昔からカスタマイズという言葉に憧れがある。

例えば何かを買うとき、自分で仕様を選べると嬉しくなるし、一から部品を集めて自作するのも楽しい。

 

 

今使っているパソコンも、自分でパーツを選んで組み立てたもの。

画像編集をしたり、ゲームで遊ぶのが主な用途だ。

 

 

究極のハイエンドスペック…というわけではないけど、今のところどんな用途でも安定して動作してるし、見た目も気に入っている。

パーツのことを調べて、組み替えて、どんどん理想のスペックに近づけていくのが楽いんだなこれが。

 

 

例えばこちらの「グラフィックボード(グラボ)」というパーツは、複雑な映像を処理してモニターに出力するためのもの。

重要なパーツなのででかい。でかいので支柱で支えている。

 

パソコンが映像をモニターに映す際、GPU(Graphics Processing Unit)という描画の専門家みたいなチップが処理をする。

GPUは主に2つの形態でパソコンに組み込まれており、グラフィックボードはそのうちの一つ、という位置づけだ。

 

 

グラフィックボードには優れた性能のGPUが載っていて、拡張パーツとしてパソコンに繋げることで複雑なデータでも快適に扱えるようになる。

もう一方の「内蔵グラフィックス」は、パソコン全体の処理を行うCPUとGPUが一つになっており、控えめな性能だけど低コストなのが特徴。

用途が低負荷の作業に限られるなら内蔵グラフィックスを採用したパソコンが適していて、ゲームや動画編集といった高い負荷がかかる用途ならグラフィックボードが必要になる。

 

 

もちろんグラボの性能さえ高ければ何でもできるわけではないけど、様々な分野で力を発揮してくれるのは確か。

AIにイラストを描いてもらったり、プロ棋士が戦術の研究のために使ったりもするらしい。グラボ、底が知れない。

 

 

グラボは、その見た目から「弁当箱」と呼ばれることがある。

 

 

こちらはついこの間発売された最新世代GPU「GeForce RTX 40シリーズを搭載したグラボ。

言われてみれば、平たく横に長い形状やメタリックな質感がアルミのお弁当箱っぽい。

 

お弁当が「速さのその先」に行くことは一般的にありえないけど、
グラフィックボードに外観が似ているお弁当箱で食事をすれば、もしかしたらフレームレートやグラフィックの質が向上するかもしれない。

 

というわけで今回は「グラフィックボードみたいなお弁当」を作ります。

 

 

 

お弁当箱をグラボみたいにする

 

 

 

というわけで買ってきました、アルミのお弁当箱

とにかく丈夫で軽い。飾り気のないシンプルな見た目からも道具としての頼もしさが感じられる。  

 

まずはこのレトロな銀の箱を、現代的なゲーミングデザインに加工してみようと思う。

 

 

スキャナーでお弁当箱のおおまかな外形を取り込んだら、

 

 

その形に合わせて図面を作成。

今回はメタリックな質感を活かして”Founders Edition”(NVIDIAの標準モデル)っぽくしてみる。

 

図面をステッカーとして印刷して、本体に貼り付けていくと…

 

 

グラボっぽいお弁当箱ができた。

シリーズ名は「BEFORCE LBX」、「LBX」はもちろん「Lunchbox」の略だ。

 

 

耐水ステッカーを使用しているので、洗剤で洗うこともできる。

基本的にグラフィックボードは水洗いするものではないので、決して真似しないでください。

 

 

試しに炊きたてご飯を詰めてみた。新米なので香りがよい。

MAXで茶碗3~4杯分の容積があったので、食べ盛りの若いゲーマーたちも満足のスペックだと思う。

 

しかしここで思わぬアクシデントが…

熱伝導率の高いアルミのお弁当箱にご飯を詰めたことにより、
手で持っていられないくらいお弁当箱がアツアツになってしまった。

 

 

この状態で長時間経つと、中で蒸れて食中毒の原因となってしまうらしい。

CPUやグラボにも適切な温度があるように、ご飯も保存に適した温度まで一度冷まさなければいけないようだ。

 

一般的には「保冷剤で冷やす」「冷蔵庫に入れる」といった方法があるみたいだけど、今回はパソコンパーツらしい方法で熱を取ってみようと思う。

 

 

というわけで、取り出したるは連結させた2基の80mmファン。比較的小型のものだけど、最大回転数はしっかり2500RPMまである。

温まりやすいということは逆に冷めやすいとも言えるので、風を当て続ければすぐ温度も下がるはず…!

 

ほこりが入らないように軽く蓋をかぶせて、制御ソフトで風量を最大まで上げていくと…

 

 

 すごい冷却感を感じる。今までにない何か熱い冷却感を。

 風…なんだろう吹いてきてる確実に。

 

 

 

空冷ファンによって適切な温度まで下げることができたけど、それなりに時間がかかってしまった。

給排気に使う空間を広げるなど改善の余地はあるものの、
そもそもキッチンから移動したり手間があるので、やっぱり保冷剤などを使って冷やしたほうがいいのかもしれない。

 

 

LBX ON

 

グラボっぽい容器が出来たので、中のおかずもそれらしくしたい。

 

 

イメージは「グラフィックボードのキャラクター弁当」。

海苔やチーズでの装飾といったキャラ弁のメソッドを参考に作ったのがこちら!

 

 

 

 

ほんとに??

 

グラボというより、海坊主のキャラ弁と言った方がふさわしい気がする。

このままではボイスチャットで[お前の昼飯、妖怪絵巻!]と煽られかねないので、もう少しグラボっぽい要素を足してみる。

 

 

 

付け合わせにPCI Express x16漬け(たくあん)を追加した。マザーボードに接続するための端子だ。

かなりひいき目にみれば「ファンと端子の切り欠きにピンと来たらグラボだと認識できる」くらいの見た目にはなったと思う…多分。

 

「補助電源ケーブルを模したイカスミスパゲティ」みたいな案などもあったけど、悲惨な結果が予想されたのでこれで完成ということにした。

 

 

スペックを検証する

 

最後に、作ったお弁当のスペックをベンチマークテストで検証してみる。

 

ベンチマークテストはいわばパソコンの性能チェック

プログラムやゲームがどれだけ快適に動作するかを調べたり、性能を自慢するのに使ったりする。

 

ここではお弁当のエネルギー量などをスコアとして、食生活を記録するアプリで計算をしてみた。

 

 

写真から栄養を解析する機能もあったけど、該当する料理が無かったので手動で入力。

計4品のミニマルなお弁当なのでさほど大変な作業ではない。

 

気になる結果は…

 

 

 

951kcal!

男性の1日の目安とされる2000kcalのおよそ半分の数値だ。

 

 

いまいちピンとこないので、よく食べているものと比較してみた。

少し過剰摂取に見えるけど、単品のビッグマックにMサイズのポテト(410kcal)を足した場合のカロリーとほぼ同じ数値らしい

そう考えると、そこまでとんでもない数字でもない気もしてくる。

 

 

カロリーよりも突出していたのが炭水化物量の「203g」。アプリ内のアドバイザーにも「主食の量を減らしましょう」と促されてしまった。

今回使ったお米「ななつぼし」は冷めても香り高いと評判のお米で、実際最後まで美味しく食べることができたものの量は過剰だったようだ。

 

 

 

お弁当を食べた後、ゲームでオンライン対戦をやってみたところ、成績が上がるどころか眠気でボーッとしてしまい全く振るわなかった。

パフォーマンスを発揮するためにも、やはりバランスのよい食事を摂ることをおすすめします。