メンタル…。それは人間性を決定づけるもの…。

 

 

人間は精神である。精神とは何であるか?精神とは自己である。

かの哲学者 キルケゴールもこう言ったそうです(すみません、キルケゴールがどんな人なのか知りませんが、かっこいいので引用しました)

 

…さて、そんな「メンタル」ですが、人間は往々にしてこんな言葉で二分されます。

 

 

 

何事にも動じないタフネス「メンタル強者」!

センシティブな感覚を持つ「メンタル弱者」!

 

 

…この両者の間には深く埋めがたい溝が横たわっているわけですが、今回はそんな「メンタル強者」「メンタル弱者」を集め、それぞれの主張を語ってもらおうと思います!

 

 集まってもらったのはこちらのメンバー。

 

▼メンタル強者チーム

  メンタル討論会をやると聞いて、真っ先にメンタル強者チームとして自ら手を挙げたくらいメンタルが強い。

危機的状況になるとテンションがあがる

 

▼メンタル弱者チーム

他人に陰口を言われるのが怖すぎて、心を守るために「どうせこんなこと思ってるんだろう」と勝手に決めつけ1人で落ち込んでいる

テレアポのバイトをした時、鬼のように怒ってるクレーム電話に心が折れて、2日で辞めたことがある

 

 

 

そもそも、どういう趣旨なわけ?こんなもん話し合うまでもなくない?

そうそう。別にメンタルの弱さを否定するわけじゃないけど、強いに越したことはないですよね。

 

 

いや、「弱い」って言葉に騙されてますけど、我々には我々の理があるということを知ってほしいんです。

もちろん我々のほうが優れているというわけではありませんが、メンタルが弱い故のメリット、強い故のデメリットもあると思うんです。

そう。「強/弱」という評価軸で語るから誤解を生じさせているんです。今回は便宜的に「メンタルが弱い」と表現してますが、本当はそうじゃないんです。世間の勘違いを少しでも是正していきたい。

最初からごちゃごちゃうっせ~~~

 

 

弱メンタルエピソード

まず、挨拶代わりとして我々「メンタル弱者」エピソードを発表します。

 

これです。

 

 

どういうこと?

経緯はともかく、主催者が気の毒だな。

披露宴場でのアルバイトしていたころ、先輩の後ろについて教えてもらいながら配膳してたんですが、別のところでトラブルが起きて先輩がそっちに行っちゃったんですよ。

 

それでもうパニックになっちゃって…

パニックになるの早っ。

 

テーブル上の皿にタンシチューを盛る作業だったんですが、パニックになりすぎて途中でなんもないところにビチャビチャビチャって…

え?お皿もないところに?

そうです。途中で「あっ」って思ったんですけど、もう止められなかった。

結果、無言で机の上にシチューを撒き散らした人になりました。

完全なる狂人だと思われたろうな。

 

でも周囲にいた出席者がいい人で「おいおい、キミ、どうしたの(笑)」みたいな感じで話しかけてくれたんですけど…

優しい人で良かった。

本当にパニックになってたんで、完全に無視してバックヤードに戻りました。

最悪かい。

 

 

今回って過去の罪を懺悔する企画なんですか?

…まあ僕もこれに関しては、主催者が気の毒だなとしか言えないですが。

フォローしてよ。

 

では僕のエピソードを…

 

 

これですね。

 

 

あ~~~めっちゃ分かるわ!

え?「リプレイ」ってどういうこと?

 

例えば長島さんと喋った後、家に帰ってから「あれ、ちょっと誤解を招く言い方だったかなぁ…」みたいに考えてしまうことがあるんです。

だから寝る前に頭の中で、もう一度正しい会話をやり直します

 

長島さんって社長じゃないですか?でも、この会社って割と風通しのいい会社ではあるんで、会話の流れでつい「おい!ハゲ!」みたいなこと言っちゃうんですよ

風通しのいい会社だとしても、言わないでよ。

いやでも、ちゃんと反省するんで。言った夜とかもうね…。

そうそう、調子乗ってしまったなあ…みたいな。だから、そういう事を繰り返さないためのリプレイです。

まあ、気持ちは分かるけど徹夜作業にはならないかな。あと、長島さんがハゲてるのは事実だし。

事実だとしても。社長なのよ。

 

でもこれが徹夜になるのは脳内でのリプレイ精度が高い故なんですよ。つまりメンタル弱者はCPUのスペックが優れている。

範馬刃牙が空想上のカマキリと戦ったみたいなもんですね。常人にはできない。

これは良いようにいいすぎでしょ。結局過ぎ去ったことを都合の良い結果にして自分を納得させてるだけですよね。

どっちかというと新規の会話を脳内で想定するが多いかな。振り返っても意味ないから。

 

強メンタルエピソード

じゃあ、こちらのエピソードですね。

 

はい。

 

白紙…?

 

これじゃぞ!!!!ウチのボスは!!!!!

ボスは長島さんでしょ

 

え、結局どういうことですか?エピソードがないってことですか?

 

 

そうだけど?

そんな澄んだ目で言うことじゃない。

いや、ちゃんと言いましたよね???事前に考えてきて発表しあいましょうって。

うん。言われた。

 

 

でも思いつかなかったから、出さなかったけど?

出せ。

 

一応「クィディッチに出た」って送ったんだけど無視されたから、もういいかなって。

嘘つくにしても他になかったのか。

 

 

というよりも、僕自身のエピソードはこれといってないのは本当なんですよ。

なぜなら、強いのが常なんで。日常の全てを話すわけにはいかないでしょう。

 

「これをしたからメンタルが強い」という思考自体が、そもそも我々にはないですよね。思想があって行為があるのではなく、行為の後についてくるものなんですよ。

その通り。僕が言いたいのは、そういうことです。

 

考えるのがダルかっただけなのにベラベラと言い訳を…

ここで判明したのはメンタル強者は他人に迷惑かけることに躊躇がないってことですね。

これなんですよねえ、メンタルのお強い人って…

 

それぞれの主張

 

 

じゃあ、それぞれのエピソードも出たところで…片方は出てないですが…議論をしていこうと思います。まずは我々メンタル弱者の主張を聞いてください。

 

メンタル弱者の主張①

最初はこれです。

 

よう言うた!

我々側から「弱くあれ!」と言ったことはないんですよ。それなのにメンタル強い人って他人にも強要するじゃないですか!

そうそう、アホだから!!感受性がない上に、他人の気持ちへの理解が欠如してるからね!

かまど君、メンタル強くない?

強さを押し付けないでほしい。あなた達は自分を基準に物事を進める、いわばメンタル・ファシストです。

 

いや、待った。たしかにメンタル弱者に「弱くあれ」とは言われたことないけど、「僕たち弱いんですから気を使ってよね」という圧はめちゃくちゃ感じてる。

……。

むしろそっち側のプレッシャーのほうが多いよね。

弱さに甘んじて、他人に優しさを強要してるのはどっちなのか…。

……確かにそれはあるかも。

ギャラクシーさん!そんなことないから!すぐ折れないでって!

 

メンタル強者の主張①

そして、その意見に対して反論するこちらの主張があります。

 

さきほど「なぜ強さを押し付ける」という話がでましたけど、その解答としてはこれですね。

ネガティブ思考は周囲に伝染するんですよ。そのまま垂れ流すというのは、ところかまわず咳、くしゃみをすることと同じ。病原菌を撒き散らしてる。

咳やクシャミ?それは例え方の問題ですよ。レトリックを弄んでいるに過ぎません。

詭弁論法の典型的なテクニックですね。

ネガティブ思考、もちろんある程度は必要だと思うんです。懸念点を洗い出したりするのに。ただ必要以上なネガティブは毒でしかない。チーム全体に悪影響があるんですよ。

なにか勘違いしているようですが、「メンタル弱い=ネガティブ」というわけではないですからね。

じゃあ次は僕が言わせてもらいますが…

 

メンタル弱者の主張②

 

我々はメンタル弱者じゃなくて、メンタルコントロールが上手なんです。

ええ?それはこっちなのでは?

 

だってメンタル強者って…馬鹿でしょ?ショックな出来事があったときに、そこから目をそむけて「いや、気にしてないし」という。出来事に対して誠実に向き合った上で、正常な感情を持つ。これが道理でしょう。

人間だからメンタルの波があるのはどうしようもない。それを無視するんじゃなくて、それを察知して乗りこなす。あなた方は「いちいち一喜一憂してさあ…」みたいなこといいますけど、これが人間として正常ですからね。

我々はメンタルにバイオリズムがあることを自覚してるんですよ。それを理解したうえで、どうしていこうか考える。

正しいふうな事いってるけど、それなら最初から揺らがないほうがいいからね。

それに対しても反論あります。

 

メンタル強者の主張②

さっき「一喜一憂」とか「波を乗りこなす」と言ってましたけど、それはプレイ中にしちゃダメなんですよ。試合中に反省しちゃいけない。僕、麻雀が趣味なんですけど、試合中に反省するなんて愚の骨頂です。

プレイしながら反省をしてると進みが遅くなりますし、ほぼ無意味ですよね。

 

 

あなた方はまだ気づいてないかもしれませんが、「人生=メンタルの強さを計る」っていうゲームなんですよ。申し訳ないけど。メンタル強者が強くて当たり前なんですよ。

将棋で対戦するときに「どうせ将棋が強いやつが勝つゲームじゃん」って言わないでしょ?なぜなら、当たり前だから。人生はメンタルの強さだけを計るゲームだから。以上。

 

 

いや、人生においてメンタルが大事だっていうのは正しいと思うんですけど、「強いメンタル」が重要かどうかっていうのは分からないですよ!

そういうこと!

え、どういうことですか?

その時々で一喜一憂して行動が左右される、たしかにそれは良くない。ただ熱くなってもダメなんですよ。

そう。でも、何が起きても「大丈夫、いつもの俺のまんま」。これもよくない。

そうじゃなくて「俺、メンタルが揺らいでるな」と客観視して、行動を抑制することが大事なんです。この点においてはメンタル弱者のほうが優れている。

そう、結局のところ…

 

メンタル弱者の主張③

あなた達はメンタルの感受性は死んでる。メンタルのリビング・デッド。

先程の意見とかぶりますが、メンタル強者は「自分の心をごまかすのがうまいだけ」で、向き合うことを放棄してるんじゃないか、と思うんです。

「いますごい悲しい」、そういう時は誰しもありますが、それを「知らん」とするのは決して強さではない。揺るがない強靭な意思ではなくて、しなやかな感受性が重要なんです。

 

やはり弱さを抱えたセンシティブな人間じゃないと気が付けない部分があるんですよ。

 

でもギャラクシーさん、メンタルを誤魔化さなかった結果、シチューをテーブルにブチ撒けてるわけですし。全然乗りこなしてなくないですか。

 

え……?

 

 

え……?

……。

さっきから「乗りこなす」とか大言壮語ばっか言ってるけど、できてないことが実証されてるでしょ。たわごとぬかしなさんな。

「メンタルコントロール」の達人だったはずでは?

……。

 

 

……。

ギャラクシーさん!パニックにならないで!!

自己弁護の詭弁ばっか言うから。

因果応報。

 

メンタル弱者の主張④

わかりました!じゃあ我々がたしかに悪い部分もあるかもしれない!!それを理解した上でこう主張します!!

 

オラアッ!!!!!!!!!

 

は?

そりゃまあ、「心の強さ」というものがあったとして、それに個体差があるのは当然ですよね!?

たとえば高所恐怖症の人がいたら、平気な人が手を引いてあげたりするのが普通なんじゃないですか!?

そう。世界には気遣いのノブレス・オブリージュが必要なんです!

なぜか「メンタル」の話になると「いやあ、こんなんで…?」と突き放す。あなた達って結局こうだから!

 

それは確かにそうかもね。

でも人生ってそういう競技だから。蔑まれて当然でしょ。弱者なんだから。

は?冷た。怖くなってきたな、おい。こいつらメンタルの強さと引き換えに人間性を失ったのか?

じゃあ、最後に言わせてもらいます。

 

メンタル強者の主張④

あなたたち二人こそが…真のエゴイストです。

さっきから話を聞いていれば、あなた達は自分の心というものを最上位に置いていませんか?

 

それを「繊細」とかのたまってましたけど、全然違うんですよ。そして、我々のことを「誤魔化してるだけ」とも言ってましたね?でも、それって何も悪いことじゃない。

あなたたちの言い分は結局、努力しないで際限なく自分を甘やかしてるだけ。

 

自分の感情を騙すなんて大したことじゃないんです。

それなのにやれ「自分の気持ちが大事」、やれ「お前たちは誤魔化してるだけ」、そればっか。最終的には「お前たちがフォローすればいいだろ」…。

 

…あなたたちはメンタル弱者ではない。

 

 

ただのエゴイストです。

 

 

これは差し上げます。神棚に飾ってください。

 

 

……。

……。

 

ふぅ……

 

ビリッッ!!!

 

ッシャアアア!!

 

 

あ~あ…

癇癪起こしてらあ…

 

そこまで言うんだったらあなた達、どんなプレッシャーがかかった状態でも平気っていうんでしょうね!?

恥ずかしげもなく自分の事を「メンタル強者」って言ってきたからには!!!!

 

え…?まあ、いけると思うけど。

いうて社長ですからねえ…

 

 

じゃあ「プレッシャーのかかった状態で普通のことができるのか」検証しますか!!!!!

 

舞台準備しますよ!!!!!!!

 

 

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