよ」
ファニーな作品からは想像できませんでしたが、どうやらドミニクさんは職人肌のガンコ系アーティストのようです。
「そっくり似せて作るアーティストもいるだろうけど、それは私のスタイルじゃないのよ。
大統領の仕事だからって、自分のスタイルを変えたら逆に不誠実だろ?」
相手が独裁者だろうと、自分を曲げない一本気な男ドミニクさん。
しかも、こだわりを詰め込んだ銅像の制作には6ヶ月もの時間を費やしたそうです。
決して、ふざけ半分で作ったのではないことをお忘れなく!
一方、モデルとなったムガベ大統領の反応はと言うと、除幕式のスピーチで銅像の出来栄えを称賛したとか。
意外にも気に入っていたようですが、その後、大統領が大嫌いな欧米の白人たちからネット上でイジられまくっているため、現在の心中は定かではありません…