最近、すごくショックを受けた出来事を聞いてほしい。
オンライン飲み会をしていた時のことだ。
そこで友人が「おいしい干し芋を食べたい」と言い出した。
私も子どもの頃に干し芋をよく食べていたので、ふと思い出して食べたくなることがある。袋の中から一番多く白い粉をふいた甘い干し芋を探すのが好きだった。
昔話を交えて友人にそう伝えると、友人は少し間を置いてこう言った。
「かとみさんの言ってる干し芋って平べったくて手の平ぐらいのサイズ?」
そうそう、アゴをフル稼働させないと1枚食べきれないけっこう大きいサイズの干し芋。食べごたえがある、あの干し芋。
友人は続けた。
「ちょっと黒っぽくて、黄色というよりも緑に近い色の?」
そうそう、干し芋でしか表現できない独特な色合いの、あの干し芋。
それで確証を得たらしい友人からひと言。
「かとみさん、それって昔の干し芋ですよ」
む、む、む、昔の干し芋?!?!
本当にショックだった。昔の干し芋って。
いや、干し芋自体に罪はない。昔からみんなに親しまれている定番のおやつなのだから。
ただ問題なのは、私が昔の干し芋しか知らない人間だと思われてしまったことだ。おばさんと思われるよりつらい。もしも「昔の干し芋人間さん」なんて呼ばれでもしたら立ち直れない。
突然のハートブレイクに動揺を隠せなかったが、しばらくして冷静になって気がついた。
友人が「昔の干し芋」と表現したということは、「今の干し芋」もあるということだ。