こんにちは、ライターのギャラクシーです。

上の写真は2018年、取材で鹿児島に行った時の写真です。後ろに桜島が見えていますね。

 

そしてこちらは同年、取材で札幌に行った時の写真です。

 

このように、全国各地を飛び回っている僕ですが、そんな生活を長く続けていると、楽しいことやツラいことがいくつも積み重なってくるものです。

あぁ、同じように地方を飛び回っているライターと、この気持ちを分かち合いたい!

 

というわけで今回は、同志を集め『ローカル取材によくあること』を話し合ってみました!

 

 

▼参加ライター紹介

 取材で食べたおいしいものは「熊本の猪肉」

 取材で食べたおいしいものは「福島の喜多方ラーメン」

 取材で食べたおいしいものは「鳥取の白バラ牛乳のソフトクリーム」

 取材で飲んだおいしいものは「鹿児島の焼酎」

 

ローカル取材によくあること

「今日は男女それぞれ2人ずつの集まりとなりました。ゆったりと大人のおしゃべりを楽しみましょう」

「コンパ?」

「ローカルの取材については、語り合いたいことがたくさんあります」

「良い部分も悪い部分も赤裸々に発表しましょう!」

 

 

ギャラクシーの『よくあること』

「では、『ローカル取材によくあること』……トップバーターは僕から。こちらです!」

 

ドーン

 

ローカル取材のもっともキツい点は『移動がダルい』ことだと思うんですが……異議はありますか?」

「異議なし」

「あるある」

「そこでお聞きしたいんですが、移動のダルさがマックスの地域……ちょうど遠い地域』ってありませんか? 例えば東京から広島なんて、新幹線だと5時間かかるんですよ」

※自宅最寄り駅から広島駅までの時間です

「北海道に行くより時間かかるじゃないですか!」

「飛行機で行ったらだめなんですか?」

「ところが飛行機も、空港から市街地までが遠いせいで合計4時間近くかかるんです」

※自宅最寄り駅から広島駅までの時間です

「ちょっとスマホで調べてみていいですか?……ほんとだ! 広島空港から広島駅まで1時間以上かかる。福岡空港なんて5分で博多駅に着くのに!」

「飛行機って、30分前にチェックインしてなきゃいけないとか、何かと待つ時間がかかりますよね。新幹線と違って席も狭いし」

 

「そう、飛行機は早いけど、新幹線より疲れる。だから速さと快適さを天秤にかけて、広島には新幹線で日帰り往復しました」

「え、日帰りで行ったんですか!? つまり10時間移動したってこと?」」

「はい。めちゃめちゃしんどかった。人間って、時速200km以上で移動するようには設計されてないと思う」

「地球の自転速度は時速1700kmですけどね」

「移動と言えば、初めて仕事する編集さんやカメラマンさんと……新幹線で隣同士の席になった時 メチャ気まずいですよね」

「ある~!」

 

「ありますね。せっかく新幹線で見ようと思って映画をダウンロードしてきたのに、席に着いていきなり見始めたら変な空気になるし」

「大人なんだから、ちゃんと会話してくださいよ」

「でも相手も喋りたくないって思ってるかもしれない」

「隣に仕事関係の人がいると、寝れないのもつらい」

「元ADの同僚が言ってましたが、仕事で新幹線や飛行機の手配をする場合は、あえて離れた席を手配するのが良いらしいです」

「それ良いですね!!」

「地方だと、着いた先でレンタカーってパターンも多いから、結局車内で気まずい時間が流れますけどね」

「車を運転する人がクセの強いBGMかける人だと、それに対するリアクションを求められてるようで地獄」

「それは特殊な例でしょ」

 

▼ローカル取材名言

 

 

社領エミの『よくあること』

「じゃあ続いては私から。こちらです!」

 

 

「良いこと言うわぁ。これは本当にそう!」

「わかる」

「取材じゃないと絶対通過してたローカル駅に降りて、ここにも人の生活があるんだな~って実感するのは、貴重な経験じゃないでしょうか」

「都会は、人も情報も膨大すぎて、ボンヤリとした全体像でしか認識しにくくないですか? ローカルってちゃんと個人や場所にピントが合うから、経験として消化しやすい」

「旅行で移動中に、風景を見ながら『ここに住んでる人はどういう生活してんのかな』って思うじゃないですか。ローカル取材は実際にそういう場所に行けるのが良い」

 

「自分がここで生きてたらどういう人生だったんだろう、とか想像してしまう。自然豊かな環境で穏やかに生きてたのか、それとも都会に出たくてアツく燃えてたのか……」

「地方は地方で、しがらみとか人間関係とか色々あるってのは……この仕事やってると嫌というほどわかってるけどね。でも『別の生活をしている自分』っていうのは、想像すると楽しいですよね」

「駅前で細々やってる洋服店とかも、“誰かがそこで服を買ってる”から店として成り立ってるわけじゃないですか。私の全然知らない場所で、誰かが、生きてるんだなーって。そういうの、めっちゃ良くないですか?」

「まあ、ね」

「めっちゃ!!! 良くないですかって!!!」

「わかった! わかったから!!!」

 

「駅からまっすぐ伸びた道が、遠~くの山まで続いてたりするじゃないですか。他に誰も歩いてなくて……」

「いいなぁ」

「そんな道を悠々と歩いて、いざ東京に帰ってきたら……人の波に揉みくちゃにされながら歩かなきゃいけないわけじゃん。『豊かさって何なの?』とか、ベタなこと考えてしまう

「ド田舎出身者として言わせてもらうと、↑上の写真みたいな道にはイノシシとかヘビとか出るんで、そんなに悠々と歩かないほうが良いですよ」

「現実は厳しいな……」

 

▼ローカル取材名言

 

 

モンゴルナイフの『よくあること』

「私からはこちらの『よくあること』を紹介させてください」

 

「え、やだ! そんなふうに誘われたの?」

「違う違う、エロい意味じゃないです! 地方で取材して夜遅くなると、おじいさんとかおばあさんとか、『もう遅いから泊まっていきなさい』って言ってくれることありません?」

「言われたことある。なんてあったかい人々だ!って思ったけど、『ワーイお願いします!』とは言えないですよね。狭い団地で育ったせいか、他人を家に泊める文化がなくて。すごく気が引けてしまう」

「他人を家に泊めるって、私たちの感覚でいうとかなり大ごとですよね?」

「特に女性だと、ちょっと躊躇しちゃうんじゃないでしょうか。モンちゃん(モンゴルナイフ)は結局どうしたの?」

「『ありがたいんですが、ホテルでやりたい仕事があるので……』ってお断りしました。一応女性なので、スッピンを見られたり、化粧してるとこ見られるのは恥ずかしいんです」

 

「化粧しない……というわけにはいかない、よね」

「男性ライターなら無精ヒゲ生えてる人とかもいますけど、女性ライターはある程度ちゃんとした身なりじゃなきゃ写真に写った時ノイズになっちゃうんですよ。泊まるってことになると、色々大変なんです、実は」

※ノイズ=記事に関係ないことで読者の気が逸れる要素

「現実的な話、ホテルじゃないと無料Wi-Fiがないから仕事できない。深夜にカタカタとキーボード叩くのも迷惑だろうし」

「こっちは取材させて頂いてる立場だから、我が家のようにくつろぐってわけにはいかないよね」

「あと、ローカルで『他人の家に泊まる』っていうのは、イコール『家で飲む』ってことになりがち。取材させてもらった立場上、お酒で何か失礼があったらいけないので」

ローカル取材って大体ド早朝から動くことが多いじゃないですか。遅くまで飲んだせいで、翌日の取材に遅刻したことあります」

お酒でのコミュニケーションが根強く残ってるというのも、ローカル取材のあるあるですね」

 

▼ローカル取材名言

 

 

ニシキドアヤトの『よくあること』

「ローカル取材特有のものかどうか自信がないんですが、これ、どうですか?」

 

 

「めっちゃある!!!」

「わかる!!」

「あるわ~」

 

※今回もっとも共感を呼んだのが、この『よくあること』でした

 

「インタビューしてる最中に通りがかった知り合いを、『この人もおもしろいから取材してやってよ』ってインタビューの席に座らせる、みたいなことがよくある」

「地方だと人との繋がりが深いというか、みんなが知り合いだったりするから、コイツを紹介してやりたい!ってのがあるのかな」

「でも登場人物が多くなると、記事の趣旨がブレてしまうんで、結局カットしちゃいますよね。本当、申し訳ないです」

「カットした人物が写真に写ってると、読者が『これ誰???』って混乱するから、以降はその人が写らないように角度に気をつけて写真を撮る

「人だけじゃなくて、物を紹介されることも多くないですか? 『この地方に来たら、おみやげにはナントカだんごを買わないとだめだよ!』みたいな」

 

「わざわざ車で、その地方の有名なお土産屋に連れていってもらったことあります」

「親切すぎ」

「そう、基本的に親切で言ってくれてるってのはわかってるし、ありがたいことではあるんですけどね」

「たま~に本当におもしろい人や物を紹介してくれて、記事が盛り上がったりはする」

「たま~に、ね」

 

▼ローカル取材名言

 

 

ギャラクシーの『よくあること』

「さあ、ここからは二周目ですよ! ジャンジャンいきましょう!」

 

「むしろ90%も回復しない」

「『どんな良いホテルも』というのがポイントです。普通のビジネスホテルだと80%回復したら良いほうだと思う。カメラマンと同室だったり、ゲストハウスとかだと60%くらい」

「う~ん、私の場合は逆かも。普段泊まらない場所って、旅行気分というか、むしろテンションあがる

「私も。『ホテル泊まります』ってなると、嬉しい~!って思っちゃう」

「女性ライターは、“宿泊”に対してタフなの?」

「あと、一人で泊まるとおばけが出そうで怖い……。むしろ誰かと同室のほうが良いです」

幽霊が出そうな時はアゴをシャクレさせるといいですよ。幽霊だって、真面目に怖がってくれる人の前にしか出現したくないから、ふざけてシャクレてるやつの前には出てきません。これはマジです」

 

若い頃、心霊スポット巡りが趣味だった僕が断言しますが、効果は絶大なのでお試しください

 

「ちなみに私は、ある旅館でガチで幽霊を見たことがあります」

ヒグマとか幽霊とか、遭遇しすぎ」

 

「僕は絶対にひとり部屋がいいです。いや、もっと言うと少々キツいスケジュールになってもいいから、家に帰って寝たい

「ですよね? 100点の宿って、自分の家だけですよ。『あのホテルすごく良かったよ』とか『◯県のナントカ旅館は最高』とか言われても、所詮 自宅には勝てないでしょ?と思っちゃう」

「それは……仕事だからでは? 仕事だと“休む”のがメインになるから、ホテルの施設や展望を“楽しむ”余裕がないんだと思います」

「でも、観光地でもない地方のホテルって、周辺に何もないですよね。楽しむ要素はそもそも無いような」

「昔、モンゴルナイフと取材に行った時に泊まった旅館、すごかったよね。冬の、雪が降ってるような時で……」

「あぁ! あの、床が氷みたいに冷たい宿! もう寒くて寒くて……しかもバスタブはあるのにお湯を張らないでくださいって言われて、死ぬかと思った」

「床に足をつけたらターミネーター2のT-1000みたいに、バキバキに凍って砕けるんじゃないかと思って、ずっと足をつけないようにしてた」

 

本当にこうやって足を地面につけないように過ごしてました

 

「それは宿を取った人の失敗では……?」

「いや、その旅館が町で唯一の宿だったんです。地方の安宿はマジでギャンブル性高すぎ」

「ローカル取材と宿は切っても切り離せない関係だからか、話が弾みますね。他にはありませんか?」

「妻とか彼女がいる人にとっては、ホテルでひとりきりの時間はメチャ貴重なんです。なので泊まり取材の夜は、男性ライター全員ひとりでしているハズ」

「勝手に決めつけないでください!!」

「偏見」

「いや……」

 

「あります」

 

「え、ニシキドさんってそんなキャラだっけ? 今後の仕事に関わるからやめたほうがいいよ!」

「そうそう、無理に合わせなくて大丈……」

 

「あります」

 

 

▼ローカル取材名言

 

 

モンゴルナイフの『よくあること』

「これは、どうでしょう? 逆にみなさんにお聞きしたい。こちらです!」

 

「そんなバカな」

「いや、あります。一緒に取材に行くと、『あれ?モンゴルナイフがなぜか芸能人みたいな扱いを受けている?』って」

「僕はそんな扱いされたことないです!」

「どういうメカニズムかわかんないけど、確かにチヤホヤされてるんですよ。渋谷のこととか聞かれたりして」

「私、北海道の超ド田舎出身なのに」

「私も、ちょっとチヤホヤして頂いてるな~って感じることはあります。たぶん、“女性の身で遠くからここまで来るのは大変だったでしょう”っていうニュアンスがあるんじゃないでしょうか」

 

「そうやってチヤホヤされて、東京に帰ってきたら、普通に会社で雑な扱いされて絶望する」

「地方の人って、基本 旅人のことはチヤホヤしませんか? 取材も喜んでくれる人が多いような気がする。こっちが取材させて頂いてる身分なのに、『話聞いてくれてありがとね~!』って言われたりして。恐縮しちゃう」

「取材を終わろうとすると、『え、もっと話しようよ!』って感じになることは何回かある」

「後から『今日は取材とっても楽しかったです』っていうメールくれたりして、あったかい気持ちになりますよね」

 

▼ローカル取材名言

 

 

社領エミの『よくあること』

「ローカルといえばグルメ、ということで、私からはこちらを発表します!」

 

「せっかく地方に来たんだから、おいしいものを食べたいんですよ。だから食べログとかで調べるんですが、すでに閉まってたり、絶望的に行きにくい場所にあったりして、全然行けない」

「地方で店を探すのって難しいですよね。情報が全然ないし、交通手段もない。店も早く閉まる

「あと、ほとんどの料理は東京でも食べられたりするから、店探しに情熱がなくなってるかもしれない」

「わかる! 昔、とある食材のレポートで地方に行ったんですけど、味見すらできないまま取材が終わったんです。どうしても食べてみたかったから、『近くにお店はないですか?』って聞いたら、『六本木の店なら食べられるよ』と言われました」

「わざわざ地方に行ったのに、東京の店に卸してたのね」

 

北海道は、そこらへんの回転寿司屋でもめちゃめちゃおいしかった。人生損した気になったなぁ」

「そうでしょう? 実家でもイクラとか食べ放題でしたよ」

「うん、だから今後一生、北海道出身の人に寿司をおごるのはやめようと思った」

「そうですね。今までおいしい海鮮を腹いっぱい食べてきたんだから、そこは我慢してもらいましょう」

「そう考えると、地方ってわざわざ店に行かなくてもおいしいものが食べられるってことなのかな」

「確かに。野菜なんか採れたてってだけで、別物かよってくらいおいしい

 

▼ローカル取材名言

 

 

ニシキドアヤトの『よくあること』

「色々な意見がでましたが、最後にこういうのはいかがでしょうか」

 

「夜空なんか、意識して見たことがなかった」

「今度行ったらぜひ見てほしい。空気が澄んでて周囲に明かりがないから、星がよく見えるんですよ。想像できないくらいの景色が広がってる」

「わかるわ~。なんかもう怖いくらいに星が見える。見えすぎてむしろ『偽物なのでは?』と思うくらい。肉眼で天の川とか見れるもん」

「まあ、私は故郷でずっとそういうのを見て育ったので、何の感動もないですが」

「そう、その地方の人に『うわ~星がすごいですね!!』って伝えても、『?あぁ、まあそうね』くらいの反応なのよ……」

「あの光景が当たり前であることの贅沢!」

「星を見ずに地方取材をしてきたことが、ものすごい損をしてたような気になってきた」

 

取材の日がちょうど流星群だったことがあって」

「わ~~~!!!見たい~~~!!!」

「すごい数の流れ星だったから、砂浜に寝転んでず~~~~っと星を見てました。永久に飽きない」

「『地方の夜は何もない』って言うけど、散歩してるだけで色んな発見があって楽しいよね」

 

▼ローカル取材名言

 

まとめ

というわけで今回は、ローカル取材の機会が多いライターに集まってもらい、楽しいことやつらいことを話し合いました。

ちなみに、記事中に入り切らなかった『よくあること』は、

↓↓↓下のほう(思ってるよりずっと下のほう)↓↓↓

の、画像ギャラリーでお楽しみください。

 

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