こんにちは。普段、我々はインターネットで記事を書いて糊口を凌いでおります。

…ですが時折こうも思うのです。

 

ステージ上で燦然と輝くバンドマンにも憧れる! そんな人生も歩みたかった!

 

しかし、我々は曲を作る才能どころか楽器の弾き方すら知らない素人集団

そこで閃きました。

じゃあ曲に入る直前までならできるんじゃない?!

 

 

「曲に入る前の語り」

 

バンドのライブに行ったことがある人ならこんな光景を見たことがないでしょうか。

あの部分、すっげぇカッコいい…。憧れる…。

 

人生を音楽に捧げてる本物のバンドマンの方々には恐れ多いんですが、憧れるので一回だけやらせてください!

 

 

第一回
『妄想バンドのMC選手権』
の開幕を

 

宣言します!

 

 

この企画は2019年12月7日(土)に開催された音楽イベント「下北沢にて’19」に、何故かオモコロライターが出演した際のレポート記事です。

他の出演者はみんなマジのミュージシャンです。本当に何故?

 

イカれたメンバー紹介するぜ!

今回、MCを披露するのはこの3人

スーパーのバックヤードに貼ってある万引き犯ブラックリストにしか見えませんが、一応オモコロのライター達です。

当然3人とも楽器の演奏経験はゼロ! 万引き経験もゼロ! こんな僕達だけど、今日だけはスーパースターにならせてくれ!

 

そして彼らのMCを評価する審査員がこちら。オモコロ編集長・原宿に加え、ロックバンド「THEラブ人間」金田康平さんと「THE BOYS&GIRLS」ワタナベシンゴさんです。

 

バンドマンとしてめちゃくちゃ有名なお二人にご協力いただきました。

え、大丈夫? プロのバンドマンさんの前でこんなふざけた企画して怒られない…?

 

 

▼THEラブ人間の楽曲▼

 

▼THE BOYZ&GIRLSの楽曲▼

 

本番直前、トラブル発生!?

▽妄想MC選手権のルール▽

今回、挑戦者の3人には事前に「自分が妄想するバンドのコンセプト」を考えてきました。

 

①まずはそのコンセプト、MCの方向性などをたっぷり時間をかけて説明
②その後、MCを披露

 

という流れとなっています。前置きをしてスベる可能性を低くするその姿勢。ロック精神とはかけ離れてますが許してください。

 

 

…その筈が、

 

 

本番開始5分前

 

 お、おい…。 まずいぞ…

 PCとスクリーンが接続されないんだけど…!?

 

 

機材の接続不備により、ステージ上のスクリーンが使用できない事態に。

 

まさかの接続トラブル発生。“まさかの”っていうか、当日の責任者だったたかや(↑真ん中でヘッドバンギングみたいな平謝りしてる男)がケーブルの互換性を全く理解していなかったからです(イベント終了後、たかやは処刑しておきました)。

 

 

そのため、ルールが以下のように改定されました。

 

▽妄想MC選手権の真ルール▽

保険をかけた事前プレゼンは無し。 つまりほぼ即興でMCを披露するってこと!

 

突然の窮地に陥った挑戦者はこの状況をどう切り抜けるのでしょうか。

 

 

…いや、きっと大丈夫だ! あの甲本ヒロトさんだって「なんとかなるのが世の中よ」と言ってたから!

それがロックってもんだろ?!

 

 

「妄想バンドのMC選手権」、ついにスタートです!

 

 

1人目:たかや

 トップバッターはたかや。オモコロでも屈指のアドリブとプレッシャーに弱い男です。

 

 

…とはいえ、演じるバンドの名前ぐらいは紹介させて頂きます。
じゃないと記事を読んでる人は本当になにもわからないので。

 

▼たかやの考えた妄想MCバンド▼

  4人組ロックバンド「優しくされたいズ」です。

  “ありそう感”はある。

  アー写もバンド名もほどよくスベッてるな。

  たぶんそこまで売れてないんだろうな。

 

 

▼妄想MCのシチュエーション▼

●一時間の演奏を終了して、メンバーは舞台袖に戻っている

●お客さんの「アンコール」をきっかけにVo.のたかやだけステージに戻ってくる(アンコール後にボーカルが一人だけで出てくるあのシチュエーション…好き)

 

  学生時代は好きなバンドのライブに何回も行っていました。今回はその経験を生かして「バンドのMCあるある」を盛り込んだMCを披露します!

 一曲も演奏してないのにアンコール求めるの、おこがましいな。

 

 

 

 

 

\アンコール!アンコール!/

 

 

 ハァ…ハァ…………

 

 ………………………………アンコールありがとう

 

 

  呟きガチだけれども。

  そういう戦法でいくってことですね。

  一曲も演奏してないんだから、息を荒げるな。

 

 

  え~、僕達が初めてこの音楽フェスに呼ばれたのが2016年です。あの頃はバンドを結成して間もない頃だったから、ぼく達目当てのお客さんは誰もおらんくて、すっげぇ悔しくて…

 

  その翌年の2017年、ぼく達はフェスに呼ばれませんでした。自分たちの実力不足が原因ってことはよくわかってます。2018年もやっぱり呼ばれなくてね。その時も実力不足を痛感しました。

 

  でも2019年…再びこのステージに戻ってこれました! ありがとォォォ!

 

  バンドのバックグラウンドを語りながらの導入もあるな~

  実力不足の痛感、多い。

 

 

 でも今、こんなにもたくさんのお客さんに囲まれてます。 裏では名だたるバンドが演奏している中、俺たちのライブに来てくれた。 

こんなに幸せなことはないんですよ! 

 

 MCだけでもなんとなくバンド像が見えてきますね。青春パンク系だ。

 たかやさん、サンボマスターや銀杏BOYZが好きだからな……

 

 

   僕たちがステージに立ち、みんなが会場に集まればそれが「ライブ」になるんです。

  僕はいま、左手でギターの木の部分を持ってる。そして左手のピックで弦を弾けば

 

……生まれるのが「音」なんですよ!

 

 

  “ギターの木の部分”て。

 

 僕が声帯を震わせる! マイクに電子変換される!

生まれるのが「声量」なんですよ!

 

 ずっと当たり前のこと言ってる。

 

 

 そんなことないだろ。

 

 僕達新しいTシャツも作って来たんですよ。よかったら買ってくださいね。

 

 

 でも、俺はロックだから、このTシャツも破く!!!

  なんでそんなことするの?

 

 

 ギギギ…!

 

 …ギ!

 

 

 破けん!!!

 何がしたかったんだ。

これは「たかやあるある」だろ。

 

  思えば~♪ ここまで~、やってきた~♪  くじけそうな時間もあったけど~、続けてきた~♪

   たしかにこれは、“ある”。

  ライブDVDのトレーラーにも挟まれガチなやつだ

 

 

 みなさん、今日がなんの日かわかりますか? そうです、皆さんもよく知ってるアイツの誕生日なんですよ。

  メンバーの誕生日を祝うのもあるな。

 

 

 今日は姪っ子の誕生日です!

 マジの親類の誕生日は知らん。

 

 

 ハッピーバースデ~~~トゥ~ユ~~~!

 またアカペラで歌い出した。

 

 

  うゥーーー!!! 誕生日で酒が美味いなぁ!

  やりたい放題かよコイツ。

 

 

  僕達も結成して5年目ですよ!人間同士が集まってるからね、そりゃ喧嘩だって何回もした!でもね!それでも解散だけはせずにここまでやってきました!

  解散していったバンドもいる!メンバーが脱退していくバンドもいる! でもね、解散は悪いことではないと僕は思うんです! 解散が良いか悪いかで言ったら…なんにも言えないワケですよ、俺ァ!

 

 推しのバンドが、他バンドの解散やメンバー脱退に触れてくれるのちょっと嬉しいですね。

 それは嬉しいけどね…ただ、さぁ…

 

 さすがにMC長すぎない?

 この時点で9分40秒経ってます。

 長ぇって。どんだけやるんだ。どんだけスクロールさせんだ。

 

 

\早く曲聞かせろよ~/

   ほら~、お客さんから至極当然な野次が飛んでるよ。

  MC中に怒られるバンドマン初めて見ました。

  そろそろ締めに入ってくれ!

 

  僕は子どものころからバンドマンになりたいと願ってました。バンドマンになるっていう夢はたしかに叶った。でもね、バンドマンになってからの方が辛いことが多いんです! 夢を追い続けるのは本当に苦しい!

 

  僕の中でのバンドの定義は「バンド一本で喰えている」なんです。だからね、俺はまだ売れてないから本当の意味でバンドではないのかもしれない…

 

  音楽だけじゃ食べていけないから毎日バイトのまかないだよ! バンドの収入よりバイトの収入の方が多いよ!俺は早く大人になりたい! 早く本物のバンドになりたい!

 

 

  でもね、いまこの瞬間だけが…。お客さんが…僕をバンドマンにさせてくれるんです! お前らありがとうな!

 

  また遊びに来てください! ライブハウスで待ってます!

 

 

  最後の曲です! 聞いてください! 俺たち…俺たち…

 

 

 『俺たち本当はバンドマンになりたかった』

 

 

 

 

「あるある」を盛り込みすぎたため、10分50秒という長丁場になってしまったMC。

他メンバーからは非難轟々でしたが、本物のバンドマンの評価はどうでしょうか。

 

講評

  いや~、熱かったですね。「バンド好きなんだろうな~」って気持ちが伝わる良いMCでした

  え?! 他メンバーからはボロカスだったのに?!

  個人的には、長過ぎるMCって大好きなんですよ。

   僕は過去に17分喋り倒すMCをやったことがあります。

  17分も?! 軽い落語なら一席うてる時間だ….

  ちょっとわかるかも…。いざステージに立つと時間の概念が吹き飛んで、いくらでも話せそうな気がしました。

 そもそもなんですが、本物のバンドマンのお二人は実際のライブMCで台本を用意してたりするんですか?

 いや~、僕たちもほぼアドリブですよね。

 「今日はこれ言うぞ」とライブ前に用意してる言葉ほど、本番では何故か言わないまま終わっちゃうことがありますよね。

 おお! プロにしかわからない境地ですね。

 ただ、一個惜しい点があって。MC中の一人称を「僕」「俺」と統一できていなかったじゃないですか。アレは惜しかったな~。

 なるほど。フロントマンの人物像を固めることも、MC選手権でのキーポイントになるわけですね…

 

 

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