みなさんお菓子づくりはお好きだろうか?

私は甘い物を愛しているので、お菓子を作るのも好きだ。

材料を混ぜ合わせたり、冷やし固めたり、香ばしく焼いたり……ただの小麦粉やお砂糖がひとつのお菓子に変わっていく様子は見ていて楽しい。

 

そんな大好きなお菓子づくりだが、実は不満がある。

 

味見をすると全体の量が減る、というところだ。

途中でおいしく出来てるか味見をするわけだが、工程を経るごとにどんどん完成量が減っていく。

……そんなの気を遣ってしまう。

遠慮がちにホイップクリームをちょろっとなめたところで味なんて分かるだろうか。いや分かる、味は分かるけど、完成する頃には精神が疲弊してしまうのだ。

 

もう我慢のお菓子づくりから解放されたい。

だから決めた。味見を恐れず、味見を遠慮しない、そんなお菓子づくりを試みてみようと思う。

 

 

 

どら焼きを作ってみよう

  

どら焼きを作ることにした。一度、家であんこを炊いてみたかったからだ。

さらにホイップクリームやクリームチーズも使ってみようと思う。和の甘味もいいが洋の甘味も捨てがたい。セクシーなのとキュートなのどっちか決められない乙女心のように、純情な甘党も和洋折衷でいきたい日がある。

 

 

 

あんこを炊く 

小豆300gを水洗いしたあと、下茹でをする。

レシピによると、小豆300gであんこ800gが出来るらしい。どら焼き10個分の量だ。山積みのどら焼きを想像するだけでワクワクが止まらない。

 

 

 

下茹でした小豆を炊飯器へ。今回はお手軽に炊飯器であんこを炊いてみることにした。

 

 

 

冷蔵庫からキャベツを出してきた。

昔どこかで「食べ放題をする数時間前にキャベツを食べておくと胃腸の動きが活発になってたくさん食べられる」と聞いたことがあるのを思い出したのだ。

今回のどら焼きづくりを食べ放題と捉えているのがバレて恥ずかしいが、背に腹は代えられない。炊飯器の前でキャベツをむしゃむしゃと食べた。

 

 

 

炊飯1回ではまだ皮が固いままだった。炊飯2回目を終えると皮の艶が消え柔らかくなり、豆の形が崩れてきた。

 

 

 

小豆をひと粒つまんで口に入れてみた。うまくもまずくもない。無糖の茹で小豆を食べて無感情になってしまった。

 

 

 

早く失われた感情を取り戻したい。

ゆで汁を9割ほど取り除き、きび糖230g、黒砂糖50gを加えた。多いな。お菓子を作る度にお砂糖の量に動揺してしまう。

 

 

 

小豆をつぶしていく。シリコンスプーンで潰すにはまだ硬い。

本当ならボウルに移し替えてから木べらなどで潰したほうがいいのかもしれない。

でも私は手を止めなかった。ほっかほかの甘い小豆の香りを顔面に浴びて冷静でいられなかったのだ。しなるシリコンスプーンに全身全霊の力をこめた。

 

 

 

やだちょっと、あんこ出来ちゃった。粒が粗いので完成には程遠いが、突然現れたあんこの面影に感動してしまった。

 

……よし、始めようか。味見だ。

 

 

おいしい。さらっとしていて小豆の食感と風味がダイレクトに伝わってくる。クセのない素朴なあんこ。これは始祖のあんこだ。おいしい。

 

 

 

全体に塩を小さじ1を入れて、もう1杯味見してみた。ぐっと甘みが引き立った。始祖のあんこもいいが、これもいい。

未だに塩気で甘みが引き立つ仕組みを理解していないが、最初に思いついた人は本当にすごい。甘みと真逆の塩気を足すとは。甘党界に激震が走っただろう。
 

 

 

追加で20分ほど炊飯した。柔らかくなった小豆をさらに潰していく。

 

 

 

味見をしよう。急にさっきの味見に使った小鉢が小さく見えてきたので、大きい丼も出してみた。

 

 

 

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ふと、心の声がした 

 

 

 

カレーうどんぐらいのボリュームを丼に盛った。誰もいないのに「本当にいいんですか?!」と問いたい気持ちだ。

熱々のあんこを炊飯ジャーから好きなだけよそって食べる。大変な罪を犯してるんじゃないだろうか。だめだ、これすごく気持ちいい。

熱々のあんこは、それはもうおいしかった。もう1杯おかわりしてしまった。

 

 

 

最後の仕上げに入る。水分を飛ばすために再加熱。55分後、いよいよあんこの完成だ。

 

 

 

湿地帯の底なし沼みたいになっちゃった。なんでよ。頭のなかを3時間半の工程が走馬灯のように駆け巡った。

 

 

 

ところが混ぜ合わせたら復活した。あんこ……あなた生きてたのね!

 

 

 

お店で食べるあんこみたいで興奮する。新しいお皿を出してきてすぐに味見をした。

しっとりなめらかホックホク……一心不乱に食べた。このスプーンは誰も止められない。私が握るこのでっかいカレースプーンを止めるものは誰もいない!

 

 

 

また心の声が私の背中を強く押してくれた。そしてひらめいた。
   

 

 

味見をアレンジしてみようと思う。マグカップにあんこと牛乳を入れてレンジで温める。

 

 

 

冷凍庫から牧場しぼりを取り出して剥き、あんこを好きなだけ盛る。

 

 

 

ホット&コールドあんこの出来上がった。温めと冷やしを交互にすることで食欲を刺激する仕組みである。あんこの交互浴、気持ちいい。しっかりキマった。

 

 

 

味見を繰り返しながら、ふと炊飯器の中を見て我に返った。すごい減ってる。3分の1ぐらいになってる。

でも今日は遠慮なき味見の日。これでいい。心の声のままに。

今間違いなく私は幸せを感じているのだから。

 

 

 

生クリームをホイップする 

生どら焼き用に生クリームをホイップしていく。ハンドミキサーなどは持っていないので手動でがんばる。

 

 

 

手でじっくりホイップすると、液体から個体に変化する手ごたえがあっておもしろい。

5分立てにホイップしたところで味見をしてみた。とろとろでおいしい。 

 

 

 

今度は8分立てで味見。トロトロからフワフワ食感になっている。おいしい。

 

 

味見をすると全体の量が減る、世界の常識である。以前の私なら、このクリーム残量を見て絶望していただろう。でも今日の私は違う。 

 

 

 

 

 

 

 

どうしてもクリームとあんこをカレーライスみたいにして食べたかった。おいしい。あんこのおかげで白メシ(クリーム)が止まらない。

 

 

 

味見も終わって無事にホイップクリームが完成した。大さじ1ぐらいの量になった。大事に大事に冷蔵庫へしまった。 

 

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