こんにちは!中華料理大好きストーム叉焼です!

皆さんは「北京ダック」という料理を知っていますか?

 

 

高級な中華料理といえば、フカヒレに並んで北京ダックを挙げる人も多いはず!
でも、実際に食べた事はない、という人も多いのではないでしょうか?

目次
・北京ダックって?
・皮しか食べないって本当?肉は捨てちゃうの?
・実際に食べてみました!

・北京ダックって?

北京ダックは、丸のままのアヒルパリパリになるまで焼き上げた宮廷料理です!表面の皮をそぎ切りにして、甜麺醤、ネギ、きゅうりとともに薄餅(ハオピン)で包み、タレに付けて食べるのが一般的だと言われています!

その起源は15世紀、北京に伝えられた「叉焼烤鴨」が元とされているそうです。

・皮しか食べないって本当?肉は捨てちゃうの?

パリパリの皮を楽しむ北京ダック。残った肉はどうなるのか気になる人もいるのではないでしょうか?

そもそも、北京ダックには『広東式』『北京式』があるらしく、北京式ではお肉も一緒に食べるそうです!

では、皮しか食べない広東式ではお肉は捨てられてしまうのでしょうか?
実は、北京ダックで余ったお肉は別の料理に使われたり、まかないになったりすると言われています!

フルコースで北京ダックを頼んだ場合、後の料理に北京ダックの肉が使われる事もあるのだとか。また、骨もスープのダシとして活用されるそうです!

・実際に食べてみました!

 

 

 

 

 

……という感じで北京ダックの記事を書きますので、撮影に協力して下さい!

やりましょう!

北京ダックは高級な中華料理店ならではのイメージだよね

 

取材は横浜中華街?ここからなら電車一本で……

 

ドッッ

 

 

 

……え?

え?

何?

何って……

 

アヒルですけど……

なんで?

なんでって……やだなぁ原宿さん!『ダック』って『アヒル』の事ですよ!

知ってる

 

……やるって事?

 

俺はやりますよ

 

という訳で北京ダックを作ります。

 

 

作りますとは言ったが、俺は北京ダックのレシピを知らない。

世は大You Tube時代。「北京ダック 作り方」で検索すればプロがその手順を解説した動画がボロボロ出てくる。

というか動画に限らず、Googleで検索すれば北京ダック「風」レシピに混ざりガチ北京ダック作成レポブログが散見される。これがWeb2.0の力だ。

Web3.0は知らん。北京ダックのNFTとかないだろ。

 

そうして我々は「北京ダックはどうやって作られるか」を知る事ができる。

だがそれは「北京ダックを自分で作る方法」を知る事とはイコールではない。

何故か。

動画やブログの尽くに「作り方」は載っているが「分量」は載っていない。それらは「製法」であって「レシピ」ではないのだ。

How toではなく知識欲を満たす為のコンテンツ。いわば「今日の料理」ではなく「THE MAKING 〜ザ・メイキング〜」みたいなもの。俺のお気に入り回は「ふ菓子ができるまで」。

大前提として『一般家庭での北京ダックの作り方』に需要が全くない。そもそもそんな事を試みる馬鹿がいないのだ。

 

だが、俺はそんな馬鹿になる。

情報の断片を繋ぎ合わせ、手探りで北京ダックを作り上げてやろう。

俺は今、WEBライターになれた喜びを噛み締めている。

この肩書は何も顧みず馬鹿になる権利だ。

 

登場人物紹介
特に理由もなく北京ダックを作ろうと思い立った馬鹿。北京ダックの実物を見たことがない。

馬鹿に巻き込まれた人。現時点を以てなお「北京ダックを作ります」以上の事を聞かされていない。

 

なんか凄いな、見た目

鶏の丸焼きは見た事ありますけど……生だとまだ『生命』が原型を留めてますね

アヒルの丸鶏(『鶏』がニワトリを指している事など百も承知だが、俺には『全身の形状を維持した状態の食肉のとり』を表現する語彙が『丸鶏』しかないのでご了承願いたい)の姿は、まな板の上に載っていてなお「食材」として扱う違和感を抱く。

魚であれば「ああ、これから料理になるな」とイメージが湧くが、これがアヒルの場合「調理」の前に踏まなくてはならないいくつかのステップをすっとばしてここにいる風情がある。

 

まずは中身をしっかりと洗う。

肉の中に手を突っ込む。むっちりとした肉に包まれる……のではなく、骨格を形成する大小様々な骨がコリコリと指先に触れる感覚。

中学生の頃、足の中に溜まった血を排出する為の手術をした時に、掻っ捌いた足の中をグリグリ弄り回された感触を思い出す。

いきなり食欲が失せるゾッとする話をしたが、それ位食に結びついてこない作業だったという事を伝えたかった。

 

水気を切って下処理に入る。

本来ならスパイスやら香草を丸鶏に詰め込むらしいのだが、今回は簡易的なもので行う。

 

海鮮醤(ホイシンジャン)、五香粉(中華料理のミックススパイス)、塩、おろしにんにくと生姜を混ぜたもの。量は適当。動画を参考にしたが分量なんて書いてなかった。

 

海鮮醤に馴染みがなかったので舐めてみたら漠然と「美味しい中華料理の味」がした。甜麺醤のような甘味噌だが塩味がマイルドで複雑な味わいがある。

後で調べたが別に海鮮由来のダシが入っているとかではないらしい。

 

なんか黒蜜ときなこ混ぜた液体みたい

これを信玄餅にかけたやつ喰わせたらビビるでしょうね

 

あるいは下痢便……

マジで最悪な事言う!!!

 

これ今から……フフッ

 

ケツから突っ込んで塗らなくちゃいけないんですよ!

ダハハハハハ!!!

ウケすぎ

瀟洒な大人の会話を交えつつ、アヒルの内側に合わせ調味料を塗りたくっていく。

 

それが終われば、余った皮の部分を使い、竹串で縫うように開放部を塞ぐ。

こういう作業、肉を貫いた余力で自分の指もブチ抜きそうで怖くなる事ありませんか。心配性なだけ?

 

次はこれの出番です

自転車のタイヤなどに空気を入れる為のポンプ。(洗剤で洗浄済み)

北京ダックは皮が主役の料理。その為の特殊な工程にポンプの出番がある。

口を塞いだアヒルに空気を注入すると、皮が風船みたいに膨らんで肉から剥がれます。こうする事で皮がパリッとしやすくなるとか

なるほど。

 

それにしても凄い絵面

まさかポンプもアヒルにぶっ刺されるとは想像しなかったろう。

逆にアヒルは結構な割合でポンプをぶっ刺されて空気を送り込まれる運命を背負っている。ディグダグの敵みたいだ。

 

シュコーシュコー……

 

あ!膨らんでる!

上手く行くと思ってなかった!

 

写真だとものすごーく分かりづらいが、ポンプを押す度、アヒルの皮がモコ……モコ……と盛り上がる。

ゾンビ映画とかで出てくる、皮膚の内側からボコボコと何かが蠢いているシーンを彷彿とさせる。さっきから食欲の失せる話ばかり出てくる。

 

ちなみにプロがやると物凄くボコボコしているので参考程度に目を通して欲しい。ヒッ……と声が漏れる光景が見られる。(1分25秒から)

 

素人仕事なので勿論完璧に、とはいかなかったが、ある程度の成果が見られて嬉しい。

 

 

本当に出来ると思っていなかったので脳内下書きでは失敗する前提で記事を進めていた。この工程がない作り方もあったので出来なくてもなんとかなるのは把握している。

テレビやラジオでは、スポーツ中継が中止になった際に放送する『雨傘番組』という概念があるそうだが、チャレンジ記事を書く際には『雨傘』を用意しながら挑む必要がある。じゃないと撮影中にテンパってあわあわしてしまうから。

 

次はお湯を回しかけて皮を張る工程ですが……ここでこいつの出番です

ステンレスS字フックのようだが先端が鋭利に研がれている。ブッチャー(肉屋)フックとかミートフックと呼ばれる器具。肉を貫き、吊る為のグッズなので殺傷力がある。

 

戦うコックのキャラっぽい

記事を書く度に調理器具が似合うようになり、そしてWebライターらしさから離れていく。どうして。

 

丸鶏にフックをブスリ。

 

そして中華鍋に沸かしたお湯を回しかける。

 

お風呂でくつろいでるようにも見える

やはり「生命」の片鱗を感じずにはいられない。どうしたってまだ生き物の形をしている。

 

 

次に水飴をお湯に溶かし、刷毛で表面に塗っていく。表面にツヤが出るまでこれを繰り返す。

漠然と「お高い中華料理ってこういう事してるよね」という絵面。普通どこかにひっかけて吊るべきものを手で持っている、という一点を除いて。2キロ弱あるので持ち上げ続けるのは結構辛い。

 

結構重い!腕が鍛えられそう

『北京ダック筋』がムキムキになる

 

……多分これでOK?

うっすらと照りは感じる

お湯に溶かした水飴はサラッサラなので塗れてる実感が沸かない。

 

では、これをしばらく冷蔵庫に入れて乾かします。本当は屋外がいいらしいんですが衛生的に怖いので……

どれくらい?

2日……

今日喰えないの?!

 

 

という事で冷蔵庫内にスペースを確保し、裸の丸鶏を突っ込む。

 

俺はこの記事が掲載されているオモコロの運営会社「バーグハンバーグバーグ」の社員ではないのだが、社外の人間が冷蔵庫に裸の生肉を突っ込んで放置するのはある種の業務妨害として訴えられたりしないだろうか。

 

>>2日後……<<