先日見た『映画クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』という映画にこんなシーンがありました。
現代から戦国時代にタイムスリップした主婦みさえと、戦国時代を生きる武士吹雪丸の会話。
あなたも横になれば良いのに
気遣い無用。私はこの1年横になって寝た事が無い
えーーー!?
いつ寝込みを襲われるやも知れん
このシーンを見た筆者はこう思いました。
「格好良い」と。
そして、自分も武士のように座ったまま寝て刺客の襲撃に対応したいと。
映画を見てこんなに魂が揺さぶられたのは久しぶりでした。
感動に身を任せて、すぐに編集長に「寝ているところをシバかれる記事を書きたい」と連絡を入れたところ、二つ返事で了承を得られました。
ですので、今回は実際に寝ているところをシバかれる記事を書こうと思います。
準備
今回用意した物は、椅子と机、そして木刀とアイマスクです。
中学生の頃の筆者はしばしば授業中に寝ていたので、その時の経験が活きて椅子と机があれば簡単に寝られる体になりました。
ですので今回の検証では布団などを用意せず、最低限の椅子と机のみで寝ます。
木刀は攻撃用ではなく、刺客からの攻撃を防ぐ防御用に用意しました。
アイマスクはただ寝るだけであれば不要なのですが、検証中は2台のカメラで終始記録用の動画を撮影するので、その間は筆者に向けて照明の光を当て続けます。
そうなると極端に眠りが浅くなりあまりにも襲撃に対応する側が有利な状況が生まれてしまうリスクがある為、公平を期す目的でアイマスクを用意しました。
肝心の刺客役ですが、友人に家の鍵と武器を渡して準備万端の状態で自宅前に待機してもらいました。
近隣の住民や家族に通報されないようにしっかりと対策(友人が来る事を事前に連絡、武器を持つのは家の中に入ってから、など)をしておいたので、刺客役の友人には何も心配せず堂々とシバきに来てもらいます。
今回の検証はアイマスクをして椅子と机で寝て、刺客の攻撃を木刀でガードできたら成功です。
しかし万が一刺客の攻撃をガードできなかったり、寝ぼけて刺客を木刀でシバいてしまったら、その時点で失敗となります。
果たして現代人は武士のように座ったまま寝て刺客の襲撃に対応できるのでしょうか!?
実際にやってみた
出来ませんでした
もう完全にグッスリです。
グッスリすぎてシバかれた痛みすら感じませんでした。
リベンジに向けて作戦会議
これで終わりでは流石に味気無いので、どうすれば現代人でも寝たまま刺客に対応出来るのかを予想してリベンジします。
まず、現代と『クレヨンしんちゃん雲黒斎の野望』の舞台になった戦国時代の決定的な違いは何でしょうか。筆者は戦の有無だと考えます。
刃渡り6cmを超える刃物を持っていると逮捕される現代と違い、戦国時代は日本各地で戦が起きていました。もちろんその戦の中には奇襲も含まれています。
そのような状況から生まれる「いつ死ぬか分からない」という緊張感を現代人は持っているでしょうか。少なくとも筆者は持っていません。
恐らくこのレベルの緊張感を感じながら生活すれば、寝ている間も刺客の襲撃に対応できるのではないでしょうか。
「いつ死ぬか分からない」という緊張感を感じながら1日生活します!
とは言っても本当にいつ死ぬか分からない状況を作る(喧嘩を売ってはいけない組織に喧嘩を売る、など)のはリスクが高すぎるので、死ぬほど嫌なアレで代替します。
では、死の代替品になるほど嫌なアレとは一体何なのか。それは知らない番号の着信です。
筆者は知らない番号の着信は一度無視して、インターネット上で「危険な番号ではないか」を調べてからかけ直すようにしています。
それもスムーズにかけ直す訳ではなく、一旦お茶を飲んで落ち着いて、ゆっくりと空を見上げながら静かに覚悟を決めて、それからようやくかけ直します。
そんな死ぬほど嫌な知らない番号の着信を携帯二台持ちかつ家電複数ありの友人に1日中かけまくってもらい、筆者は必ず3コール以内に出るようにします。
何故3コール以内なのかと言うと、「もしかしたら友人からの電話では無いかもしれない」という緊張感を強めるためです。
それでは、知らない番号の電話に出続けながら1日生活した様子を再現して簡単にまとめたので、「もしも自分が1日ずっと知らない番号の電話に出続ける事になったらどうしよう!」と想像しながらお楽しみください。
電話生活スタート
ガボガボガボ!!!
もしも~し
ガボガボガボ!!!
朝から何やってる音?
ガボガボッ 風゛呂゛!!!
朝風呂派なんだ (ブツッ ツーツー)
ハァッハァッ
あれ?もしかしてシコってる?
いや、筋トレしてる
筋トレしてから風呂に入った方が良いと思うけどな (ブツッ ツーツー)
ガボガボガボ!!!
あ、さっき俺が言った通り風呂に入ってるな
ガボガボガボ!!!
じゃあ、これから大学の授業受けるから1時間半くらい自由にしてて良いよ (ブツッ ツーツー)
もしもし
授業終わったよ。今何やってんの?
ずっとゲームしてた
へ~。じゃあまた電話かけるね (ブツッ ツーツー)
もしもし
今度バイト来る時に印鑑持ってきてね
分かりました。では、失礼します (ブツッ ツーツー)
今風呂に入っていたらと思うとゾッとしますね。
もしもし
なんか車の音がするけど、もしかして外にいる?
チャリで最寄りの公園に来てるよ
公園で何してるの?いや、ちょっと待てよ?
その公園、隣にエロ本屋あるだろ
へへっ
別にダメじゃないけど20歳超えてるのにチャリでエロ本買いに行くなよ (ブツッ ツーツー)
ハァッハァッ
あれ、今度こそシコってる?
チャリで帰宅して疲れただけだから、まだシコってない
まだって言っちゃったよ (ブツッ ツーツー)
結局、この日だけで100回近く電話に出ました。
リベンジマッチ
準備完了です。1日中電話に出続けて緊張感が体に染みついている今ならどんな刺客にも対応出来る気がします。
それでは、おやすみなさい!
果たして現代人は武士のように座ったまま寝て刺客の襲撃に対応できるのでしょうか!?
出来ませんでした
全然出来ませんでした
どうやら現代人が座りながら寝て刺客に対応するのはかなり難しいようです。
もしかしたらもっと緊張感を強くすれば成功するかもしれませんけどね。
例えば武器を変えたり。
……ん?
釘バット?
そっか。
釘バットか。
やべやべやべやべ!!!
完
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