こんにちは、宮本牛乳と申します。

 

あら、美味しそうなフカヒレスープですね~!何を隠そう、鮫のヒレことフカヒレは僕の大好物なんです!

みなさんもフカヒレはお好きですか?

 

 

そうですか、そうですか。

それほどまでのフカヒレ好きのあなたなら、一度は夢見たことがあるのではないでしょうか。気兼ねなく食べられる、安価なジェネリック・フカヒレを。

 

この世には、安いヒレが存在します。

 

酒飲みの強い味方、ご存知エイヒレです。

 

サメとエイには共通点があります。

・海にいる

・軟骨魚綱(なんこつぎょこう)とかいうグループに属している

・ヒレがうまい

これらの情報から、サメとエイはだいたい同じということが分かります。 であれば、エイヒレは、フカヒレになり得るはず……

 

 

普通に作ってみる

 

普通のフカヒレと同じように調理してみます。

1. 乾燥フカヒレを中火で30分煮る

2. 火を止めてふたをして2~3時間置く

3. 冷水に入れて冷蔵庫で一晩寝かす

4. しょうが、ネギの青いとこ、醤油などを加えて中火で20分ほど煮る

らしい。やってみましょう。

 

このときはレシピどおり青ネギも一緒に茹でたのですが、毎回買ってられないのでこれ以降は二度と出てきません。

 

茹で上がったらあんかけにして…

 

完成!かっこつけてチンゲンサイまで乗せちゃいました。

これでジェネリック・フカヒレは大成功! …というわけにはいきませんでした。

 

見てください、こまかい軟骨がびっしり…… フカヒレのトゥルリとした食感など全く見込めないシロモノだったのです。

 

 

エイヒレを柔らかくする

 

エイヒレを柔らかくするのに思いついた方法は4通り。

 

① 大根おろしに漬ける

② 炭酸水に漬ける

③ ヨーグルトに漬ける

④ パイナップルに漬ける

 

大根おろしと炭酸水はタコの柔らか煮を作るのに役立つテクニック。ヨーグルトとパイナップルは漫画「ミスター味っ子」で鶏肉を柔らかくしていたテクニックです。エイヒレには通用するのか!?

 

ぜんぶ試します。

 

 

大根おろし

 

4つもの方法を試すにあたり、記事の構成を考えれば成功例は最初に持ってこないのが定石ですが、はたして……

 

大根に含まれる酵素はタコの筋繊維を分解して柔らかくするそうです。筋繊維じゃないけどエイの軟骨もなんとかしてくれ!

 

 

たっぷりすりおろした大根おろしに埋めて48時間。

 

 

見た目はあまり変わりませんが、はたして…

 

 

ぜんっぜん柔らかくなってない!やっぱり筋繊維と軟骨は違ったみたいです。そりゃそうか。

 

 

炭酸水

 

タコは炭酸水でも柔らかくなります。

むかし母に「炭酸ばっかり飲んでたら骨が溶けるよ」と脅されたことがありますが、骨の主成分であるリン酸カルシウムは炭酸に漬け込むことでミネラルが溶け出すとか。なら軟骨なんてイチコロですわな!科学的根拠ありがとう!

 

 

理論とは裏腹に、無意味なことをしているんじゃないかと不安になる見た目をしています。

 

 

48時間経っても期待できない見た目をしていらっしゃいます。

 

 

ぜんぜん骨っぽい。リン酸カルシウムのうんちくはなんだったんだ!?なあ!!目を見て話してみろよ!!!

あとで調べてみたら、骨と違って、軟骨にはカルシウムが含まれてないそうです。そりゃ効かんわ。炭酸水も驚いたことでしょうね、すみません。

 

 

 

 

今のところ良いとこ無しなので一応弁解しておきますが、大根おろしも炭酸も、タコ相手ならちゃんと柔らかくなります。

 

ほら。写真で伝わってるのか分かりませんが、やわらか~いタコの煮付けができました。

汚名返上したところで次に行きましょう。ゆうてさっきの2つはタコ向けのテクニックだったし。ここからが本命です。

 

 

ヨーグルト

 

失敗→失敗と続いてるので、そろそろ成功か、もしくは大失敗あたりを持ってくるとレポートが盛り上がりそうですね。いったいどうなるのでしょうか。

 

 

「ミスター味っ子」2巻のチキンカレー対決、主人公のライバル・堺一馬はチキンをヨーグルトに漬け込んで柔らかくすることに成功しました。

 

 

「酸味が肉をやわらかくする」?

もうちょっと科学っぽい解説がほしかったけど、一馬が言うならそうなんでしょう。

 

 

48時間。一馬、信じてるぜ……

 

 

ぜんぜん柔らかくないし、ヨーグルトの匂いがこびりついて取れない!

もう!一馬!八重歯がかわいいね!(堺一馬はチャームポイントの八重歯をいじられるとめちゃくちゃ怒ります)

 

 

パイナップル

 

これぞ大本命!「ミスター味っ子」2巻でチキンカレー対決を制した主人公・味吉陽一は、チキンをパイナップルに漬け込んで柔らかくしたのでした。

 

一馬が解説するんかよ。将来的に陽一と一馬は「強敵と書いて『とも』と読む」みたいな関係になりますが、この時点では雑魚の噛ませ犬みたいな立ち回りで主人公を立てています。

 

それはともかく、パイナップルの酵素は強烈で、食べると舌がピリピリするのは舌のタンパク質が溶かされているからです。体験を伴ってるから説得力がある!

 

 

イヨッ!我らが主人公!たのみますよ!

 

 

ウワッ、柔らかいどころかグズグズに溶けてる…… 張り切りすぎ……

 

 

食感はドロドロなのに骨感は残ってる!香りは生臭いパイナップル!完全にワースト1位です!

陽一、そこは主人公補正でなんとかしてくれよ!!あと自転車に変な名前つけない方がいいよ!!(味吉陽一は中学2年生で自分の自転車を「ガンダム号」と呼んでいます)

 

 

 

以上、なんと、思いついた4通りを試した結果、全滅でした!

 

 

 

後日、本物のフカヒレのお刺身をいただく機会があったのですが、

 

見てください。めちゃくちゃきめ細かいゼラチン質で、エイヒレとは似ても似つかないものでした。 軟骨だけの問題じゃなかったみたいです……

 

 

 

 

 

本間先生……

 

僕もそう思うんですけど、、いちおう圧力鍋も試してみていいですか?

 

 

 

 

やった~~!!

 

 

 

骨の食感はなくなったけど口当たりがモソモソ!

本間先生、やっぱ人間がエイヒレをフカヒレにしようなんて、おこがましかったっすわ!

 

 

でも本間先生、一応もういっこ、鱧の骨切りみたいに細かく包丁いれるやつも試してみていいですか?

 

 

 

 

おっしゃ~~!!

 

 

 

そもそも技術がないけど、できたとしてもフカヒレのトゥルンとした食感にたどり着くビジョンが見えなさすぎる!

本間先生、やっぱおこがましかったっすわ!

 

 

本間先生、まだもういっこ試したいことがあるんですけどいっすか?

 

 

 

ヒエ~~!!

 

しつこくしてたら本間先生を怒らせちゃいました。

僕はここらで手を引きますが、「こうしたらエイヒレがフカヒレになりました!」みたいな情報があればぜひご一報ください。

 

(終わり)